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シード期の起業家はファンドをうまく活用しよう!

2022年07月28日

ベンチャー企業やスタートアップ企業の成長ステージのうち、事業を始める前の段階「シード期」と呼びます。

シード期は事業で生み出した収入がない一方で、人件費や固定費をはじめとした多くの出費が発生します。ある程度は自己資金で賄える場合もあるかもしれませんが、多くの場合は外部からの資金調達を考える必要があります。

そこで選択肢の一つとなるのが「ファンドの活用」です。今回は、シード期のスタートアップ企業の味方になる「ファンド」について、その活用方法や利用の際の注意点を解説します。

スタートアップ企業のシード期とは?

シードとは種という意味の英単語「seed」から来ています。これから将来に向けて大きく芽を出す前の状態と言えるでしょう。ここではスタートアップ企業のシード期が、起業家にとって具体的にどのような時期なのかについて説明します。

 

シード期はどんな時期?

シード期とは、起業前の準備段階にあたる時期を指します。

「こんな会社にしてきたい」というビジョンはあるものの、まだ実際に事業を始めてはおらず、計画を裏打ちできる実績がない状態です。事業がどうなるのかの保障がないため、金融機関からの融資による資金調達は簡単ではありません。

そこで、金融機関からの融資以外の資金調達方法としてファンドからの出資を受けることが選択肢に入ってきます。

 

スタートアップの投資ステージとは?

「シード期」という言葉は、投資家が企業に対して投資を行うかどうかを判断する際に用いられる、「投資ステージ」という指標の一つです。投資ステージは、企業の成長段階に応じて5つに分けられています。

 

・シード期:事業を始める前

・アーリー期:起業直後

・シリーズA(エクスパンション):事業を本格的に始める段階

・シリーズB(グロース):事業が軌道に乗り始めた段階

・レイター:黒字化して経営が安定する段階

 

 

シード期にやるべきこと

シード期にやっておかなければならないことは、数年後にどうありたいか、という将来像から順に遡って、今すべきことまでを整理した事業計画を立てることです。まだ事業が動いていないこの時期は、計画にもっとも多くの時間を割くことができます。

この時期にどれだけ具体的に事業計画を作り込めるかが、その後の展開を変えていきます。なぜなら、実際に事業を立ち上げ、経営を始めると、この時に作成した事業計画をたたき台として、事業展開を図ることになるからです。そして、将来像からの落とし込みが明確にできていれば、実績がなくても資金調達を成功させる確率は高まるでしょう。

 

ファンドとはなにか?

立ち上げたばかりで実績のない企業に出資してくれるファンドとは一体どのようなものなのでしょうか。ここからは、シード期のスタートアップ企業が活用したいファンドVC(ベンチャーキャピタル)について説明します。

 

元々は資金や基金を意味する言葉

「ファンド」という言葉は、金融業界に詳しい人であれば必ず耳にするはずですが、それ以外の人はなかなか聞く機会がない言葉ではないでしょうか。もともとの英単語の意味である「基金」から派生して「資金集め」「集めた資金」「運用目的の資金」といった意味で使用されます。

ファンドには、誰でも購入できる「公募型ファンド」と、特定の人しか購入できない「私募型ファンド」と呼ばれるものがあります。

 

スタートアップの世界ではVC(ベンチャーキャピタル)を指す場合が多い

一方で、スタートアップ企業やベンチャー企業の資金調達についての文脈では、資金そのものではなく、ファンドを組成し運用する組織であるVC(ベンチャーキャピタル)のことを含めて「ファンド」と呼ぶこともあります。VCは、これから事業を確立していく企業と、投資家の間に入って、投資家のお金を取りまとめ、スタートアップ企業へ投資する役割を持ちます。

VCは、ハイリスク・ハイリターンを狙って投資を行っており、シード期のスタートアップ企業への出資に積極的です。また、投資家は、ローリスク・ローリターンの投資ばかりでは利益を得られないため、たとえリスクが高くても高配当が得られる可能性がある投資をしたいと考える人がいます。

シード期の資金調達の際はそこを狙って出資を募ることになります。

 

ファンドのビジネスモデル

既に説明したように、ファンドはVCによって設立されます。VCは、シード期にあるスタートアップ企業の経営者に代わって、出資してくれる投資家を募り、ファンドに集まった資金からスタートアップ企業に投資を行います。運用して得られた利益はファンドへの出資者である機関投資家や事業者へ還元されます。このとき、成功報酬としてキャピタルゲインの一部をファンドが受け取ります。

出資者と投資先企業の間に入って利益の一部や手数料を得る、これがファンドのビジネスモデルです。

 

シード期の起業家にとってファンドは強い味方

ここまで、ファンドがシード期のスタートアップ企業にとって心強い存在であることを説明してきました。実は、ファンドが起業家の味方になるのは資金提供の場面だけではありません。では、どういった支援をしてくれるのか、ご紹介いたします。 

 

事業計画のサポートをしてくれる

起業経験がない人にとって、事業計画と言われてもどのようなものを作成すればよいのかわからないのは珍しいことではありません。資金を調達し、事業を起こすためにも事業計画の作成は必須となります。また、事業計画は、その後の事業運営にも役立つものです。自分で作成した事業計画をファンドにみてもらい、フィードバックを受けることでしっかりとした事業計画を策定できます。

