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開業後はじめての従業員雇用、どのような手続きが必要?

2019年01月10日

はじめて従業員を雇用する際、労働基準監督署、ハローワーク、年金事務所などでどのような手続きをしたらよいのか不安に思うこともあるかもしれません。これらの手続きには期限が決まっていることがほとんどです。遅れずに手続きするための必要事項をあらかじめ把握しておきましょう。

 

 

 

労働基準監督署での手続き

従業員を1人でも雇用していれば労働保険に加入する必要があります。労働保険は労災保険と雇用保険から構成されているものです。まずは、労働保険全般や労使協定についての手続きから解説していきます。

従業員を雇ったら、まずは「保険関係成立届」という書類を労働基準監督署かハローワークのいずれかに提出しなければいけません。提出期限は保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内となっています。

また、労働保険は最初に概算保険料を支払い、年に1回精算(年度更新)する仕組みになっているため、「概算保険料申告書」を提出して保険料を納付することになります。提出期限は保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内となっていますが、実務上は上述の「保険関係成立届」と同時に出す場合が多いです。

さらに、時間外労働や休日労働が発生する場合には「時間外労働・休日労働に関する協定届」、従業員を10人以上雇用する場合には「就業規則届」を提出する必要があります。時間外労働・休日労働に関する協定は労働基準法36条に定めるいわゆる36(サブロク)協定と呼ばれるもののことです。従業員数にかかわらず、提出が必要となるので注意しておきましょう。

 

ハローワークでの手続き

ハローワークは、公共職業安定所とも呼ばれています。上述のとおり、従業員を1人でも雇用した場合の「保険関係成立届出書」は労働基準監督署かハローワークに提出すればよいことになっています。

従業員の雇用期間が1ヵ月以上、1週間の所定労働時間が20時間以上見込まれる場合は、雇用保険適用事業所となるため、「雇用保険適用事業所設置届」を設置の日の翌日から10日以内に所轄のハローワークに提出する必要があるのです。

従業員を雇用する度に、「雇用保険被保険者資格取得届」を雇用した日の翌月10日までに、所轄のハローワークに「雇用保険適用事業所設置届」を提出します。

 

 

 

年金事務所での手続き

年金事務所は社会保険関係の手続きをする場所です。なお、社会保険とは健康保険と厚生年金保険のことを指します。

法人および、常時勤務する従業員が5人以上いる個人事業主は、社会保険に加入する義務があります。つまり、株式会社などを設立した場合、従業員数にかかわらず、強制加入となるので注意が必要です。なお、飲食店や理美容業など一部の業種の個人事業主は対象外となります。

社会保険の適用事業所となった場合、「被保険者資格取得届」を日本年金機構に提出せねばならず、提出期限は事実が発生した日から5日以内とタイトなので、遅れないように気を付けましょう。

 

 

 

税務署での手続き

給与支払が発生する場合、税務署にも提出する書類があります。まず、「給与支払事業所等の設立届出」を、給与支払事務所の開設の事実があった日から1ヵ月以内に提出する必要があります。

この届出により、給与支払者である雇用主は所得税の源泉徴収を行うことになります。源泉徴収は給与支払者の義務となっているので、従業員が「自分で確定申告します」と言ったとしても、雇用主が適切に源泉徴収を行わなければなりません。

源泉徴収した所得税は、原則として、翌月10日までに税務署に納付する必要があります。ただし、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出すれば、納付を7月と1月の年2回にすることができます。この納期の特例が使えるのは、給与の支給人員が常時10人未満の場合ですが、該当する場合には活用してみてもいいかもしれません。

 

雇用手続きに不安が生じたら専門家に相談を

以上、雇用全般にかかわる手続きを解説してきましたが、いずれも従業員のお金や権利に直結することだけに間違いは許されません。もし不安がある場合には、社会保険労務士などの専門家の力を借りることも視野に入れておくとよいでしょう。

 

 

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