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「最後は直感を信じて」第五の事業に、福岡市にある郵便局内の売店事業

2022年12月13日

福岡県の天神に本社を構え、広告サイン事業、スポーツ事業、EC事業、食品加工事業、そして今回のM&Aでご成約された店舗事業と、多岐にわたるビジネスモデルを手掛ける「株式会社LARKS」。そこで代表取締役社長を勤めるのが、今回M&Aでご成約された今村誠様です。

最終的な判断は「直感」を信じて決断してきたという今村様が、この度、同じ福岡県にある郵便局内の売店を引き継ぐにあたり、何が今村様の「直感」を刺激したのか。交渉依頼件数100件以上の本事業をご成約された今村様に、詳しくお伺いしてまいりました。

 


 

譲渡企業
社名 有限会社郵幸商事
業種 小売業
拠点 熊本県
譲渡理由 後継者不在

 

 

譲受企業
社名 株式会社LARKS
業種 スポーツ事業・広告サイン事業など
拠点 福岡県
譲受理由 新規事業への参入

 


起業から7年、手がけるのは5つの多種多様なビジネスモデル

Photo by iStock-1161793848

会社員をされていた当時、いつかは独立起業したいと思いながらも、なかなか辞めるタイミングを掴めず「ズルズルと続けてしまっていた」と話す今村様に転機が訪れたのは、今から約7年前のこと。

知り合いを通じて、スポーツ用品店を譲り受けないかという話が舞い込んできたのだそうです。スポーツ好きな今村様にとって、本事業は「面白そうだ」と感じられたそうで、継承を受諾し、それを契機に会社を辞める決心をされたのだそうです。

「ようやく独立するきっかけに出会えたのだから、自分でも事業を興そうと思って始めたのが看板サイン事業でした。事業所は福岡県にあるのですが、西日本全般を商圏にしていて、九州だけでなく中国地方や四国地方のお客様にも対応しています」とのこと。

こうして、スタート時から2つの事業を運営することとなった今村様。その後も経営手腕を如何なく発揮され、熊本県阿蘇地方の特産和牛である「あか牛」に特化した加工食品の製造業に着手したり、それら加工食品を既存事業で扱うスポーツ用品とともにオンライン販売をするためにEC事業を始めたりと、事業の多角化を実現されていったのでした。

順調に事業を成長させてきた今村様は、今年度の年頭所感において「M&Aを活用して、五番目となる事業を創造する」という目標を立てられたのだそう。こうして、今村様のM&Aは本格的なスタートを切ったのでした。

惜しみなく情報提供してくれる誠実な人柄が響いて、内見終了後すぐに申し入れ

Photo by iStock-1351767370

今村様は、お知り合いを通じてスポーツ用品店を譲り受けた時、既にM&Aというものをご経験済みだったということもあり、大枠の流れは認知されていました。

「M&Aについては、良い部分も悪い部分も知っているつもりです。それでも、総合的に判断すると、この手法を使って事業を拡大していく方が、ゼロから全て自分で立ち上げるよりも効率が良いですし、得られるものの方が大きいというのが私の結論です。なので、今年度が始まる前からM&Aのマッチングサイトは頻繁に見ていました」と話す今村様。

そんな今村様が数ある譲渡案件の中から選ばれたのが、福岡市にある郵便局内の売店事業であり、その運営責任者である宮崎正幸様でした。約1年もの間、M&Aのマッチングサイトを眺めていたという今村様にとって決め手は何だったのか、その真意をお伺いすると

「大抵の場合、NDAを結んだ上で情報公開をしてもらっても、決算書の中身がわかりにくかったり、何か隠しているような感覚を得たりするケースが多くあります。

ですが、宮崎さんは初期の段階から給与明細や売上明細など、他の方々が簡単には見せてくれないような情報を開示してくれて。それで、すぐに赤字でないことも分かりましたし、売上規模自体は大きくないものの、改善の余地や売上拡大のイメージも湧いたんです」とのこと。

「メールを送っても返事がなかったのでお電話してみたところ、既に何十件も問い合わせが来ているということで、慌てて現地に飛んで直接お会いさせていただきました。既に事業譲渡に向けて在庫を持たないようにされていたこともあり、店内の棚は疎で寂しい感じでした。

