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2021/09/26

M&Aで企業買収前に押さえるべき企業特性④/「嗜好品」と「生活必需品」の特徴の違い

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M&Aで企業買収前に押さえるべき企業特性④/「嗜好品」と「生活必需品」の特徴の違い
 中小企業のM&Aで成功をおさめ、安定した経営を行うためには、まずは売手企業の詳細な内部環境を把握することが大切です。  ただしその前に、知識として中小企業の様々な特性を押さえておく必要があります。  特性を知らなければ、正確かつ迅速な経営判断ができません。  なぜなら、特性というのは経営判断の前提条件となるものであり、特性を知らない中で経営判断を行ってしまうと判断を大きく誤り、ミスリードによって経営を悪化させてしまう可能性があるからです。  そこで、8回に渡って、M&Aの企業買収前に押さえるべき企業特性について説明いたします。  第4回目は、「嗜好品と生活必需品の特徴の違い」です。 ●嗜好品の特徴  嗜好品とは、実生活に直接必要ないですが、個人的趣味などで購入するものであり、簡単に言うと、なくても生活していけるものを指します。  例えば、高価な衣服や時計、装飾品、玩具、たばこなどです。  また食品で言うと、栄養を取るための日常の食品ではなく、好きで食べたり飲んだりするもので、高価な食品や菓子類、お酒が嗜好品に含まれます。  嗜好品の特徴は、差別化しやすく、使い勝手の工夫や、デザインを洗練させるなどで、価値が一気に高まるケースもあることです。  そのため、比較的ブランド確立が容易であり、価格コントロールもしやすく、低価格競争に巻き込まれにくくなります。  また、一般消費者向けの商品がメインになるため、顧客のニーズが多様化している現在、「多品種少量生産」で対応できるため、中小零細企業にとっては取り組みやすい商品です。 ●生活必需品の特徴  生活必需品とは、生活していく上で欠かすことのできない商品です。  例えば、食品や衣類、家庭用日用品や燃料などの他、最低限の家電製品なども含まれます。  生活必需品の特徴は、不特定多数の一般消費者が日常的に使うものであり、主に「少品種大量生産」方式で生産されるため、低価格競争に陥るケースが多くなります。  そのため、大量生産が可能な、設備の充実した大企業が有利な商品であると言えます。  ただし、生活必需品のカテゴリーの中で、差別化した商品を打ち出すことは可能です。  独創的な商品になると生活必需品と言わなくなるかもしれませんが、中小零細企業が生活必需品を扱う場合、大企業と低価格競争にならないよう、ターゲットを絞り、そのターゲット特有のニーズを捉えた、差別化された商品を展開することが望ましいと言えます。
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