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2024/07/08

中小企業や資産家は新紙幣対応をどうするべきか?

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新紙幣対応の設備投資は資産?修繕費?
7月3日に新紙幣が発行されます。 デザイン刷新は実に20年ぶりとなります。 新紙幣に対応するための設備投資が一斉に行われるため、その経済効果は1兆6,000億円とも言われています。 キャッシュレス化が進んでおり、現金需要が以前より減っているため、それほど影響はないのかもしれませんが、小売業や飲食業、宿泊業など一定の業種では、何らかの対応をしなければなりません。 新紙幣での支払が多いかどうかは別として、もし新紙幣に対応していなかったら、売上の機会を逃してしまうことになります。 逆に、キャッシュレス対応の投資をさらに進めるという選択もあるかもしれませんが、上記のような業種では、ある程度の設備投資が必要になるケースがあるでしょう。 内容にもよりますが、機能を新たに追加等させるものではなく、単に新紙幣の利用に対応するためだけの投資であれば、基本的には修繕費で処理できますが、新たな設備を導入する場合には、資産計上となります。 その場合、以下のような補助金が使える可能性があります(詳細は割愛)。 ・中小企業省力化投資補助金 ・IT導入補助金 ・小規模事業者持続化補助金 ・ものづくり補助金   また、一定の要件を満たす設備投資であれば、以下のような優遇税制を受けられる可能性もありますので、覚えておいてください。 ・中小企業投資促進税制 ・中小企業経営強化税制
”タンス預金”問題
資産家の方にとっては、「タンス預金」との関係で新紙幣発行を警戒されている方もいらっしゃるかもしれません。 新紙幣が出たからといって、もちろん旧紙幣が使えなくなるわけではありませんが、自動販売機やATMなどで徐々に利用できなくなる可能性はあります。 そうなる前に、タンス預金を新紙幣に交換すればよいのですが、現在は犯罪収益移転防止法があるため、疑わしい取引については金融機関等が所管行政庁に届け出る仕組みになっています。 上記法律の詳細を熟知しているわけではありませんが、税務署は基本的に職権で調査対象者の銀行取引を確認することができますので、その届出が発端となり税務調査が実施されることも、可能性としては考えられます。 もちろん、タンス預金があってもきちんと相続財産に含めれば基本的にはOKですので、タンス預金自体が即脱税というわけではありませんが、多額になるとその資金出所を説明することが難しくなるため、所得税や贈与税の無申告などを疑われるリスクは高くなります。 ご自宅に多額の現金があるという方は、今回を機に今後の対応を考えてみましょう。 この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
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