ですが、郵便局内ということでお客さんに困ることはないでしょうし、クレームなども発生し難いと思ったので、売店の運営が初めての自分でも何とかやっていけると考え、その場で正式に契約を結びたいと申し出たんです」とも。

実は当時、宮崎様の元には100件を超える問い合わせが来ており、ご高齢ということもあって基本的にはお電話による問い合わせのみ対応されていたそうで、スピードも重視されていたのか、内見後に即決した今村様と実質的な独占交渉という形で進んでいきました。

そして、今村様の熱意に共感された宮崎様は、「在庫を買い取ってくれれば、それで十分だ」とおっしゃられ、当初の買い取り希望価格よりも下回る形で調印が結ばれたのでした。

「最後の判断軸は、自分の直感」今後も活用したいM&Aという選択肢

Photo by iStock-983693294

今村様の中で、食品類を取り扱った小売店経営は、いつかは挑戦してみたいものの、未経験ということでハードルが高いと感じていたもののひとつだったのだそう。それでも今回の案件を継承すると決めた最終的な判断基準は何だったのか、尋ねると

最後は『自分の直感』が全てです。今回の案件も、M&Aのサイトを眺めていてたまたま手が止まったものでした。

私の会社が運営している事業をご覧になっていただければわかるように、そこには業種の共通点などはありません。『自分が面白いと思えるかどうか』が全てなので。

敢えて案件を絞り込んでいくフィルターを挙げるなら、譲渡理由が『後継者不在』かどうかということですね。基本的に譲渡を希望している案件は、赤字だったり債務超過だったり、とにかく経営が上手くいっているケースは極めて稀です。

ですが、後継者不在の場合は、状態がそこまで悪くなかったりするので、それを期待して後継者不在の案件をチェックしています。それ以外は、場所もどこでも問題ないですし、従業員の数や売上の規模も気にしていません」とのこと。

今後も、面白いと思った事業をターゲットにM&Aを積極的に実行していくことで会社を成長させていきたいと力強くお話くださる今村様。そんな今村様に、これからM&Aを始めようとしている方々へのメッセージをお願いすると

「そもそも新規事業を一から始めるというのは難しいことですし、ある程度、市場が成熟した日本国内のマーケットでは、むしろ既存の事業を買い取って改善していった方が早い場合もあると思います。

M&Aを実施するためには、行動力や資金力も必要となってきますが、もしもM&Aという言葉を聞いたことはあっても、その世界を覗いたことのない方がいたら、是非ともまずは挑戦してみていただきたいと思います。

私自身、M&Aを通じていろんな業界や業種に目を向ける機会を得ることができたので、それだけでも非常に勉強になりました」とのこと。

年初に立てた「五番目の事業を創る」という目標を見事に達成されただけでなく、自ら「とても良い買い物だった」と評される案件に出会えた今村様。誠実で信頼できるという理想の売り手との繋がりも得られたという満足感が、今村様の選ぶ言葉のひとつひとつから、終始伝わってまいりました。

今村様と株式会社LARKSの今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!

 

【「熊本県 事業承継・引継ぎ支援センター」統括責任者 田中輝明様からのコメント】

代表の宮崎様が熊本県 事業承継・引継ぎ支援センターにご相談に来られたのは本年6月でした。

宮崎様は福岡県、熊本県の2県にまたがって複数の郵便局内で売店を運営されてこられましたが、高齢になり、後継者が不在であったこと、また、熊本から福岡までの店舗の運営管理に困難を感じておられたことから福岡の売店を第三者へ譲渡する決意をされ、引継ぎ候補先の募集を当センターに依頼されました。

当初、当センター内で候補先を探しましたが適切な方(企業)が見つからなかったので、バトンズを宮崎様に紹介して活用いただき、地元福岡のLARKS様とのマッチングが出来ました。本年9月には成約できたので、非常に短期間での成約となり大変感謝しております。

今後、熊本の売店に経営資源を集中しながら、次の承継に向け対策を打たれる予定であると伺っております。バトンズを今後も活用させていただきながら、1社でも多くの事業引継ぎができますよう、当センター、一丸となって業務に邁進して参ります。

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