▼2006年5月の会社法の施行より新設された「合同会社(LLC)」という形態も、今やすっかり一般的な存在となりました。それでも会社を設立するにあたり、株式会社と合同会社のどちらを選べば良いのかという話は今でも聞かれます。そこで今回は、株式会社と合同会社の違いについて解説する。
株式会社と合同会社は思想が違う
LLCとは、リミテッド・ライアビリティー・カンパニー(Limited Liability Company)の略であり、合同会社を指す言葉です。ライアビリティーとは責任を意味する。つまり、合同会社は有限責任の会社のことを指します。
有限責任とは、仮に会社が債務を払えなくなった場合でも、会社の出資者は当初に出資した額以上の責任を負わないで済むということです。しかし実は、株式会社・合同会社にかかわらず、会社の出資者は有限責任という点では共通しています。
それでもなお、会社法の施行にともなって、従来から存在する株式会社とは別に合同会社という形態が新設されたのには意味があります。
株式会社では「会社を所有する者と会社を経営する者は別」という考え方が基本となってます。一方、合同会社では「会社を所有する者と会社を経営する者は同じ」という思想が根底にあります。そうした性格の違いから、株式会社と合同会社とではいくつかの異なる特徴が存在します。
株式会社は資本を、合同会社は社員を重視
まず、株式会社では出資者(株主)とは別に、取締役や監査役などの機関が置かれます。これに対して、合同会社ではそのような機関の設立には決まりがありません。業務執行については出資者である社員が多数決で意思決定することになるのです。
ただし、株式会社でも株主が取締役になることに問題はありません。また、監査役を置かない株式会社も設立できます。つまり、どちらでも1人で会社を設立できるという点では同じです。
次に、多数決の方法に違いがあります。株式会社は出資額に応じた資本多数決です。一方、合同会社では社員の頭割りによる多数決となります。
また、剰余金の分配などについても、株式会社では出資額に応じてなされるのに対して、合同会社では社員間で自由に決めることができます。
設立費用なら合同会社
知名度を気にしなければ合同会社の利便性は高い
こんなお悩みありませんか?
つなぐマッチングプラットフォームです。
累計5,000件以上の売買を成立させています。
またM&Aを進めるためのノウハウ共有や
マッチングのための様々なサポートを
行わせていただいておりますので、
まずはお気軽にご相談ください。
編集部ピックアップ
- M&Aとは?流れや注意点、スキームなどを専門家がわかりやすく解説
- 事業譲渡とは?メリット・手続き・税金などについて専門家が解説
- 中小M&Aガイドラインとは? 概要や目的を詳しく解説
- 企業買収とは?M&Aとの違いは何?メリットや手続きの流れをわかりやすく解説
- 会社売却とは?M&Aのポイントや成功事例、IPOとの違いも解説
- 【完全攻略】事業承継とは?
- スモールM&AとマイクロM&Aとは?両者の違いとメリット・デメリットを解説
- 合併とは?会社合併の種類やメリットデメリット・手続きの流れ・必要書類を解説
- 後継者のいない会社を買うことで得られる多くの利点とは?
- カフェって実際のところ儲かるの?カフェ経営の魅力と開業方法
その他のオススメ記事
-
2024年09月17日
トラック・運送業のM&A動向 | メリットや事例について解説【2024年版】
運送業界は、 M&Aの需要が高まっている業界のひとつです。その背景には、後継者不足や2024年問題などさまざまな理由があり、事業規模の大小問...
-
2024年09月05日
未来への想いを共有できる会社とM&Aで手を組みたい。バディネットは、すべてのモノが繋がる社会を支えるインフラパートナーへ
2012年に電気・電気通信工事業界で通信建設TECH企業として創業したバディネット。2024年現在、5社の買収に成功して業容を拡大させています。今回は...
-
2024年08月05日
コラム/法務デューデリジェンスとは?流れやポイント、費用などを解説
デューデリジェンス(以下「DD」といいます。)は、M&Aの実施にあたり、関連当事者が種々の問題点を調査・検討する手続のことを指します。通常...