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「人が価値」の訪問看護。コロナ禍の長期化を受け、事業の選択と集中へ

2022年02月22日

都内23区を拠点に、総合ヘルスケア事業を幅広く展開する三峰ホールディングス(仮称)の前身は「街の調剤薬局」。しかしながら、その代表である矢羽氏(仮称)の先見の明によって、数々の事業会社が生み出され、経営の多角化に成功します。そんな中創設されたのが、訪問看護ステーションを併設した未来型の調剤薬局、株式会社ヒーリングス(仮称)。

それから約2年。さまざまな人の思いを携えて、どのように株式会社ヒーリングスが「事業移管」の瞬間を迎えたのか。三峰ホールディングスの営業統括部・統括部長であられる星野様(仮称)にお話を伺ってまいりました。


 

譲渡企業
社名 匿名
業種 訪問看護
拠点 東京都
譲渡理由 選択と集中

 

 

譲受企業
社名 匿名
業種 不動産業
拠点 福岡県
譲受理由 サービスの強化

 


調剤薬局からスタートした総合ヘルスケア企業が目指した、複合型の新しいスタイル

「もとは、街の調剤薬局からスタートしたんです」と語るのは、前職で医療系のコンサルタントをされていたという営業統括部長の星野様。「今後、調剤薬局を取り巻くビジネス環境は厳しくなっていくことが予想される中、病院の門前に居を構え、医療関係者との関係性を築きながら事業を運営していくだけでは、そのうち限界が来るだろうと考えた代表が、新しい調剤薬局の形として考案したのが、訪問看護ステーションと管理栄養士がプロデュースするレストランを併設した複合型の調剤薬局、株式会社ヒーリングスでした。この事業を通じて、単なる調剤薬局ではなく、地域に密着して区民の皆さまにとって、心から頼れる健康サポーターや相談役としての役割を果たすことが、当時掲げていたミッションでした」とのこと。

こうして、今から2年前に誕生した未来型の調剤薬局は、看護師をはじめ、PT(医学療法士)やST(言語聴覚士)といった医療資格保有者や管理栄養士が常駐する場となり、新しい調剤薬局の在り方を世の中に発信していける予定でした。

ところが、その立ち上がりと時期を同じくして、誰もが予想しなかった「コロナ禍」という荒波が到来したのです。

他事業とのシナジーが生まれない中、長期化するコロナ禍を受け「事業移管」の決断へ

新型ウイルスの蔓延を受けて、巷では「受診控え」なども散見されるようになり、医療業界は一般診療所を中心として大きな打撃を受けたと言われています。

そして、株式会社ヒーリングスの主力となる調剤薬局事業は、その影響を真正面から受けることになりました。加えて、緊急事態宣言や「3密回避」などの外食産業に対する逆風は、レストラン事業にとっても苦境となりました。

「訪問看護ステーション自体は、十分なノウハウを持たない中でスタートした、いわばチャレンジ事業でした。それでも、他の事業との相互送客などのシナジー効果を期待し、中長期的に育てていけたらよいと考えていました。

しかしながら、コロナ禍の影響を受けて他の2つの事業が、このチャレンジ事業を支えるだけの収益を生み出すことができず、このまま続けるのが難しい状況になってしまいました。事業の選択と集中は苦しい決断でしたが、既にノウハウを持っている企業に託したほうが、そこで働く従業員のことも守ってあげられると判断し、M&Aという選択に至ったのです」と、お話くださる星野様に、今回の譲渡先を決めた際の一番の重要点をお伺いすると「お問い合わせ自体は全部で50件近くきたのですが、訪問看護のノウハウを持っているか、そして商圏の地の利に詳しいかどうか、というところで優先順位をつけて対応させていただきました。

わずか2年間でしたが、この訪問看護ステーション事業を経験してみて感じたのは、“ノウハウ”と“地の利”はこのビジネスを成功に導くための非常に重要なファクターだということだったので。お問合せいただいた候補者の中には、訪問看護の実績がない企業や、実績があっても他の都道府県に所在する企業もあり、いろんな業種の方々と接点が持てたこと自体は非常に有益でした。ですが、私たちは訪問看護ステーションという事業を生き残らせるために、M&Aを決断しました。

だからこそ、より確実に、より安定した経営をしてくれるような譲渡先を選ばないと意味がないと思ったんです。今回の譲渡先は、既に訪問看護で多くの実績をお持ちですし、エリアのことも熟知していらっしゃるので、きっとこの事業を伸ばしてくれるだろうと思っていますし、私たちの元従業員たちが路頭に迷うこともないだろうと安心しています」とも。

「人が価値」の訪問看護事業、従業員への伝達は言葉選びから慎重に

そんな星野様は、前職の医療系コンサルタント時代に数々の医療法人のM&Aを手がけられたご経験をお持ちのため、今回のM&Aに関しても流れは既にご存知で、特に大きな問題もなくスムーズに進められたとのこと。

そんなM&Aに精通していらっしゃる星野様が、一連の過程において最も心を砕いたのは何だったのかをお伺いすると「従業員へこの話を打ち明けるときが、一番、気を遣いました。実際、かなり先延ばしにして、万全の準備が整った状態で状況を共有しました」とのこと。

訪問看護というビジネスは、人が価値なんです。他に資産はないといっても過言ではありません。お客様も、ケアマネージャーも、みんな担当者についているのであって、ステーションについているのではありません。ですから、担当者である彼らが辞めてしまったら、ステーションの価値自体がなくなってしまうんです。

だからこそ、決して“譲渡”とか“売却”という言葉は使わずに、あくまで事業を“移管”するのだと伝えた上で、彼らの不安や疑問を必要以上に抱え込まなくて済むように、当日は事業の継承先の方にも同席してもらいました」とも。こうした星野様の配慮が功を奏し、最終的には過半数を超える従業員の方々がステーションに留まるという決断をされたそうです。

星野様によれば、今回の事業継承先である企業は同じ医療業界に属していらっしゃることから、今後のコラボ展開の青写真が描けたことも魅力のひとつだったとのこと。近い将来、誰もみたことのないような新しいビジネスモデルを掲げて、ヘルスケア業界に新風を巻き起こす日が来ることを期待させてくれる、そんなワクワクする会社。それが、株式会社ヒーリングスであり、三峰ホールディングスでありました。

皆様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!

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