独立しようと思い立ったとき、ビジネスのアイデアを自分ひとりでじっくり考えてみるのも悪くはないですが、複数人で起業のアイデアを考えてみることで、あらゆる視点と角度からアイデアを集められるのではないでしょうか。そこで、世界的に認知されているアイデアを考えるときの発想法を試してみてはいかがでしょうか。今回は、ビジネスの現場でも定評のある「ブレインストーミング」、「KJ法」、「マインドマップ」、「ロジックツリー」という4つの発想法を紹介します。
ブレインストーミングでは「ダメ出し」しないことが大切
複数人でアイデアを出し合うときに活躍するのがブレインストーミングという手法です。ブレインストーミングは、1930年代に米国の広告代理店の役員であったアレックス・F・オズボーンにより考案された発想法と言われます。具体的には、参加者が自由にアイデアを出し合い、それらのアイデアを組み合わせて発展させていきます。それを繰り返してもとのアイデアをブラッシュアップすることで、実行可能なアイデアにつなげていきます。個人的なひらめきに依存しがちなアイデア出しを複数人で行うことに優位性があり、集団発想法とも呼ばれます。
ブレインストーミングをうまく行うコツは、出てきたアイデアを決して否定したりネガティブな意見を言ったり、批判しないことです。どのようなアイデアでもまずは受け入れられるという雰囲気が、より柔軟な発想を生むことにつながるからです。
カードを使った整理術がポイントのKJ法
KJ法はアイデアを整理するのに役立つ手法です。雑多な情報をカードに記入してグループ化することにより、情報を整理したり、絞り込んだりするのが特徴といえます。考案者である文化人類学者の川喜田二郎氏の頭文字をとってKJ法と呼ばれます。
具体的な手順としては、①アイデアなどの情報をカードに記載する、②情報の関連性によりグループ化する、③グループ分けしたものを、より大きなグループに分類する、④グループ間の関係性を検討する、⑤グループの意味合いや重要性を評価する、といったステップで情報を整理していきます。
KJ法のコツは各グループにその特徴を的確に表すタイトルを付けることです。これによりグループ間の関係性を明確にすることができます。そうすることで、各アイデアの意味を際立たせ、新たな着想や創造的な意見を生み出すことにもつながります。上述のブレインストーミングで出てきたアイデアを、KJ法で整理するという合わせ技もおすすめです。
視覚的にも楽しいマインドマップ
次に紹介するマインドマップは、アイデア出しにも情報整理にも役立つ手法です。中心にメインテーマを書き、放射状に情報を展開する印象的な描画方法であり、見たことがあるという人も多いでしょう。マインドマップは英国の著述家であるトニー・ブザンが提唱した手法であり、とくに自己啓発の分野でブームになりました。一方、ビジネスではプレゼンテーション資料、受験では暗記のためのツールとして利用されることも多く、根強い人気を保っています。
手順は、テーマとなるアイデアや情報を中央に書き、それを起点として関連情報を追加していくものです。下位の概念は枝分かれさせていくことで情報を階層的に整理できるという特徴もあります。また、創造性を刺激するためにイラストを用いたり、色を使い分けたりすることが推奨されています。複数人でブレインストーミングをする代わりに、1人でマインドマップを描きながら自由にアイデアを展開させていくのも有用な方法といえるでしょう。
出てきたアイデアの分析に役立つロジックツリー
最後に、アイデアを論理的に分析するための手法がロジックツリーという考え方です。ロジックツリーはアイデア相互の関係や論理展開を樹形図のように示すものです。論理関係には様々なものが存在しますが、例えば、全体と部分、原因と結果、内部要因と外部要因などの関係が挙げられます。ロジックツリー作成のコツとして、同じレベルの概念やアイデアは同じ階層として分析することが大切です。また、一つの概念を複数に分解したり、下位に展開させたりする際にはMECE(漏れなくダブリなく)の関係を忘れないようにする必要があります。
思考ツールの活用で、新しい起業アイデアを
今回紹介した4つの手法は、アイデア出しや情報の整理を思い付きやセンスだけに頼らず、誰もが複数人で実行できる発想法として提案されているものです。先人の知恵を有効に活用して、もうすぐ迎える新しい年に向けての独立・起業に役立ててみてはいかがでしょうか。
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