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投資家が見習うべき黄金のポートフォリオとは?自分にあった資産形成を知ろう

2022年04月04日

「ポートフォリオ」とは何のことか知っていますか。もともとは「紙挟み」という意味を持つ英単語で、金融の世界では、所有する資産の構成を指してポートフォリオと呼ばれます。これは、以前は投資家が有価証券を紙挟みに綴じて保管していたことに由来しています。

この記事では、投資家ならぜひ知っておきたいポートフォリオの考え方について紹介します。

 

投資家の仕事と種類

ポートフォリオについての説明の前に、まずは投資家の仕事や種類など、基本的なことを解説していきます。

 

投資家の仕事とは?

投資家は、株式や債券などの証券、実物資産としての不動産、会社や事業など、様々なものに投資をする方のことを指します。株式や債券の売買を行っている方は、「株式、債権トレーダー」と呼ばれたりしています。

投資は、常にリスクを背負いながら行うため、知識や業界経験があったとしても、失敗をして負債を抱えることもありえます。リスクを回避しながら投資を行い、利益を得ることを目指しており、それが投資家の仕事となります。

 

投資家にも種類がある

投資家には、大まかに個人投資家と機関投資家に分けることができます。

個人投資家とは

個人投資家は、自身の資産を元手として投資をする個人のことを指します。海外にも国内にも名の知れた個人投資家おり、大規模な投資を繰り返し成功させて大きな資産を築いている人もいれば、小規模に副業や趣味の一環として投資を行う一般の投資家もたくさんいます。個人投資家は規模こそ違っていても、誰でもなることができます。

 

機関投資家とは

機関投資家は、会社の資産を元手として投資を行う法人の投資家です。一口に機関投資家と言っても、投資信託会社や保険会社、年金基金、ヘッジファンドなど、その形態は様々です。保険会社であれば保険料収入、年金基金であれば年金の積立金など、元手となる資金の出所に違いがあるほか、ある程度のリスクをとって大きなリターンを狙うか、安定性を優先するのか、など運用の手法もそれぞれ異なっています。

 

世界の代表的な投資家

ここでは、世界三大投資家とも言われる代表的な3人の海外の投資家を紹介しましょう。

まずは、ウォーレン・バフェット氏です。バフェット氏は、保険業などを運営する機関投資家バークシャー・ハサウェイで長年高いパフォーマンスを上げてきました。10代から投資を始めて長期投資という基本スタイルで成功を重ね、現在はアメリカで3番目の資産家となっています。

2人目はジム・ロジャーズ氏です。ロジャーズ氏の予想は外れることが多いと言われることもありますが、株式だけでなく外貨やコモディティなど幅広く資産を保有する投資家です。中国や北朝鮮などアジアの成長に高い期待を寄せ、現在はシンガポールに移住しています。

3人目はジョージ・ソロス氏です。「イングランド銀行を潰した男」との異名を持つハンガリー生まれの投資家で、政治活動家や慈善家としても知られています。

 

ほかにも著名な投資家はたくさんいますが、世界の有名な投資家として、まずはこの3人を押さえておくとよいでしょう。

 

日本の代表的な投資家

世界の投資家と比べると、日本人投資家には「三大投資家」というほど定まった評価はありませんが、積極的に活動する投資家は増えてきています。なかでも代表的な個人投資家を紹介します。

まずは、五味大輔氏です。日本のウォーレン・バフェットに例えられることもある有名な投資家で、そーせいグループの株式を大量に保有していることで注目を浴びました。有力な企業は日常生活の中から見つけて自分で判断するというのが信条で、会社員の傍ら投資を行っています。

BNFというハンドルネームでも知られる小手川隆氏も、日本の有名な個人投資家です。ジェイコム株大量誤発注事件で大儲けしたことからマスコミに知られるようになり、現在では株式に限らず不動産などへの投資も行っています。

また、すでに亡くなっていますが、竹田製菓を創業した竹田和平氏も知っておきたい投資家の一人です。企業の応援につながる株の長期保有が正しい投資だと信じ、一時は百億単位の莫大な資産を運用していました。敬愛の念を込め、日本一の投資家とも呼ばれています。

ほかにも名の知れた日本人投資家はたくさんいるので、ご自身の事業に最も適した投資家はどのような方なのか、事前に調査しておくと良いかもしれません。

 

投資家のポートフォリオとは?