事業計画と一言で表現しても、短期の場合は1年、中期の場合は5年、長期の場合は10年といったように、それぞれ計画の期間が異なります。多くの場合は5年の中期計画が用いられます。事業計画には、企業の動機や将来像を記載することも大切ですが、参入する市場の現状分析と自社の事業展開の内容が求められます。事業内容が世間のニーズに合っていない場合は収益を得られないと判断され、事業計画を練り直すか、事業そのものを諦めるかの選択を迫られます。

事業計画とともに必要な計画は、販売計画や仕入計画、設備投資計画や人員計画があります。事業を拡大すれば、設備投資や人材の採用によりコストは増加します。これらをできるだけ具体的な数字に落とし込んで資金繰り計画を立てます。

これらすべての計画を文書として作りこむのは、起業経験がない場合、難しいかもしれません。ファンドを活用すれば、アドバイスを貰えたり、自身に不足している知識や経験をサポートしてもらえることがあります。

 

ビジネスマッチングを行ってくれる

新しい商品を開発しても、実際に販売を初め、軌道に乗せるまでには時間がかかります。時間がかかればその間の維持管理費用もかかります。そういった無駄を省くためにファンドが「今その商品が欲しいと思っている企業」を紹介し、結びつけてくれる場合があります。なかなか販路開拓できないシード期にとって、事業をいち早く軌道に乗せるための大変心強いサポートです。

通常ビジネスマッチングでは、相手の企業情報が公開されます。社名は伏せてあるケースが多いものの、資本金や従業員数、設立日など、その企業がどのくらいの規模で経営しているのかわかる情報を提供してもらえます。ここにもファンドを活用する意味があります。

 

資金のサポート

ファンドのメインとなる仕事はやはり資金面のサポートです。シード期の出資であれば育成支援という形が一般的で、資金サポートを受ける場合に、投資契約を締結します。実際のお金の動きに対して非常に頼りになる存在です。

 

シード期に投資を行っている代表的なファンド  

実際にシード期のスタートアップ企業に出資をしてくれるファンドには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。日本で代表的なファンドをご紹介します。

・インキュベートファンド株式会社

・グロービズキャピタルパートナーズ

・ライフタイムベンチャーズ

 

まだまだ日本ではシード期に投資をしてくれるVCは少ないのですが、少ないがゆえにそれぞれのファンドが持つ実績は多く、シード期のスタートアップ事業者にとって、強い味方になっています。

 

シード期にファンドを利用する際の注意点

実際にファンドを利用する際に「シード期だから、贅沢は言えない。出資してくれれば何でもいい」というわけにはいきません。シード期だからこそ、足元を固める必要があります。ファンドを活用するのは大切ですが、一方で、すべてを頼り切っていては失敗の要因となります。ここでは、ファンドを利用する際の注意点を3つ紹介します。

 

目的を明確化してから出資を受ける

事業目的を明確にしなければ、投資家を説得することができません。投資家がシード期の企業に投資するかどうかを決める際のポイントになるのは、その企業の将来性です。そして、その将来像が実現可能かどうかの判断は事業計画で行われます。

より多くの出資を募るのであれば、事業内容の計画と共に、なぜその事業をしようと考えたのか、その目的を明確にしておくことが大切です。ここを明確にできなければ、思うような出資額を得られなくなります。投資家向け計画書の作成では、ファンドからアドバイスをもらいましょう。

 

他企業の失敗談を踏まえて考える

よくある失敗が、投資契約書の内容を確認せずに出資を受けてしまう場合です。投資契約書のなかには、新しい事業計画を作成する場合や事業計画そのものに修正を加える場合に、投資家の承認が必要となる旨が記載されている場合があります。この場合、出資してもらっている投資家全てに説明が必要になります。

投資家の数が多ければ多いほど、話をまとめるのが難しいことがあるのです。予想以上に時間がかかり、時間のロスがさらに混乱を招くケースも少なくありません。事前に他社がどのような失敗をしてしまったのか、またどのように解決したのかを知っておくことも大切です。

また、他企業の失敗談はファンドが熟知しています。ファンドの仕事は出資者からお金を集め、お金を必要とする企業に出資することです。当然、資金を提供している企業の情報を持っています。成功も失敗も、すべての場合に当てはまるとは限りませんが、失敗したケースが誰にでも起こり得るようなものであれば、それらを知っておくことで事前に対策を講じることができます。他企業の失敗から学び、自社の成功のための肥やしにするのも大切です。

 

自分に合ったファンドを選ぶ

 例えば「自分は〇〇で日本に貢献したい」という目標があったとします。この目標に賛同してくれるようなファンドを選ばなければ、いくら情熱をもってそれを伝えても話がかみ合いません。出資する側とされる側の違いはありますが、目的が同じである方が出資以外のサポートも受けやすくなります。「このファンドはとにかく出資してくれる」という基準で選ぶのではなく、自分がやろうとしている事業の内容をよく理解してくれるファンド、多少なりとも知識があるファンドを選ぶ方が得策です。もしファンド選びが難しいのであれば、自分が始めようとしている業種の成功者を仲間にして意見を聞くのも良いでしょう。VCが主催しているセミナーなどで情報収集することもできます。

 

まとめ

スタートアップ企業のシード期の資金調達に、ファンドを活用することは事業の将来像を明確にすることにもつながります。金融機関が融資を渋るような場合でも、ファンドであれば資金調達が可能な場合が多くあります。そして、ファンドは資金調達以外の知識も提供してくれます。ポイントを押さえてうまく活用することで、立ち上げた企業を自分の描いた将来像へ近づけていきましょう。

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