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大阪市内、メンズ専門の美容室を承継!競合ひしめく美容業界で描く事業戦略とは

2023年07月09日

大阪市内でメンズサロン3店舗、髪質改善サロン1店舗を営む「株式会社ブルーオーシャン」の代表を務める伊藤孝悦様。3店舗が2019年以降に新規オープンしたサロンであり、5店舗目を自身初となる事業譲渡で譲り受けされました。

もともとは、お父様のお店を引き継ぐ形で参入した美容業界。現在も年々店舗数が増えており、エリアによっては競合店がひしめく群雄割拠状態となっている中、どのような戦略をもって店舗拡大を行っているのか。初めて取り組んだM&Aの経験とともに、伊藤様にお話を伺いました。

 


 

譲渡企業
スキーム 事業譲渡
業種 美容院・理髪店
拠点 大阪府
譲渡理由 選択と集中

 

 

譲受企業
社名 株式会社ブルーオーシャン
業種 美容院・理髪店
拠点 大阪府
譲受理由 新規エリアへの進出

 


4年で4店舗の新規拡大。M&Aという新たな事業戦略

時代の変化とともに成長する美容業界において、直近数年で4店舗増と事業拡大を行なっている株式会社ブルーオーシャン。代表を務める伊藤様のご実家は、もともと理容室を営んでおり、伊藤様もその影響を受ける形で「NRB日本理容美容専門学校」へと進学され、美容業界に足を踏み入れました。

そんな伊藤様がこの業界に経営者としてのキャリアをスタートしたのは、2012年頃のこと。

「大阪市内を中心に、理容室と美容室を5店舗経営しています。元々、私の父親が理容室を営んでいて、今から11年ほど前に世代交代という形でお店を引き継ぎました。

その後、2店舗目は2019年、3店舗は2021年、4店舗目が2022年に出店しました。直近でオープンした5店舗目は、バトンズさんを通じて譲り受けたお店になります。」

世代交代で参入した美容業界で、2019年から順調に事業拡大を進めている伊藤様。自分で空き物件を探して改装を行い、新規顧客や従業員の獲得のためにマーケティング活動を行う。そうして4店舗まで事業を拡大してきた折、ふと観た情報メディアの番組によって事業戦略に大きな転換点を迎えます。

「4店舗目まではゼロベースで店舗拡大に取り組んできましたが、ある時NewsPicksという情報メディアで、M&Aの市場について取り上げられているのを観まして。その時に、M&Aで店舗を引き継ぐことができれば、ゼロから立ち上げるよりも瞬発力があるし、コストも抑えるかもしれないと、興味を抱きました。」

M&Aに興味を持った伊藤様は、さまざまなM&Aサービスの比較・検討を行い、バトンズにもご登録。初めて取り組んだM&Aは、ゼロからお店を開く場合と比べて、メリットに感じる点が多くあったと言います。

「初めてM&Aに取り組んだのですが、初月から黒字経営ができているので非常に良い店舗を譲っていただけたなと思っています。新規開業をする場合と違い、M&Aだと引き継いだ初月から営業活動に取り掛かることができますし、従業員も一緒に引き継ぐこともできれば、オープンまでもすぐに取り掛かることができます。

ゼロから始めるのが馬鹿らしくなると言えば大袈裟かもしれませんが、それくらいM&Aは魅力的だと感じました。ゼロから始めるとなると、軌道に乗せるまでにどうしてもマイナスからスタートする形となります。とくに美容・理容室業界は、固定客が着くまでに時間がかかりますので。

ゼロからのスタートだと、最初の1年はまあまあ我慢の期間が生じるのが通例です。その点、事業譲渡で譲り受ける場合、お客様もそのまま引き継ぐことができますので、新規顧客の獲得に力を入れれば、すぐに売り上げに繋げることができます。」

これまで3店舗の新規立ち上げを手掛けてきた伊藤様は、オープンまでの期間で開店準備やスタッフ募集など、必要備品や広告費等にどれくらいの費用がかかるのかを体感として持っておられました。M&Aは買収費用こそかかるものの、新規で立ち上げる費用とそれまでにかかる時間を天秤にかけると、コストパフォーマンスもよい手段であるとおっしゃっておられました。

男性顧客をターゲットにした、美容サロンの可能性

伊藤様は、これまで男性顧客を中心としたサロンを運営しておられます。女性と男性をターゲットにした場合では、マーケット戦略にどのような違いがあるのでしょうか。

「美容室は、初めは瞬発力があります。女性は新しく開店したお店に行きたいと考える方が男性に比べると多いので、初めは売上が上がりますが、その後持続させるのがなかなか難しいんです。

