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アパレルECの事業譲渡!敏腕経営者が描き続ける「0→1」の世界とは

2022年10月04日

「直近の3〜4年は、事業譲渡を繰り返しながら会社を成長させてきました」と語るのは、株式会社カレントニーズ(匿名)の代表を務める木村様(匿名)。もとは銀行マンだったご経歴を持つ木村様が、連続起業の経営サイクルを確立させた背景はなんだったのか。それを繰り返す中での経験から、どんな判断基準を持つようになったのか。詳しくお伺いしてまいりました。

 


 

譲渡企業
業態 法人
業種 EC・卸売業など
拠点 東京都

 

 

譲受企業
業態 法人
業種 IT
拠点 東京都

 


「生存のためのM&AとEC」流れ着いたのは、継続的な事業譲渡という手段

Photo by Emily Wade

大学ご卒業後、某メガバンクに就職された木村様は、法人営業で5年間、担当顧客のM&A時におけるファイナンスの支援を行い、1億〜数百億超えの様々な案件に携わってこられました。その後は他社で3年ほどキャリアを積まれ、晴れて独立起業を果たされました。

起業家としての道を歩み始めた木村様は、新規に立ち上げた事業を一定規模まで成長させると、事業譲渡によって得た資金を次の新規事業に投下することで、連続的に事業を立ち上げてこられました。

そのような経営スタイルは、起業をスタートされた当初から描いておられた成長シナリオであったかとお伺いすると、実はそうではなかったとのことで「今回、事業譲渡したECというビジネス形態も、M&Aという選択肢を選んだのも、生存するために試行錯誤して流れ着いた結果なんです。実は、起業時はシニア向けの不動産事業に注力していたんですが、それが思うように伸びなかったので、経営の多角化を余儀なくされて始めた事業のひとつがEC事業でした。

今となっては、EC事業が売上の9割を占めるほどになりましたが、当時は想像もしていませんでした」と笑う木村様は現在、事業立ち上げの際には、クラウドファウンディングを併用されて多くの実績を残されていらっしゃいます。

「クラウドファウンディングはハードルが高いというイメージを持たれている方もいらっしゃるようですが、EC事業に似てマーケティングがしっかりしていれば、そんなに難しいものではないと感じています。敢えて難しさを挙げるとするならば、“価格設定”ですかね。

基本的に、クラウドファウンディングはコンセプトだけで売るものなので、そこが良ければ資金は集まります。でも、実際に市場に出した際に、設定した価格がカスタマの許容値を超えると売上は伸び悩みます。

今回の譲渡案件は、まさにそのパターンでした。アウトドアに特化したアパレルのEC事業というコンセプトは面白いと思ってもらえ、クラウドファウンディングも順調だったのですが、価格設定に失敗してしまい、商品が世の中にリリースされた後は思うように拡大していきませんでした。

何とかしなければと思いつつも、他の事業で忙しくしていたこともあって手が回らずに、1年以上ホールドしてしまっていたのですが、このまま眠らせるよりは他の方に託した方がよいことは間違いなかったので、いよいよ重い腰を上げて事業譲渡に踏み出したんです」とのこと。こうして、本事業の譲渡先探しがスタートしたのでした。

最も重視していたのは価格よりもスピード感!その理由とは

Photo by StartupStockPhotos

これまで大小様々なM&A案件に携わり、ご自身でも既に複数の事業譲渡をご経験されているという木村様。譲渡先選定にあたり、最も重視していた条件は何だったのかについてお伺いすると

「私が選ぶ基準は毎回同じで、早いもの順というか、スピード感を持って決めてくれるかどうか、ということです。今回、譲渡を決めた候補者の方も、デューデリジェンスなどにこだわらず、すぐに決めていただけそうだったので優先的に交渉を進めていきました。相手が上場企業だったりすると、大量の資料を要求されたりするのですが、その手の対応は本当に負荷も時間もかかるので、できる限り避けるようにしています。

ですので、複数の候補者を吟味して決めるということもありません。たとえ、100〜200万くらい買い取り価格が安かったとしても、半年早く売れた方が効率が良いというのが私の考えです。早く現金化して、次の新規事業に投資していった方が、トータルで得られるものは大きくなると思っているので」とのこと。

「ちなみに、譲渡をするにあたって必ず半年間のサポートをつけているんですが、これも“事業を作って売る”というサイクルを継続的かつスピーディに回していくためにやっていることです。

特にEC事業は、経験者でもない限り自走できるようになるまで大変ですし、時間もかかります。買ったはいいけど上手くいなかくて、結果的に私が売り逃げするような形になるのも嫌ですし、それで変な評判が立ってしまうと今後の事業譲渡を進める上で足枷にもなりかねません。また、半年のサポートがつくことで交渉がスムーズに行くこともあるんです。半年間のECコンサル費用を払うと思えば安い、と言われることもありました」とも。

事業立ち上げ〜事業売却を高速で回すという、一貫した戦略・戦術を実践されているというところに、非常に驚かされました。

「0→1を生み出すのが楽しい」変わる未来観、いつか挑戦したい「1→100」の経営

Photo by mohamed_hassan

そんな木村様に、今後の展望について最後にお伺いすると「私は、とにかく新しいことをやるのが好きなので、0から1を生み出す新規事業を引き続きやっていきたいと思います。新しいものを創造するということに関しては、得意な方だと思っていますし、何よりも自分の仕掛けた新しいアイディアや商品・サービスに、誰かがお金を払ってくれるかどうかを試すのは、とてもスリリングな体験ですから、やみつきになるんです。(笑)

なので、自分が飽きるまでは、新規事業を開発して他社に譲り、伸ばしてもらうという形で、ビジネスを展開していきたいと考えています。1から10、10から100と大きくしていくのは、自分よりも上手な人がたくさんいるとも思いますので。

でも、一方で1を100にすることにも、いつかチャレンジしたいとは思っています。いつか、自分が量産していく新規事業の中で“これは”と思えるもの、自らの手で長期にわたって育てていきたい、10年かけてコミットする価値があると思えるものが出来上がったら、その時は、自分で何年かかっても寄り添いたいです。

それまでは、今のようにM&Aを通じて、自分の得意な形で社会貢献していきたいと思っています」とのこと。

ご自身の「好き」と「得意」に真っ直ぐ向き合いながら、一貫した経営コンセプトでマーケットに挑戦し続ける木村様は、ポジティブな活力に満ちた戦略家でいらっしゃいました。

 

木村様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!

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