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障がい者の就労支援のため、M&Aで事業を拡大。「生涯を通じて寄り添い続ける福祉サービスを」

2023年06月25日

大阪を拠点に、介護事業・障がい福祉サービス・介護保険サービスを展開している「OTTO合同会社」はこの度、バトンズを通じてEC事業を連続買収されました。初となるM&Aに取り組まれた、OTTOの代表を努める宮本周様はどのような経緯でEC事業を買収されたのか。M&Aアドバイザーとしてご成約のサポートをされた「マエトク・フォーベルツ株式会社」の前野智純様にもご同席をいただき、M&Aに至った背景や今後の経営ビジョンなどについてお話を伺いました。


 

譲渡企業
社名 法人
業種 小売業・EC事業
拠点 東京都・大阪府
譲渡理由 選択と集中

 

 

譲受企業
社名 OTTO合同会社
業種 介護・障害福祉サービス業
拠点 大阪府
譲受理由 新規事業への参入

 


「障がい者の方たちが働ける環境づくり」を目的に、M&Aをスタート

Photo by iStock-1451121687

もともと飲食店の経営に長年携わってきた宮本様は、当時勤めていた会社の事業の一環として障がい者福祉事業に関わる機会があり、そこから介護・福祉業界でのキャリアがスタートしました。

一従業員としての勤務を経験したのち、もっと福祉事業に関わる新しいことをしていきたいという想いを抱くようになった宮本様は、独立・起業を決断します。

「福祉の事業に携わる中で、障がい者の方たちが社会進出をすることの難しさや、その仕組みが整っていないことを感じるようになりました。そこから、『障がい者の方たちが働ける場所を作っていきたい』という考えが生まれました。」

働き口を作るとなると、新しいビジネスをゼロから立ち上げるよりも、既存の事業を利用する方が効率的だろうと考えた宮本様。自身で調べていくうちに、M&Aという手段とそのマーケットについて知り、興味を持ったのだそうです。そして前野様との出会いを皮切りに、本格的にM&Aでの事業展開を検討し始めます。

今回宮本様が引継ぎされたのは、ペットフードのEC販売を行う事業と、CBD製品のEC販売を行う事業。様々な業界・業種がある中で、宮本様がEC業界を選んだのは、簡単な作業から難しい作業までが幅広くできる業種だと判断したからでした。

「M&Aを検討し始めた頃は、自分がやってみたいと思う事業を中心に見ていました。ですが『就労支援のため』となると、障がいを持つ人たちはできることが大なり小なり幅があります。一口に『障がい』と言っても、同じ作業でできる人とできない人が発生します。それを考えていくうちに、梱包作業などのボリュームが少ない仕事がメインとなる、EC販売の事業は非常に良いのではないかと思いました。」

『障がい者雇用に結びつけられそうな事業』として、EC事業を選択

Photo by iStock-1357215465

『障がいのある方が働ける環境作り』という基準で案件を探されていた宮本様の想いを汲み取りつつ、M&Aアドバイザーとしてサポートされたのはマエトク・フォーベルツの前野様。ECの業界に長く在籍されていた経験も踏まえ、宮本様のビジョンや事業に最適な案件かどうかを精査されました。

「前提として『障がい者雇用に結びつけられそうな事業』を想定しながら判断していきました。今回はたまたまEC事業を二つ買収する形になりましたが、初めからEC案件に絞って探していたわけではなく、他の業種も幅広く見ていました。

とはいえ、私自身がECの業界に長く居たという背景があり、ある程度の知見もありましたので、『この分野は今後伸びそうだ』というのがEC案件だと肌感でわかった部分はありますね。」

そう語る前野様の知見も借りることで、EC事業の引継ぎを決断できたという宮本様。今後も福祉事業を長く続けていく上で、障がいを持つ人でも働きやすい環境が、社会全体でより整っていくことを望んでいます。

「障がいの重度によっては、どうしてもできることが限られてしまいます。全員が統一して同じことをできるわけではありませんので。私は長く福祉事業を続けていきながら、障がいの程度に関わらず誰もが働ける環境を作っていきたいと思っていますし、それは実行可能だと考えています。まずは、今回引き継いだ2つのEC事業を、その第一歩として確立させていきたいです。」

条件面のマッチ度もありながら、最後の決め手は「人」だった

「障がい者の就労支援」に絞って案件を探されていた宮本様ではありますが、数ある売り案件の中でも、最終的な決め手となったポイントは何だったのでしょうか。

「障がい者の方ができる業務かどうか、というところはもちろんですが、その事業を長く続けていけるビジョンが見えるかどうかも重要視していました。それから、僕は仕事の場に限らず普段から『人』を見て判断する部分があります。交渉を通じて関わっていく中で見えてきた代表の方の人格が良かった、というのも決め手になりましたね。」

ペットフードのEC販売事業、CBD製品のEC販売事業それぞれの売り手様は、宮本様の『障がい福祉サービス』の事業に対してしっかりとお話を聞いた上でコミュニケーションをとっていただけたと話す宮本様。

