ボラティリティは企業に投資する際にリスクや将来性を判断するために用いられる大切な要素で、株式投資先を選ぶ際だけでなく、M&Aの相手企業選びの際にも欠かすことのできない数字です。
そこで今回の記事では、ボラティリティが高い銘柄・低い銘柄には、それぞれどのような特徴があるのかを整理し、M&Aの判断にボラティリティをどう役立てていけばいいのかについても紹介していきます。
ボラティリティについて詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
ボラティリティとは
ボラティリティとは、統計学の考え方を用いて算出される、株価の変動率のことです。株価の変動が大きい銘柄ほど、ボラティリティの数値は高くなります。
ボラティリティは主に、投資家が投資先の企業を選ぶ際に参考にされます。また、ストックオプションの評価額を知りたい場合などにも用いられます。ストックオプションとはその企業の従業員や役員が予め決められて金額で自社株を購入できる権利のことです。
ボラティリティが高い銘柄の場合は評価額もそれだけ高く、ボラティリティが低い銘柄は評価額も低くなります。ベンチャー企業など、ストックオプションが活発的に導入されている企業であるほど、ボラティリティは高数値になる場合が多いです。
また、M&Aの判断においては買収候補の企業のボラティリティを見ることで、将来性やリスクを判断することができるため、ボラティリティは重要な指標となっています。
ボラティリティの高い・低い銘柄の特徴
ここからは、ボラティリティを見ることで、どのような判断を下すことができるのかを解説していきます。ボラティリティの高い銘柄・低い銘柄には、それぞれどのような傾向があるといえるのでしょうか。
ボラティリティの高い銘柄の特徴
上述の通り、ボラティリティが高い銘柄というのは、株価の変動が大きい銘柄のことです。株価の変動が激しいと、期待した収益と実際に得られる収益が噛み合わなくなるケースが多いため、一般的にはリスクが大きい銘柄であると判断されます。長期投資や堅実な投資先としては、あまり人気を得られないケースが多いです。
ただし、リスクが大きい分、対象企業の事業や経営が好転した場合のリターンも大きくなります。そのためリスクを考慮した上で短期間に利益を確定させたいという場合に、好んで選ばれることもあります。
ボラティリティが低い銘柄の特徴
一方、ボラティリティが低い銘柄は、株界の変動が小さい銘柄を指します。株価の変動が落ち着いていると、得られるリターンを予測しやすく、リスクが小さいため、安心して投資できる銘柄であると判断されます。
ただし、リスクが小さい分、基本的にはリターンについてもそこまでのボリュームを期待することはできません。ボラティリティの低い銘柄は中長期的な運用に向いているため、手堅く資産運用をしたい場合に選ばれる場合が多いです。
ボラティリティの種類
ボラティリティを算出する際には、2つのテクニカル分析指標を用います。それが「インプライド・ボラティリティ」と「ヒストリカル・ボラティリティ」です。ここからは、その2つの分析指標について詳しく解説します。
インプライド・ボラティリティ
インプライド・ボラティリティは、株式や為替などの原資産価格について、将来の株価の変動率を予想した数字のことです。一般的に「予想変動率」と呼ばれることもあります。
実際に取引されているオプション価格をもとに、ブラックショールズ方程式を用いて逆算することでで計算されます。
ブラックショールズ方程式とは、もともとデリバティブの価格づけに現れる偏微分方程式のことです。原資産価格、権利行使価格、金利、残存期間、原資産価格、ボラティリティという6つの要素を用いてオプション価格を導出します。
非常に難解な計算式であるため専用の計算サイトを利用したり、エクセル等の表計算ソフトや電卓を使用したりするのが良いでしょう。
算出された数値が大きい場合は、その銘柄を買いたい人が多いと考えられます。反対にこの数値が小さい場合は、売りたい人が多くいると判断することができます。
ヒストリカル・ボラティリティ
ヒストリカル・ボラティリティは、株式や為替などの原資産価格について、過去の値動きを見ながら未来の変動率を予想した数字のことです。一般的に「歴史的変動率」と呼ばれることもあります。英語では「historical volatility」と表現されるため、頭文字をとって「HV」と書くことも多いです。
ヒストリカル・ボラティリティーが高い場合は、価格変動が激しく、安全性の低い銘柄であると考えられます。反対にこの数値が低い場合は、それだけ価格変動が起こりにくい、安全性の高い銘柄であると判断することができます。
M&Aの際にボラティリティを理解するメリット
ボラティリティを詳しく見ることで、価格変動のリスクを把握することができます。
株式投資の投資先を選ぶ際にももちろん役立ちますが、M&Aの場面でもボラティリティを分析することで、相手企業の業績や将来性について見極めることができるため、重要な指標になります。
もしM&Aを検討しているという場合は、まず、買収先として検討している企業のボラティリティを知っておくといいでしょう。ボラティリティが高いのか、低いのかを見ながら買収の是非を判断することで、リスク最大限回避し、理想的なM&Aを実現できるようになります。絶対に成功させたいM&Aだからこそ、正しい分析に基づいた判断を下しましょう。
ただし、ボラティリティを性格に分析するためには、相応の知識が必要であるのも事実です。専門的な知識を持っていないために、自力での判断には自信がないという人も多いのではないでしょうか。そのような場合は、M&Aの経験が豊富な専門家の力を借りるのが安心です。
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まとめ
ボラティリティを見れば、その企業の株価の変動や、投資時のリスクについて判断することができます。
M&Aを検討中であれば、相手企業の業績を見極めるためのポイントとしてボラティリティを確認してみるのもおすすめです。事前に分析することでリスクを排除して、安心のM&Aを実現させましょう。
自力での判断に不安があるという場合は、M&Aプラットフォーム「バトンズ」の利用がおすすめです。平均3ヶ月というスピード感で、理想のM&Aの実現を徹底サポートします。M&Aを検討している方は、チェックしてみてください。
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