カメラレンタル事業を事業譲渡されたのは、旅行業を手掛ける合同会社MREの中野様。旅行業を主軸にさまざまな事業を横展開されている中野様は、もともと買い手としてバトンズに登録したところから、今回の事業譲渡に至りました。サブ事業として始めたカメラレンタル事業を、どのような経緯で譲渡検討に至り、お相手を選定されたのか。約1カ月のスピード成約を実現された背景について、お話を伺いました。
譲渡企業 | |
---|---|
社名 | 合同会社MRE |
業種 | 旅行業、レンタル事業 |
拠点 | 大阪府 |
譲渡理由 | 選択と集中 |
譲受企業 | |
---|---|
区分 | 法人 |
業種 | EC業 |
拠点 | 東京都 |
譲受理由 | 新規事業への参入 |
旅行業の傍ら、サブ事業として始めたGOPROのレンタル事業
もともとサラリーマンとして働かれていた中野様でしたが、コロナを機に会社に依存しない、自身の収入の柱を作る必要性を感じ、合同会社MREを設立。合宿専門の旅行会社をメイン事業として、現在はレンタル事業などのさまざまな事業にも取り組んでいます。
そのうちのひとつが、今回譲渡対象となったGOPROのレンタル事業。旅行業界は繁忙期が明確であるため、オフシーズンで何か収益化できることはないかと模索する中で始めた事業でした。
「旅行業はオンシーズンとオフシーズンがあるため、忙しくない時期を利用して何かできないかと思っている中で、旅行と相性が良いカメラに目をつけました。カメラの中でも、GOPROはYouTube等で流行っており需要がありそうだと思ったのと、旅行事業のフック商材としてシナジー効果が期待できそうだということで、GOPROのレンタル事業を始めました。」
新しいビジネスを思いついたら、具現化をしないと気が済まない性格であるとご自身を客観視する中野様。1から立ち上げられた事業は、他人に任せても問題ない状態を目指して運営をしているそうです。
そんな中野様がGOPROのレンタル事業を立ち上げられたのは、今から1年ほど前。譲渡を検討し始めたのは、スタートしてから1年も経っていない状況下でした。
「この1年で、色んな事業を思いついては形にする、ということをやっていたら、手が回らなくなってしまいまして。スタッフを雇って事業を継続させてもよかったのですが、コロナで大変な思いをしたこともあって、できるだけ雇用契約や業務委託契約は結びたくないという気持ちがありました。であれば、もう他の方に任せてしまってもいいのかなと思い、売却を検討しました。」
掲載から1カ月足らずで事業譲渡。想像以上にスピーディーに進んだM&A
もともとは買い手としてバトンズに登録されていたという中野様。ただ、買い手として交渉されたことはなく、初のご成約は売り手としての事業譲渡となりました。
「こういう事業があるんだとか、面白い案件があるなと思って売却案件を見ていました。実際引き継いだとしたら、自分にはどういうことができるだろうかとか、そういうのを探りながら見ていました。
その後、売り手として登録してみて『こんなに簡単に売れるんだ』というのが率直な感想です。それは、バトンズさんがM&Aをシステム化されていて、それに乗っかるだけでいいという部分は大きいと思います。初めて事業売却を経験して、思った以上にスムーズでびっくりしましたね。」
事業を譲り受けされたのは、法人として引き継がれた田中様(仮称)。田中様からご連絡があってから、約1カ月というスピードでご成約に至りました。
「掲載から成約まで1ヶ月かからないくらいだったと記憶しています。買い手と売り手の比率が1対8くらいだと聞いていたので、売り手側がかなり有利だというのは思っていたのですが、やってみないと分からないじゃないですか。
掲載してみると、すぐに複数の方からお問い合わせがありました。最初は、問い合わせはくるものの、成約には至らないのが1週間、2週間、3週間と続きまして。半信半疑なまま続けていたら、今回譲渡させていただいた田中様からご連絡がきまして。そこからはパパッと決まりました。」
中野様は、今回のご譲渡において「価格とスピード」を重視していたとのこと。田中様は、経営者ならではの決断力とスピード感があり、そこが譲渡の決め手になったそうです。
「田中様は、やはり経営者の方という感じで、事業の内容もすぐにご理解いただけましたし、決断力もおありだったのでスピーディーに進みました。