投資家について分かったところで、次は投資家のポートフォリオについて見ていきましょう。

 

投資家のポートフォリオとは?

ポートフォリオというのは、投資における資産構成のことです。投資をする際は一種類にすべての資産を投入するのではなく、株式、債券、投資信託、外貨預金など、異なる資産を組み合わせて投資を行います。また、同じ資産の中でもいくつかの別の銘柄を保有するのが一般的になっています。

自身の保有資産がどのように運用されているのか、自分のポートフォリオを分析し、理解した上で、リスク管理に役立てていくことができます。

 

ポートフォリオの基本的な考え方

ポートフォリオに決まりはないので、個人の好みに合わせて自由に組んで問題ありませんが、基本的な考え方は「分散」です。

分散して投資をする場合、資産・銘柄の分散、地域の分散、投資時間の分散という考え方があります。運用の対象を一つに絞らず、銘柄も複数組み合わせ、投資する地域を日本以外にも目を向けます。また、一度に多額の投資をするのではなく、少額・定期定額で投資を行うことで、時期による値動きに応じて投資幅を調整していくことができます。このとき、値動きが異なる銘柄や収益回収の期間が違う銘柄を選ぶことがポイントです。

 

ポートフォリオを組むメリット

なぜ分散させて投資を行うのでしょうか。ポートフォリオを組むメリットは、投資の対象を分散させることで、リスクを分散させることができるという点です。

投資資金を一つの銘柄にすべてつぎ込んでしまうと、想定外の事態によって価格が急落したときに、保有資産の価値も大きく減少してしまうことになります。しかし、投資の対象を分散させておくと、ある銘柄の価格が下がる事態になっても、影響を受けなかった別の銘柄の価格は下がらないため、全体としての保有資産の減少を抑えることができます。

また、ある銘柄の値を下げるような出来事が別の銘柄の値を上げることも考えられます。つまり、金融商品は同じ要因に対してそれぞれ異なる値動きをするので、分散投資を行えば保有資産が大きく変動してしまうのを防ぐことができるのです。

投資というのは基本的に、大きな儲けを狙うのではなく、着実な資産形成を目指して行うものです。そのため、ポートフォリオを組むことでリスクを減少させるのが大切なのです。

ある程度リスクがあっても高いリターンを狙える組み方をするか、安定した運用を行うかは、自身の投資のスタンス次第です。リスク許容度に合わせて自由に種類や銘柄を選び、自分でリスクの管理をすることができるのが、ポートフォリオを組むメリットと言えるでしょう。

 

黄金のポートフォリオとは?

資産構成が理想的な比率となったポートフォリオを「黄金のポートフォリオ」と呼ぶことがあります。

推奨される資産構成の比率は投資家によって異なりますが、特に有名なのは世界最大のヘッジファンドを率いるアメリカの投資家レイ・ダリオ氏の提唱するポートフォリオです。

株式や国債などを中心とした個人投資家でも実践できるような構成となっています。具体的には「株式30%、長期米国債40%、中期米国債15%、金7.5%、コモディティ7.5%」の割合での保有が勧められています。

このポートフォリオは年間の利回りが10%近くにもなるという高いリターンと、観察された多くの期間でプラスの成果を出しているという資産としての安定性が、共に評価されています。また、基本的なスタンスである「リスクがX倍となる金融商品の保有率をX分の1にする」という考え方は多くの投資家に参考にされています。

このように、安定性が高くてどのような経済状況下であったとしても確実に利益を出すことが期待されるポートフォリオが「黄金のポートフォリオ」と言われています。

自分の考え方やリスク許容度に見合う納得のできる構成を検討し、定期的な見直しを忘れないことが、ひとりひとりにとっての黄金のポートフォリオの作り方なのです。

 

