「国と地域とひとへの貢献」を掲げるユタカグループは、和歌山市を拠点に鉄鋼・交通・観光・介鋼・FC飲食など幅広く事業を展開している会社です。代表を務める豊田英三様は、これまでM&Aの経験を豊富に積まれており、今回は事業の一つであったフランチャイズの飲食店を譲渡されました。買い手・売り手双方の経験がある豊田様に、それぞれの目線から培ってこられたM&Aや今後の事業展望についてお話を伺いました。
譲渡企業 | |
---|---|
スキーム | 事業譲渡 |
業種 | 飲食業(FC) |
拠点 | 和歌山県 |
譲渡理由 | 選択と集中 |
譲受企業 | |
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区分 | 法人 |
業種 | 飲食業、人材派遣業など |
拠点 | 大阪府 |
譲受理由 | 新規エリアへの進出 |
コロナ禍の到来で譲渡を検討。10年にわたり経営を続けるも‥
新規事業としてFC事業を始めたものの数年で担当役員が退職。社長が直接経営に携わってから10年が経ち、この度バトンズを通じて事業を譲渡する決断をされました。
「フランチャイズとはいえ、年に数度の指導しかないFC本部でしたので、様々な事業見直しを試みているうちに、コロナ禍に突入しました。コロナ休業期間中、事業そのものの立て直しを検討することになりました。
『ノウハウや指導のないFC契約に意味があるのか。これなら事業経営と変わらないのではないか。FC抜きにして継続できる事業か』と問うた答えが、FC事業を辞めることでした。
自分たちで0から飲食事業を起こすことが大変なのはわかっていたので、フランチャイズという経営方針をとっていたのですが。フランチャイズというのは、経営ノウハウを持っているからフランチャイズであるはずなんですが、そこが不十分だと難しい部分が大きかったですね。」
フランチャイズ元の指示通り、忠実に店舗を運営してきたものの、経営は思うようにいきませんでした。市場調査や最初の指導も不十分であったことから、コロナを機に豊田様は事業を撤退することを決断します。
交渉途中で途切れる連絡。歯がゆい思いをする中で、最後まで進められたフランチャイズ経験が豊富な会社
そこからM&Aで譲渡先を探すことを決め、バトンズに登録した豊田様ですが、思うように譲渡先が見つからず、しばらく歯がゆい思いをしておられました。
「いくつかめぼしいところとやりとりを始めても、こちらが連絡をしたきり返事が来ないですとか、中途半端に終わってしまうことが多々ありました。正直な話、交渉中のまま尻切れトンボになってしまうのがネックでしたね。
やり取りが途中で途切れると、どうしたらいいのか困ってしまいます。そんな中で、最後まで交渉を続けることができたのが譲渡先となった会社さんでした。」
譲受企業の社長様とオンライン上でのやり取りを経てお話を進める中で、フランチャイズへの知見もあり、M&Aを真剣に検討していることが伺えて好印象を抱いたそうです。
「これまでフランチャイズ一筋で、大手牛丼チェーンのフランチャイズを何店舗か経営されている方でした。フランチャイズ元からしっかり指導を受けた上で経営をされていましたし、真剣にM&Aを検討されている方だったので、いろいろとこちら側の想いを伝え、お話を進めることができました。」
また、大手チェーン店から業態を変えて大阪でラーメン屋も経営しており、同じ業種・業態での経験もあることから豊田様は「ここなら大丈夫かもしれない」と感じられたそうです。
「フランチャイズ経験が豊富な方だったので、うちの現状をお話ししたところ、理解も早く、話が進むのも早かったです。先方としても、うちのフランチャイズ元のままではだめだという認識だったので、フランチャイズ元を変えて立て直しを図ろうと言う方向で話が進みました。」
判断材料にしている創立年度。事業への思い入れを測るひとつの指針に
売り手側として今回ご成約に至った豊田様ですが、買い手側としてもバトンズを積極的にご利用中。ゆたかグループは、M&Aを活用して多角的に事業を広げてきており、今後もM&Aを活用して事業展開を推進していきたいと豊田様は語ります。
