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家業続けるべきか、成長期待できる第三者に託すか。「私にとってM&Aは自然な選択肢でした」

2021.03.19

2020年1月、冠婚葬祭をメインに団体の送迎サービスを営んでいた坂本様(仮称)は、旅行会社に事業をお譲りされました。どのような形の事業承継がベストか考えた時、M&Aは坂本様にとって自然な選択肢だったと語られます。

未亡人として突然継ぐことになった家業。セミナー参加をきっかけに第三者に託すことを決意

団体の送迎サービス業は、坂本様のご主人が平成12年にレンタカー業を廃業し、新会社を設立し始められた観光バスの運送事業です。今では取得が大変難しいとされる一般旅客自動車運送の許認可を取得し、主に葬儀会社向けに送迎サービスの手配を行われてきました。長年、夫婦で経営されてきましたが、平成22年にご主人が急逝。坂本様が後継者として引き継がれました。

お一人で経営を続けてこられましたが、世間でインバウンドの需要が高まる中、坂本様は観光客のニーズに対応していかなければ事業の発展・継続は難しいと悩んでおられました。

「しかし、今後インバウンドに対応するため資本を投入して会社規模を拡大していくことに自信がなく、かといって息子にこの事業を引き継がせていいものかと・・・。親族への承継を躊躇していたんです」。

坂本様の事業は、地域のお祭りごとや各家庭の冠婚葬祭に必要な団体送迎を一手に引き受け、地域にとっては欠かせないインフラでもありました。悩んだ結果、息子様の独立を機に会社を辞めることを決意、廃業せずに事業承継を行う選択肢として選んだのがM&Aでした。

金融機関に相談後、思い描いていた理想の買い手候補とマッチング

坂本様は取引先である南都銀行に住宅の住み替えについてご相談されていたそうですが、その時にM&Aについても軽く打診されてみたのだそうです。そこで南都銀行から紹介されたのが、日本M&Aセンターが主催するセミナーでした。親族内承継以外の事業承継の手段を詳しく学ぼうと参加してみることになりました。

セミナーでは立ち見が出るくらい盛況で、これからはM&Aって中小企業でも当たり前になるのかなと驚きを感じました。セミナーで聴いたM&Aの事例は私の会社よりも規模の大きな会社の話だったのですが、考えていることは一緒なのだなと、不思議と自信が湧いてきたのを覚えています」。

その時に記入したアンケートをもとにバトンズを知り掲載。買い手探しを始められたのでした。

バトンズでは約5社からマッチングのオファーがあり、アドバイザーの杉井さんが「事業の更なる成長を期待できる」「希望額の提示が可能である」買い手の選定を行われました。

最終的に交渉を進めることになったお相手は、取引先の金融機関が一緒だった旅行会社でした。金融機関の方からも、会社を譲渡した後も安定した成長を期待できる最適なお相手になるのではないかと薦められたそうで、結果的に坂本様にとって理想的なマッチングを実現することができました。

アドバイザーはどんな時も中立的な存在だったと気づいたのは成約後

坂本様は交渉中の3ヶ月間を本当に大変だったと振り返りますが、アドバイザーのお陰で無事に成約できたとお話しされます。

「アドバイザーの杉井さんは、今から思えばいつも公平な立場だったのだなというのが分かるのですが、交渉中はお相手の味方なのかな?と思うこともありました。ところが、成約した後に買い手の社長さんとお話をすると、お相手も先方の味方なのかな?と思っていらっしゃったそうなんです。笑 杉井さんは根がしっかりしている方なのでブレないというか、本当に中立的な存在で交渉を進めてくれていたのだなと後になって分かりました」と坂本様。

“お互いの立場を守る”という、仲介者として一貫した姿勢を貫いた杉井様の存在がM&Aを成功に導いたのでした。

情報開示にあたっては、従業員の心理面に配慮されたとのこと。引継ぎ期間中に徐々に不安を解いていかれたそうです。

「実は、買い手のご親族が経営されている会社が既存取引先のひとつでした。従業員からしたら、取引先である社長の親族が買い手になったので、もしかしたらこき使われるのではないかと不安を漏らしていたのです。しかし、別会社なのでそういったことは絶対になく、今までと変わりはないと説明しました。半年ほどは私も会社に出て伴奏していましたので、従業員には徐々に理解していってもらいました」。

2020年1月にご成約後、坂本様は4月まで役員として毎日出勤し書類等の引き継ぎ業務を担当。5〜7月は従業員としてたまに出社する程度で、10月末に正式にご退職されました。

譲渡を終えやっとできた自分の時間。これからはアートフラワーの世界へ

M&Aの過程では、坂本様は以前参加したセミナーで聴いた譲渡経験者のお話を参考にアドバイザーと金融機関以外の誰にも相談せずに交渉を行われました。ご親族へは最終契約直前のお正月にすべてをお話されたそうです。

「家族は私が一人で頑張っていたことを知っていましたし、これまで休む時間もなかったので、肩の荷が降りて良かったねとみんな賛成してくれました。

会社を経営していた頃の、いつ何時でも携帯を手放せない生活から解き放たれ、本当に気持ちが楽になりました。今では携帯を置き忘れても何の問題もありません。笑 また、M&Aを進めていた頃を思うと、今は本当に人生が変わったなと思っています」。

先日、坂本様はこれから過ごす自由な時間で新たに事業を始めようと、開業届を出されました。

結婚後に主人が作った会社でやってきた仕事は、与えられていたという意識があったのですが、退職後は自分で好きなことをやってみたいと思い、着物の布で作るアートフラワーに没頭しています。いらなくなった着物を違った形で残すことができ、着物の持ち主にとっていい思い出になるのではないかと考えています」。

M&A交渉中は不安な時も一人で耐え抜かねばならず、その時の気苦労は大きかったそうですが、坂本様はもし今回の交渉が破談になっていたとしても、セミナーに参加した経験が自信を与え、必ずM&Aは出来ると確信していたとお話されます。

これからM&Aを検討している経営者の方は、勇気を持って一歩を進めてほしいと坂本様はエールを送ります。

「こんなちっちゃな会社でもM&Aができるというのはすごいことだと思います。本当に成約できて良かったです。私にとってM&Aは自然な選択肢でした。考えるよりも、まずは行動をしてみないとM&Aってどんなものか分からないと思います。考えすぎて譲渡できる時期を逃してしまうかもしれませんし、引き下がることは簡単にできますので。まずは勇気を持って一歩進めてみてください」。

坂本様のアートフラワー作品。画像左:正絹の羽織で作った百合。 画像右:正絹の羽織と裏地を染めて作ったトルコ桔梗と菊。

坂本様のアートフラワー作品。画像左:大島紬で作った芍薬。 画像右:大島紬で作った百合。

 

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