その点、男性のお客様はあまりお店の浮気をしません。1から美容師に説明するのが面倒だという方も多いですし、髪型の拘りがない方も男性の方が多いでしょう。

理容業は、余程のことがない限り、急に収益が上がる業態ではないですが、ちゃんと固定客がつけば売上が安定していく事業です。お客さんになってもらえさえすれば、女性をターゲットにした美容室より継続的な収益も見込めやすいと思います。」

厚生労働省の調査によると、2021年度の美容室店舗数は、25万4422件で過去最高。一方で、理容室の店舗数は年々減少しており、現在は美容室の半分以下となっています。需要が減っている分の減少値とみることはできますが、理容室は一定のニーズがあり、開拓の余地はあると伊藤様は話します。

「男性はある程度の年齢に達すると、若い女性が通うお店だったり、若い女性が働いているお店だったりすると行きづらいという方もいます。そういった背景も、男性が固定の理容室に通う要因にあるかなと思います。」

信頼あるオーナーから引き継ぎ、従業員と良い環境づくりを目指す

今回伊藤様が譲り受けたのは、大阪市内に店舗を構えるメンズ専門の美容室。売り手の事業者様と交渉を進める中で、オーナーの人柄に好印象を抱いたと伊藤様は話します。

「今回ご縁があったオーナー様は、とても腰の低い方で何事にも協力的だったので、スムーズに契約まで進めることができました。代表の方や従業員のみなさんも、オーナーさんに対して一切悪いことを言っていなかったので、信用できる方だろうと思いました。

信用に値する人かどうかは、人柄に滲み出てくるものだと思いますし、信用があってこそ大事なやり取りができると思います。あまり人が良くないと、どうしても『何か隠していることがあるのかも』と勘繰ってしまいますから。」

引継ぎ後については、「従業員との関係性構築」がうまく運営するうえで重要なポイントだろうと話す伊藤様。オーナーが変わることで不安の顔を浮かべていた従業員がいたため『今の待遇よりも下げることはない』『私がオーナーになったら、もっと待遇も良くしていく』と、ハッキリ伝えることを心がけたと言います。事業を運営するにあたって、従業員とのコミュニケーションは絶対に雑にしてはいけないことだとお話しくださいました。

無事ご成約に至り、現在リニューアルオープン中の本店舗。オープンまでにいくつか変更を行い、売上にも繋がっているそうです。

「具体的には、値段設定や広告の出し方、店構えなどを変更しました。この店舗があるエリアは少し特殊で、メイドカフェが多いようなエリアになります。そうしたエリアの特殊性も考慮して、見た目は男性目線を加えた形に変更しました。引継ぎ後、すぐに売上が倍くらいになりましたので、まだまだ伸びしろのあるお店だと感じています。

スモールスタートから始めて、経営者としての感覚を掴むことが大事

初めてM&Aプラットフォームを利用し、現在も順調に運営を行なっている伊藤様。利用して感じたバトンズのイメージについて、以下のように語っております。

「バトンズさんは、ひとことで言えば結婚案内所みたいなイメージかなと思いました。会社と会社を繋いでくれて、成約までのサポート行ってもらえるという意味で。

成約までの過程で特段難しいと感じるところはありませんでしたが、強いて言えば、もし相手側に見えてない負債などがあったときには怖いので、事前によく調べてから引継ぎを決めないとダメだと思いました

今すぐ新たにM&Aをしていく予定はありませんが、今後の自分のキャリアプランとして、違うジャンルにチャレンジできたら、というイメージは、譲渡案件をみていると膨らみますね。まずは、自分の事業をしっかり運営していくことを大事にしていきたいです。」

また、M&Aは経営者のキャリアチェンジや引退のハードルを下げる効果もあると話す伊藤様。今後は、売り手様が事業戦略としてM&Aを選択することも増えていくことが見込まれる中、買い手としてM&Aで成功するために、5店舗を経営する伊藤様から最後にアドバイスをいただきました。

「初めてM&Aをやるのなら、自分の貯金が少し残るくらいの余力を残してやった方がいいと思います。5坪や8坪とかの小さくチャレンジできるジャンルからスタートして経験を積んでいけば、経営に対して何となくの感覚が掴めてくるのではないかと思います。

また、『固定費をなるべく抑えること』は事業を行う上で大事なポイントかなと思うので、『事業を買ったら自然に売上が上がるだろう』と漠然と思うのではなく、売上に繋がる経営者としての視点を具体的に持って、自分のできる範囲でチャレンジしていただければと思います。」

お父様からお店を引き継いでからも、飽くなき向上心を持ち続ける伊藤様。美容業界の枠に囚われない柔軟な考え方で、今後はどのような事業展開を進めていくのか、楽しみでなりません。

伊藤様と株式会社ブルーオーシャン様の今後の更なるご発展を、バトンズ一同心より応援しております!

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