「私の事業にも耳を傾けていただけたこともあってか、交渉を進める中で『この事業を買収して、何年後か先にはここまで形を持っていけるんじゃないか』といった未来を見通すことができました。引継ぎ後の先が見えやすかったという点は、他の事業との違いだったかもしれません。」

EC事業の業務フローを構築できれば、新しく別の人に変わったとしてもすぐに慣れることができるため、長い目で見てもビジネスとして成り立ちそうだと宮本様は話します。

また、事業の引継ぎが終わった今でも、わからないことがあれば前代表と連絡を取り合って相談に乗ってもらえているのだそう。現在の関係性のお話を聞いていると、「人」で選んだからこそ続いている、ポジティブな関係性があることが伺えます。

良いことも悪いことも、どこまで掘り下げてくれるか。良きアドバイザーとの出会いがM&A成功の秘訣

Photo by iStock-1309115995

前野様と出会ってから初めてバトンズのことを知ったという宮本様。バトンズでは、1つの案件に対して平均16〜17者が交渉に入るというのが現状で、買い手様によってはなかなか成約に至らないといった声もあります。そんな中で、宮本様は今回2つの事業でご成約を実現されています。

「私がビジョンを立ててスムーズにM&Aを実施できたのは、M&Aアドバイザーの前野さんの力量があってこそだと思っています。

事業の運用に関しては、引継ぎ後に自分でやってみるまでわからない部分が多いとは思いますが、事業の中身を精査してくれる良いアドバイザーさんと出会うことができれば、成功確率は上がるんじゃないでしょうか。」

M&Aアドバイザーとして、宮本様より絶大な信頼を置かれている前野様。交渉時に気をつけているポイントについて伺ったところ、やはり「人」の見極めが重要であるとお答えくださいました。

「私は売り買い両方でアドバイザーとしての経験があるのですが、やり取りの中で『人としての信頼性』を見極めることは重要だと思います。例えば、バトンズさんの画面上で文面のやり取りをするじゃないですか。その文面ひとつとっても、レスポンスがすごい遅かったり、逆に早くて丁寧だったりとか、人間性みたいなものが必ず現れます。

『この人はあんまり上手くいきそうにないな』と感じたところは大体その通りになりますし、『ちょっと嘘ついてそうだな』と思ったら、実際に重要な情報を隠していた売り手さんもいましたからね。やっぱり、大事になってくるのは人間を見るところじゃないですかね。」

これまでのアドバイザー経験から、人を見る重要性をお話くださった前野様。宮本様にも、宮本様から見た前野様の交渉術やサポート面で助かった点について改めて振り返っていただきました。

「その事業について、良いことも悪いこともどれだけ深く話してくれるかが大事だと思います。例えば、利益が上がっているから良い案件かといったら、そうじゃない場合もあります。また、どれだけ高くても欲しいものっていうのも、人によって様々じゃないですか。

私は走り出すと前が見えなくなって、勢いでワーッと行こうとしてしまう時があるのですが、そういった時に先を見据えてブレーキをかけてくれる人は、良いパートナーになり得るんじゃないかと思います。

前野さんは、短期ではなく長期で考えて適切なM&Aかどうかを判断してくださるので、経営の観点からアドバイスをいただくことも多々あります。今回の成約も、前野さんがいなければ成長ビジョンを描けなかったと思います。」

「生涯を通じて寄り添える会社でありたい。」今後もM&Aで幅広いサービス展開を構想

Photo by iStock-1160066707

二つの事業を買収し、今後もM&Aで新しい事業に参入することを検討していると話す宮本様に、最後に改めて、会社全体としての今後のビジョンについて伺いました。

『障がい者の人たちが住みやすいような環境を作る』というのをこれまで軸にして事業をしてきて、そこはこれからも変わらずに掲げていきます。加えて、それだけでは終わらない『生涯を通じて寄り添える会社でありたい』と思っています。

実は、最初にM&Aの検討を始めた時に葬儀屋さんも引継ぎ候補に考えていました。僕らの仕事で関わる方々は、一番若い人で小学生からスタートしていきます。彼らが大人になるにつれて、一人で生活していくこと、働くことも困ることのひとつではありますが、身寄りがない人の場合『自分の死に目をどうしたらいいか』というのを考えたりする方も多いんです。

最終的なビジョンとしては、本当に最後の最後までうちの会社で、生涯を通じて寄り添い続けることができたらいいなと考えていますね。」

障がい者の方たちが生きやすい社会を目指し、新たな一歩を踏み出したOTTO合同会社。今後もM&Aを駆使しながら幅広く働き口を増やしていき、生涯を通じて寄り添える会社作りを目指します。

宮本様とOTTO合同会社のますますのご活躍とご発展を、バトンズ一同心より応援致しております!

 

この案件を担当した「マエトク・フォーベルツ株式会社」の紹介ページ

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