生産技術とは?下町の製造会社が見逃しがちな効率化の肝
2019年02月07日
2019年02月07日
工場を持つ製造会社にとって、生産ラインの効率化を測ることは、経営において最も重要な課題のひとつです。無駄の削減や在庫管理体制の改善、工場の組織運営について、効率化の肝はどこにあるのでしょうか。今回は製造業における重要な職種のひとつ、生産技術について紹介します。

大手の製造業に携わる人であれば、生産技術と聞いて生産ラインの設計と改善を行う工場経営の要ともいえる仕事であることをすぐに認識されるかもしれません。中小企業の場合、必ずしも生産技術という名称で部門が設置され運営されているとは限りませんが、会社規模の大きさに関わらず、製造業を営む会社であれば、必ず生産技術の業務に携わっている人が存在します。時には工場長、あるいは技術部門や製造管理部門の人が兼任していることもあるでしょう。それほど、製造業において生産技術は重要な役目を持っています。
ではその仕事内容とは、具体的にどんなことをしているのでしょうか。簡単に説明すると、生産技術とは製品を高品質に供給するための手段を考え、なおかつ利益がでるように工数削減など、低価格化を実現するために現場で検討することです。
生産技術の主な仕事は、大きく以下の項目に分けられます。
新しい製品の生産を始めるためには、生産ラインの構築が必要です。生産ラインには、流れ作業で組立を行うライン生産や、製品に必要な部材を一か所に集めて一人で完成まで組み立てることで、受注がきたら生産するタイプのプル型生産など、さまざまな生産方式があります。生産台数やコストを考えてどの生産方式を採用するかを検討し、必要な部材の設計、レイアウトを考えます。
生産を開始すると、少なからず不良品が発生するため、生産工程を改善をしていかなければなりません。例えば作業性が悪く工数がかかってしまう、製品にバラツキが発生する、結果、歩留まりが低くなってしまうなどです。こうした課題を改善することは、生産技術のミッションのひとつです。課題を洗い出して改善することで、製品のバラツキを抑えて高品質化、歩留まりや作業効率を高め、工数削減による低コスト化を実現することができるようになります。
製品の質のバラツキにより性能を満たさない製品がでた場合、不合格になった原因を究明しなければいけません。部材の図面を確認し、不具合がでる原因を設計者とともに考え、時には設計者とは異なる視点(例えば部品のバラツキを変えずに治具で組立バラツキを減らして吸収するなど)での検討が求められます。
冒頭で紹介したとおり、生産技術の使命は低価格で高品質な製品を世の中に供給していくことです。中小企業はただでさえ慢性的な人材不足のため、生産技術担当者は複数の生産ラインをフォローしなければならなくなり、負担が増えてしまいがちですが、負荷調整という点でも生産技術への投資は注力すべきでしょう。
加えて、生産技術担当者は開発(設計)が完了する前から積極的に開発部門に関与していく必要があるでしょう。生産が始まってからでなければわからない問題も多々ありますが、開発が完了してから問題に直面し、設計変更するとなると検証へのマンパワーの問題などもあり、設計に戻って修正するのは困難です。生産ラインでの改善で対応出来れば良いですが、作業性が悪くなる、製品の堅牢性が悪化するなどのリスクを負い生産性を低下させてしまいます。
今回は、生産技術の役割と各ステップの重要性を解説してきました。中小の製造業はマンパワーが足りずに、曖昧に生産が進んでいくことも多くあります。その結果、生産性が悪化するリスクを抱えているのが現状です。少しでも改善すべく、生産技術を効率的に行う手法をつきつめてみてはいかがでしょうか。次回は、製造業にとって必須の5S活動の意味と取り組みについて紹介したいと思います。
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