ポートフォリオのタイプ

ポートフォリオには、求める運用の目標によって大まかに3つのタイプがあります。それぞれのタイプを確認してみましょう。

 

積極運用ポートフォリオ

積極運用ポートフォリオとは、積極的に運用することを目指した資産構成です。高めの利回りを狙うためならある程度のリスクは厭わないと考える経験豊富な投資家が組むことの多いポートフォリオになっています。

積極運用ポートフォリオには、海外市場の株式や債券などが高い割合で組み込まれます。海外の株式や債券などには、国内のものに比べてリターンの大きなものが多いからです。ただし、その代わりにリスクも高くなってしまいます。特に、新興国の金融商品は値動きが激しい反面、リターンも大きいことが多く、積極的な運用をする際に注目されます。

国内の金融資産を組み込みつつも国内債券は避け、半分程度は新興国を中心とした海外の株式を保有することで、8%程度の利回りを目指しています。

また、国内資産のなかでもベンチャー企業の株式はリターンの大きいものなので、積極運用を目指すなら組み込むべきでしょう。

 

スタンダードポートフォリオ

スタンダードポートフォリオとは、積極運用ポートフォリオよりも期待できるリターンは小さいものの、その分だけリスクも低くなっているポートフォリオです。安定性と利回りをどちらもバランスよく確保したい投資家が目指す資産構成です。

積極運用ポートフォリオと比較すると新興国の株式や債券の割合は抑え、よりリスクの低い国内や先進国の株式が多めに組み込まれます。5%前後の利回りを目標として構成されることが多いようです。

 

安定型ポートフォリオ

スタンダードポートフォリオよりもさらにリスクを減少させたのが、安定型ポートフォリオです。安定型ポートフォリオでは高い利回りは見込めませんが、資産が大きく減少するリスクが低く、安定した運用成績となります。リスク許容度の低い投資家が選ぶことが多く、初心者にもおすすめです。

構成としては、海外資産も組み込むものの新興国は避けて、先進国の株式や債券を保有するようにします。半分以上は国内資産で保有し、特に利回りが低くてもリスクがほとんどないと考えられている国内債券を30-40%程度と高めの割合にするのがよいでしょう。

目指す利回りは1%前後で、高くてもせいぜい3%ほどですが、資産が減少して大きく損をするリスクは小さくなります。地道な資産形成を目標とする投資家が選択することが多い資産構成です。

 

大きなキャピタルゲインを期待できるのはベンチャー企業への投資

先述のように、投資家は資産を分散させてリスクに備え、自分のリスク許容度に合わせポートフォリオのタイプを選びます。総資産に占める割合は違えど、資産とともにリスクも分散させ、一部を「攻めの投資」に回すことができるのです。

「攻めの投資」先は国内外問わずさまざまなものがありますが、リスクが大きい分キャピタルゲインで大きなリターンを期待できるため、ベンチャー企業への投資がおすすめです。

例えば2018年に東証マザーズに上場したメルカリの株価は、創業から上場までの5年間で6000倍に跳ね上がっています。ボディメイク事業で爆発的な成長をしたRIZAPも10 年間で株価は173倍に上昇しました。

このような大きな成長を期待できるベンチャー企業に投資しておくことは、莫大なリターンを得られる可能性を秘めています。

 

まとめ

この記事では、投資をするなら押さえておきたいポートフォリオの基本について解説しました。投資の目的は人により異なるので、積極的に高い利回りを目指したいという人もいれば、できる限りリスクを抑えつつ長く投資を続けたいという人もいるでしょう。どちらの場合であっても、投資のポイントは保有資産を分散させてリスクを抑えることです。

ポートフォリオなんて自分では作れない、と感じる人もいるかもしれません。けれど、ポートフォリオを考えるのは投資による資産形成の醍醐味でもあります。有名な投資家の提唱する「黄金のポートフォリオ」や、基本の形である安定型、積極運用型、スタンダード型のポートフォリオも参考にしながら、ぜひ自分自身が納得できるポートフォリオを作り、投資を楽しんでみてください。

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