「基本的には、今運営している業種に近い事業を探しています。現在検討しているのは、関連会社ですでに取り組んでいる『観光業』(バス、タクシー、旅行他)と『介護事業』(高齢者介護)の2つ。売上規模は、今うちがやってる一番大きい会社の半分ぐらいの規模で探しています。
金額に関しては、ある程度できあがっている事業であれば多少高値がついていても引継ぎがスムースになり、運営がやりやすいので、そこは事業の中身次第で要検討としています。」
バトンズのようなプラットフォームを使用したM&Aの他にも、銀行経由や個人経由など、豊富にM&A経験がある豊田様。そんな豊田様に、事業を検討しているときに着目しているポイントについてアドバイスをいただきました。
「一言では言いにくいんだけれども、買い手として情報を見るのであれば、会社の創業後の流れを確認することをオススメします。M&Aの世界では、創業させて数年で売り切りで逃げるというようなケースもあります。それはそれで割り切れるなら良いですが、そうでない方も多いと思うので十分に確認が必要と思います。
何十年と続いている会社は、経営者の方に強い想いがあるので、その中でどう引き継いでいくかが大事になってきます。たとえ創業して数年であっても創業者の想いがある事業の譲受は成功の確率が高いと思います。従業員ごと抱えることになる場合も多いと思いますので。」
「想い」は会わないと見えてこない。検索でフィルターをかけすぎず、まずはたくさんの人と会うことが大切
豊田様は、交渉にあたり「従業員が引き継げるかどうか」も重視しているそうです。経営者の方が事業に思い入れをもって経営をしている場合ほど、「代表が変わるなら私もやめます」と退職を希望する従業員が出る可能性も高いのだそう。
「会社としての歴史が長く、従業員の方も長く働いていると聞くと安心はするのですが、M&Aで社長が交代するタイミングで一緒にやめてしまう人も少なくありません。その部分はよくよく確認する必要があるかと思います。」
従業員を引き継ぐ前提で会社を買ったはずが、いざ引き継いでみると従業員がやめてしまうとなると、その後の経営に大きな影響をもたらします。そういった事例を防ぐためには、代表とよくコミュニケーションをとることが大事であると豊田様は語ります。
「社長さんと話していると大体分かります。それから社長以外の方ともお話できる機会があるのであれば、それぞれ個別に話をした方がいいですね。人は正直なので、一対一であれば案外本音を教えてくれるものです。
また、事前に会社を見にいくこともあります。そうすると、『従業員がサボっていて、社長がそれを見て見ぬ振りをしている』なんてことも見えたりするかもしれません。大きな会社でもそんなケースがあったりするので、内部がしっかり統治されているかの見極めは事業を引き継ぐ上で非常に大切なポイントです。」
バトンズのようなM&Aプラットフォームのサービスは、オンライン上で情報が見られる便利さがある一方で、それだけでは見えない部分がどうしてもあると豊田様は話します。最終的には人を見た上で伝わってくる情報が重要な判断材料になるため、検索の段階でフィルターをかけすぎない方がいいのではないかともお話いただきました。
「相手の事業に対する想いというのは、実際に経営者の人と会って話を聞かなければうまく伝わってきません。検索の段階で絞り込むよりも、数を打ってそこから会う人を探した方がいいかなという気がします。その点では、バトンズさんの仕組みはとてもいいと思うので、どんどん活用していったらいいと思います。」
今回は事業譲渡としてバトンズをご活用された豊田様ですが、ユタカグループが掲げる経営ビジョンを実現するために、今後は買い手としてもM&Aを積極的にご活用されるとのこと。次はどんな事業がゆたかグループに参画されるのか。今後の行く末に期待が膨らみます。
豊田様とユタカグループのますますのご活躍とご発展を、バトンズ一同心より応援しています!
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