M&A総合支援プラットフォーム「BATONZ(バトンズ)」を運営する株式会社バトンズ(本社:東京都千代田区、代表取締役:神瀬悠一、以下バトンズ)は、会社・事業の売却もしくは買収について検討したことがある経営者105名を対象に、「M&AにおけるPMI・リブランド」の実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。尚、本調査は2021年に発表した同内容の調査(※)の定点観測調査です。
■調査サマリー
■調査概要
調査概要:「M&AにおけるPMI・リブランド」の実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年4月12日〜同年4月13日
有効回答:会社・事業の売却もしくは買収について検討したことがある経営者105名
※定点観測調査:2021年12月6日〜同年12月8日|「2021年12月版M&A需要動向」に関する調査|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000034376.html
■あらゆる業種で会社・事業の買収もしくは売却について検討
「Q1.あなたの会社が属する業界を教えてください。」(n=105)と質問したところ、「サービス業」が25.7%、「製造業」が12.4%という回答となりました。
業種 | 割合 |
---|---|
サービス業 | 25.7% |
製造業 | 12.4% |
小売業 | 9.5% |
建設業 | 7.6% |
金融業 | 7.6% |
情報・通信業(IT) | 7.6% |
卸売業 | 6.7% |
その他 | 22.9% |
■2021年10月~2022年3月の期間にて、25.8%が会社または事業の買収を「実施」
「Q2.あなたの会社では、2021年10月~2022年3月に会社または事業の買収を検討もしくは実施しましたか。」(n=105)と質問したところ、「実施した」が25.8%、「検討したが実施しなかった」が35.2%という回答となりました。
・実施した:25.8%
・検討したが実施しなかった:35.2%
・検討していない:37.1%
・答えられない:1.9%
■買収の実施・検討の理由、「事業拡大のため」が60.9%で最多
Q2で「実施した」「検討したが実施しなかった」と回答した方に、「Q3.買収の実施・検討の理由を教えてください。(複数回答)」(n=64)と質問したところ、「事業拡大のため」が60.9%、「市場の変化への対応のため」が51.6%、「自社のウィークポイントの補強のため」が43.8%という回答となりました。
・事業拡大のため:60.9%
・市場の変化への対応のため:51.6%
・自社のウィークポイントの補強のため:43.8%
・普段ではアクセスできない会社・事業が市場に出ているため:26.6%
・普段より有利な条件で市場に出ているため:23.4%
・その他:10.9%
■2021年10月~2022年3月の期間にて、26.7%が会社または事業の売却を「実施」
「Q4.あなたの会社では、2021年10月~2022年3月に会社または事業の売却を検討もしくは実施しましたか。」(n=105)と質問したところ、「実施した」が26.7%、「検討したが実施しなかった」が25.7%という回答となりました。
・実施した:26.7%
・検討したが実施しなかった:25.7%
・検討していない:45.7%
・答えられない:1.9%
■売却の実施・検討理由、「事業再編のため」が56.4%で最多
Q4で「実施した」「検討したが実施しなかった」と回答した方に、「Q5.売却の実施・検討の理由を教えてください。(複数回答)」(n=55)と質問したところ、「事業再編のため」が56.4%、「後継者不在(事業承継)」が49.1%、「将来への不安のため」が45.5%という回答となりました。
・事業再編のため:56.4%
・後継者不在(事業承継):49.1%
・将来への不安のため:45.5%
・経営不振のため:43.6%
・イグジット:14.5%
・その他:0.0%
■2021年度下半期に買収を実施しなかった経営者のうち、「2021年9月以前に買収を実施した」経営者は43.4%
Q2で「検討したが実施しなかった」「検討していない」と回答した方に、「Q6.2021年9月以前に事業の買収を実施しましたか。」(n=76)と質問したところ、「はい」が43.4%、「いいえ」が56.6%という回答となりました。
・はい:43.4%
・いいえ:56.6%
■M&Aの実施企業の約7割が、買収後PMIを実施
