会社員として製造メーカーに勤務されていた下田様(仮称)は、起業を目的にバトンズでEC事業を引き継ぎされました。「いつか自分の手で事業を行ってみたいと考えていました」と話す下田様が、50歳を手前にしてM&Aを決断された背景には、どのような思いがあったのか。交渉時の心情や背景とともに、お話を伺いました。
譲渡事業 | |
---|---|
区分 | 法人 |
業種 | EC事業 |
拠点 | 三重県 |
譲渡理由 | 資本獲得による事業拡大 |
譲受側 | |
---|---|
区分 | 個人 |
業種 | 製造業 |
拠点 | 兵庫県 |
譲受理由 | 起業・副業 |
5社に渡り実績を積んできた会社員時代。50歳を手前にして、事業経営の道へ
これまで5社に渡って製造会社に勤められてきた下田様は、経営管理・経理業務を中心として仕事に携わってこられました。長いキャリアの中では、設立間もない子会社で企業運営ノウハウを学んだり、事業構造改革や赤字事業の再建プラン策定・実施といったプロジェクトベースの業務を経験されたりと、さまざまな形で知識・スキルを磨いてこられた下田様。
起業への思いは昔から持っておられたそうで、コロナ禍による働き方の変化なども重なり、今一度自分でビジネスをやっていきたいという思いが強くなっていったのだそう。
「もともと父は印刷業を営んでいたということもあり、起業することに対してそこまで縁遠いという感覚でもありませんでした。ただ、年齢を考えると一からビジネスをスタートするというよりも、ある程度パッケージが整っている事業承継という形で始められたらと思い、案件を探していました。」
さまざまな案件を見ていく中で、EC事業のご成約を果たされた下田様。案件を探し始めた当初はFCや美容サロン等も検討しておられたそうですが、徐々にEC事業にシフトしていったのだそうです。その背景についてお伺いすると「引き継いだ後に自分のオリジナリティを出せるか、面白味を感じられるかどうかというところは、引き継ぐポイントとして考えていました。FCは成功ノウハウがしっかりとある分、決められた枠の中でしか展開できないような気がしまして。また、大失敗はしないですが大成功もしないじゃないですか。そういうところで面白味を感じられなかったというのがあります」とのこと。
EC事業は、これまで提供していたモノに加えてOEMでオリジナルブランドを出せるといった、オリジナリティのある事業展開を未来予想図として描けたことが、引き継ぎを決めた要因となりました。
個人M&Aをサポートする伴走型の学習プログラム。本受講が成功のカギに
今回、事業承継による起業・副業を考えられていた下田様は、株式会社アントレプラスが主催する「アントレ事業承継実践プログラム」を受講し、M&Aを進めてこられました。本プログラムは、少額の個人M&A実現を目指す希望者に対し、伴走型で知識やノウハウを提供する内容になっています。
受講しての感想について、下田様は「結局、事業承継の一番のハードルは“一歩がなかなか踏み出せない”というところだと思っています。何からやったらいいのかがそもそもわからなかったり、バトンズに申し込むボタンを押すときの怖さもあったり(笑)。
そういった“全体像が見えない怖さ”みたいなものって、やったことがないことに関してどうしても発生してしまうものだと思います。そこの心理的ハードルを下げてもらえたこと、恐怖心を取り除いてもらえたことは一番大きいですかね」とのこと。
また、「プログラムでは、事業承継の入り口から出口までご説明いただけるんですが、セミナー受講中に“じゃあ、実際にエントリーしちゃいましょう”という形で伴走いただきながら実作業を進めてもらえたのは、行動の後押しにもなってありがたかったです。隣にいてもらえる安心感もありますし」とも。
本プログラムの講師としてサポートされた濱田様の後押しもあり、今回のご成約が実現しました。
成約後も手厚いサポート。初めての事業運営者にとって願ってもない講師的存在
承継元となる売り手様とは、本成約後も輸入代行と在庫管理の業務委託契約を結んでおり、その他にも業務サポートという形で引き続きお付き合いが続いているそうです。
ECサイトの事業運営が初めてとなる下田様にとって、サポートを受けながら進められるという安心材料は引き継ぎを決めるひとつの要因にもなったそうで、「本当に良いご縁に巡り合うことができました。私自身初めてということもあり、明日から経営者として全て引き継ぎ、と言われてもどうすれば良いかわからなかったと思うので。
売り手さんとは、今後の事業拡大のことも擦り合わせをしたりしています。話の中で、ひとつの商品で100万~200万売れるものはそうそうなく、あてようと思ってあてられるものでもないということをおっしゃっておられました。ということは、事業を拡大していこうと思うと商品ラインナップを増やしていく必要があると思いますので、今後の構想もいろいろと練っています。良い講師的存在に出会えてよかったです」と話す下田様は、すでに会社員を退職され、フリーランスとして働きながら本事業を運営していくそうです。
事業が軌道に乗れば、ビジネスの一本化も考えていると気さくに話す下田様の笑顔から、満足のいく事業承継であったことを感じることができました。
下田様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!
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