ただ、事業を譲るにあたってホームページも譲渡するという形だったので、ドメインの移管とか、そういった細かい部分が難しかったです。ITに長けていたらよかったのですが、私がそんなに知識もなく、田中様もそこまでITに詳しい方というわけではなかったので、苦労した点を上げるとするとそこでしょうか。」
ご成約までは、中野様の想定以上にスムーズに進められたとのことで、バトンズを通じて誰でも売り買いできるということを実感されたのだそうです。
「M&Aは難しいものだと思っていましたし、一部上場企業の会社が売買するというようなイメージが強かったです。しかし、自分で事業譲渡を経験してみて、本当に誰でも売買できるというのを感じました。
それは、やはりバトンズさんがシステムを作っていただいているからというのが大きいと思います。さらに、バトンズさんでは売り手と買い手のマッチング以外にも、成約に至るまで手取り足取りサポートいただけたので、そこもスムーズに事業譲渡できた要因です。
副業のポイントは、作業のシステム化。子どもでも任せられるようなシンプルな設計
バトンズの買い手として登録されている方の中には、会社に勤めながら副業として事業を探されている方も多くいらっしゃいます。主軸となる旅行業を運営されながら、他の分野でも多角的に事業を展開されている中野様は、事業を複数展開するためには「いかに作業をシステム化できるか」がポイントだと話します。
「私自身、人材不足というのもあり、属人性の低い事業を考えて立ち上げてはおりまして、『サラリーマンでも副業でできる』『少額案件かつ時間のかからない事業』というのは意識してやっていました。
もし副業として事業を考えている方がいるなら、時間も労力もかけないというのが一番のポイントでしょう。また、スタッフを雇わなくてもできるものがいいですね。
私は、システムさえを作ってしまえば、流れ作業でできるようなビジネスを心がけています。事実、レンタル事業に関しては、ホームページを作ったあとは『発注がきたら伝票を書いて商品をダンボールに梱包して発送』、『返却されたら中身を確認してクリーニングして保管』、ずっとその繰り返しで、あまり時間も労力もかかっていません。
このように、小学生である私の子どもにでも任せられるような、シンプルなものを作ろうといつも心がけています。」
もともとは買い手として登録されていた中野様。0からの事業立ち上げを何度も経験されている中野様が、もしM&Aで新しく事業を始めるとしたら、示されていないリスクも想定・調査したうえで取引をされると言います。
「もし本気で買おうと思ったら、やはり発生し得るリスクを調べます。事業を売ろうと思っているということは、何かしらリスクがある可能性も考えられるでしょうし、その前提で望む必要があると思います。
例えば、民泊のように法律が変わってこの区域では来年以降営業できなくなるとか、規制が厳しくなるということもあり得ますよね。しかし、売る方はそういうことまでわざわざ書かないでしょう。
固定費がどれだけかかるか等も含め、しっかりと事業や業界の裏取りをする作業は大切だと思います。自分でやっていく覚悟があるのであれば、必ずそういうことは調べておかないといけないですね。」
インバウンド事業に軸足を置き、全国へツアーを展開していきたい
GOPROのレンタル事業をご譲渡され、今後はMREの主軸である旅行業に力を入れていくと話す中野様。コロナも終息の一途を見せており、旅行業界もコロナ前の状態に戻りつつある中で、中野様はインバウンド事業を展開していきたいとおっしゃいます。
「コロナもほぼほぼ終息して、ようやく日本に来ていただける外国人観光客が増えてきました。今後はインバウンド事業に軸足を置いて、外国人相手にツアーを売り出していければと思っています。
弊社は888ツアー(トリプルエイトツアー)という自社ブランドのツアーを関西中心に展開しています。現在は全国展開を目指していまして、採用活動も全国的に実施しています。
私は兵庫県に住んでいるため関西は詳しいのですが、そのほかの地域はまだまだ調査中なので、現地でガイドさんを雇いつつ事業を広げていきたいと思います。」
コロナが明けて入国規制が少なくなり、円安も後押しする現在は、旅行業界にとって大きなプラスとなっています。また、中国本土からの団体旅行の規制について、間もなく解禁されるだろうと言われる中、中国本土からの団体旅行客の需要も取っていきたいと意気込む中野様。
中野様と合同会社MREの今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!
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