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敏腕女性社長が人生の岐路で築いた、女性向けEC事業とその譲渡の物語

2022年02月28日

明るく和やかな笑顔の奥に芯の強さを感じさせる、元株式会社ユニオンコスメティックボーテの代表取締役社長・東様は、これまでさまざまな人生経験を重ね、女性ならではの苦境や葛藤を多く乗り越えてきた敏腕経営者。そんな彼女だからこそ語れる、心を打つ数々の物語に対して「まだ完全に乗り越えられたわけではないんです」と笑う東様に、人生の岐路で築いた女性向けEC事業の立ち上げから譲渡に纏わる物語の一部をお伺いしてまいりました。


 

譲渡企業

社名

株式会社ユニオンコスメティックボーテ

業種

小売業・EC販売

拠点

愛知県

譲渡理由

選択と集中

 

 

譲受企業

社名

スズキ機工株式会社

業種

製造・メンテナンス業

拠点

千葉県

譲受理由

新規事業への参入、経営の多角化

 


20年のキャリアを積む中で芽生えた「女性の悩みに寄り添いたい」という気持ち

もともと家業として女性をターゲットにした商材のEC事業を手掛けられていたという東様は、同会社で取締役として経営の根幹に携わり、事業推進はもちろんのこと、人事教育なども管轄しながら、その運営に情熱を注いでいらしたそうです。

そこで20年のキャリアを積む中、女性に訪れる結婚、妊娠、出産といったライフイベントや、毎月の生理によって起こる心や体の変化に悩む女性を多く見てきたことに加えて、ご自身もそれらの経験をしたことで「女性の悩みに寄り添いたい」という気持ちが、徐々に強くなっていったのだとか。

当時は、「たとえライフステージが変わっても、女性が社会で活躍し続けられるような場を作りたい」という気持ちから、取締役としての裁量を活かして、女性の採用や登用を積極的に取り組まれたそうで、そこで働く女性の約9割は、東様が自ら採用されたメンバーだったそうです。

どんなに尽くしても報われない、苦しい経験から学んだ、事業を創り出す際の心構え

そんな風に情熱を注いで尽くしてきた事業は、今から2年前、東様が長く続いた夫婦生活にある種の区切りをつけると決めたことで、手元から消えてなくなってしまったそうです。

「ものすごくエネルギーをかけて築き上げてきたものを、突然失ってしまったという感じでした。とても落ち込みましたし、正直、2年以上経った今でも未練はあります。

でも、私を信じてついてきてくれた従業員もいたので、彼女たちの雇用を守るために、立ち止まっている時間はありませんでした」と語る東様は、これまでのご経験を活かしてEC運用代行や越境EC事業をスタートされた後、「女性の悩みに寄り添いたい」という信念から、新規の商品開発とそのEC販売事業へと乗り出されたのです。

その際に東様が着眼したのは、女性特有の症状であるPMSに効くオリジナルサプリメント。ご自身もPMSに悩まされたご経験をお持ちのことから「EC業界にいる自分が、同じ悩みを抱える女性のために何かしたい」という使命感を持って事業を立ち上げられたそうで、「効果を体感でき、体に優しくて、毎月続けられるものを作りたいと思いました。PMSというもの自体が、まだ認知度や理解度が低いものなので情報収集には苦労しましたが、未開拓の市場への挑戦することは、良いモチベーションにもなりました」とのこと。

事実、小林製薬の調査よれば、「PMSという言葉も、その意味も知っている」と答えた女性は全体の28%に留まっており、「言葉は聞いたことがあるが、意味は知らない」が47%、「言葉も、その意味も知らない」が25%という結果になっていることから、その認知度・自覚度の低さが窺えます。

「それでも、競合他社の商品を調べたり、時には自分自身が実験台となったりして、いろいろと研究した結果、漢方という処方にたどり着きました」と語る東様は、自らOEM工場を開拓・契約締結し、リピーター率85%という圧倒的なカスタマー支持を得る商品の開発に成功されました。

そんな、一から苦労を重ねて磨き上げてきた愛着のある事業を、順調な業績であるにもかかわらずなぜ譲渡する決断に至ったのか、お伺いしたところ「実は、離婚をした際に、子どもを二人引き取っており、完全ワンオペなので育児にかける時間を更に捻出する必要があったんです。この事業も育てていきたかったのですが、このままでは自分の生活が成り立たないと感じることが増えてきて。だから、事業譲渡という決断をしました」とのこと。

「残念ながら前の会社では、私は去らなければならない立場となりました。そして、跡に残るものはありませんでした。そんな苦い経験から学んだのは、どんな状況に陥っても、常に自分がコントロールできるように事業を設計する必要がある、ということでした。事業をどんどん大きくしていくのか、何かあった時には売却するのか、全然ダメだった時には廃業するのか。この3つの選択肢を念頭におきながら、事業を組み立てていきました。実際、自分が想定していたよりも早いタイミングで2つ目の選択肢を採ったのですが、俯瞰してみれば、シナリオ通りに物事が進んだ結果だとも感じています」とも。

「いろんなことがマッチングした感覚」初の面談でほぼ即決した譲渡先とは?

こうしてスタートした東様のM&Aですが、もとより買い手側としてオンラインのマッチングサイトは頻繁に閲覧していた時期もあったそうで、既にTOP面談もご経験されていたことから、比較的スムーズに進められたとのこと。

そして、短期間で多数の問い合わせが来る中、初めての面談先となったスズキ機工株式会社の代表取締役社長 鈴木様と初めてZoomでお話された際に、「いろんなことがマッチングした感覚」を得られたそうです。

「初めから、すごくウマがあったんです。鈴木さんは、カスタマーに良いものを届けたいという想いを持って、積極的に自社の商品開発に取り組んでいらっしゃいます。また、テレビ出演をされていたりして知名度もあり、お人柄も快活で丁寧でいらっしゃるので、この方であれば安心してお譲りできると思いました。良い相手を見つけるのに、もう少し苦戦するかな、とも思っていたので、初めての面談相手で決められたことは意外でした」とのこと。

そんな東様に、今後の展望について最後にお伺いすると「女性の悩みに寄り添いたいという気持ちは変わらないですね。実は、この事業とは別にリラクゼーションサロンとネイルサロンの運営を行っているのですが、カスタマーとなる女性はもちろんのこと、そこで働くスタッフが活躍できるような店舗作りを目指したいと思っています。あとは、女性の経営者を応援する側に回って、何かやってみたいとも思っています。

女性の経営者の多くは、孤独に闘っていると思うんです。自分は、事業の立ち上げから運営、組織を作って、それを大きくしていくこと、そしてそれを売却するという一連の過程を経験することができました。その経験から、女性経営者が今向き合っている課題のフェーズに合わせて、私がアドバイスできることはあると思います。

また、女性経営者には数字が苦手だという方も多いので、事業計画書の作成や収支表の管理などといった実務的なサポートも含めて、彼女たちを支援したいと思っています。あとは、少し時間に余裕もできてきたので、自分のビジネスを見つめ直したいとも思っています」とのこと。

常に変わらない明確なビジョンを持って事業を運営される東様は、最初から最後まで、ポジティンブなエネルギーに満ち溢れる素敵な女性社長でいらっしゃいました。

東様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!

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