Q2で「実施した」、またはQ6で「はい」と回答した方に、「Q7.買収後のPMIを実施しましたか。」(n=60)と質問したところ、「はい」が68.3%、「いいえ」が31.7%という回答となりました。
・はい:68.3%
・いいえ:31.7%
■買収後のPMI実施において、半数以上が「平等な人事政策の実施」や「社内インフラの調整」「企業間の社員の文化統合」に課題の声
Q7で「はい」と回答した方に、「Q8.買収後のPMIにおける課題を教えてください。(複数回答)」(n=41)と質問したところ、「平等な人事政策を実施できない」が58.5%、「社内インフラの調整に時間がかかる」が56.1%、「買収企業と売却企業の社員間の文化統合が難しい」が53.7%という回答となりました。
・平等な人事政策を実施できない:58.5%
・社内インフラの調整に時間がかかる:56.1%
・買収企業と売却企業の社員間の文化統合が難しい:53.7%
・PMIを進めるコストが嵩む:46.3%
・リブランディングが難しい:39.0%
・その他:9.8%
・特になし:2.4%
■他にも「費用対効果、相乗効果の創出」や「給与体系の統一に問題があり、改善に時間がかかる」などに悩む声も
Q8で「特になし」以外を回答した方に、「Q9.Q8の回答以外に、買収後のPMIにおける課題があれば自由に教えてください。(自由回答)」(n=40)と質問したところ、「費用対効果、相乗効果の創出」や「給与体系の統一に問題があり、改善に時間がかかる」など18の回答を得ることができました。
<Q9. 自由回答・一部抜粋>
・費用対効果、相乗効果の創出。
・給与体系の統一に問題があり、改善に時間がかかる。
・PMI実施の費用対効果を検証すると、PMI実施そのものの必要性を検討することとなった。
■買収企業のPMIによるリブランド・リブランディング、9割以上の企業が実施
Q7で「はい」と回答した方に、「Q10.買収後のPMIのプロセスにおいて、PMI先のサービス・企業のリブランド・リブランディングを行いましたか。」(n=41)と質問したところ、「はい」が90.2%、「いいえ」が9.8%という回答となりました。
・はい:90.2%
・いいえ:9.8%
■まとめ
今回、会社・事業の売却もしくは買収について検討したことがある経営者105名を対象に、「M&AにおけるPMI・リブランド」の実態調査を実施しました。
まず、2021年10月~2022年3月の期間での、「会社または事業の買収」について、25.8%が実施と回答しており、2021年度上半期の28.2%と比較し2.4ポイントダウンとなりました。「会社または事業の売却」については、26.7%が実施と回答しており、2021年度上半期の28.2%と比較し1.5ポイントダウンとなり、大きな変化がない結果となりました。買収検討理由としては「事業拡大のため」「市場の変化への対応のため」が多く、前回調査の結果と同様の傾向がみられました。売却検討理由としては引き続き「事業再編のため」が1番多かったものの、前回4番目に選ばれていた「後継者不在(事業承継)」が2番目に多く選ばれており、代わりに「経営不振のため」が選択される割合が減少しました。この結果から、新型コロナウィルス禍へ適応した形で経営を行う企業が徐々に増えてきたことが考えられます。
次に、M&Aの実施企業の約7割が、買収後にPMIを実施していることが分かりました。一方で、買収後のPMI実施において、半数以上から「平等な人事政策の実施」や「社内インフラの調整」、「企業間の社員の文化統合」に課題の声が挙がりました。他にも「費用対効果、相乗効果の創出」や、「給与体系の統一に問題があり、改善に時間がかかる」などに悩む経営者も多数いることが分かりました。
今回の調査では、M&Aによるシナジー効果を高めるためにPMIは必要不可欠だと考える経営者が多い一方で、PMIを実施する中でさまざまな課題に直面する経営者も多いことが浮き彫りとなりました。M&Aによってより長期的な企業成長を遂げるために、PMIに迅速かつ精度高く取り組む必要がある中で、PMIにおける課題解決のために専門家の手を必要とする企業はますます増えるのではないでしょうか。
■成約事例
【東京のペット関連事業→東京のコンサルティング業】
都内で30年に渡り、ペット用のトリミング・ホテル・ショップを運営されてきた「有限会社ペットキャッスル」が、コンサルティング業を営む「トクリン合同会社」に事業譲渡されました。中小企業庁の事業である「事業承継トライアル」にて、デューデリジェンスとPMIを実施し、円滑な経営の引き継ぎに繋がっています。
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