セルフサロンとしてフランチャイズ展開をしている「わたしのハイフ」。全国に100以上ある店舗のひとつを愛知県にオープンした野村様は、開店わずか1年足らずで事業を譲り渡すこととなりました。今回、「わたしのハイフ」金山店を経営された野村様に、M&Aに至った背景などについて、お話を伺いました。
譲渡企業 | |
---|---|
事業名 |
「わたしのハイフ」金山店 |
業種 |
エステサロン |
拠点 |
愛知県 |
譲渡理由 |
育児の集中 |
譲受企業 | |
---|---|
社名 |
株式会社ティーズ |
業種 |
製造業 |
拠点 |
愛知県 |
譲受理由 |
新規事業の参入 |
子育てしながら働ける、ライフステージに合ったエステサロンを
もともとエステ業界でスタッフとして働かれていた野村様。当時、転職した直後に妊娠が判明した野村様は、勤務体系をアルバイトに変更したい旨をお店に相談しました。しかし、その店舗ではアルバイトを雇っておらず、子育てをしながら働いている人もいなかったため、自主退職という形で仕事を離れることになったそうです。新たに他の勤務先を探し始めた野村様でしたが、近辺のエステサロンはどこも独身、もしくはお子様のいない方がスタッフであったことが、野村様が自身で起業を考えるきっかけになったそうです。
1から起業することも考えた野村様でしたが、最終的にはフランチャイズを展開する「わたしのハイフ」で事業をスタートすることを決意。設備が予め用意されている状態から始められる点や、セルフエステという、施術者がいなくても運営ができるという点は、子育て中の野村様にとっても魅力的でした。
お店は、2人目の妊娠中にコロナ禍でオープン。出産・子育てをしながら店舗運営に励んでいた野村様にとって、度重なる緊急事態宣言は売り上げにも大きく影響し、経営することの難しさを体感したそうです。そんな中でも、4.89という高い口コミ評価を得ていた野村様の店舗。セルフエステではあるものの、店舗を運営するうえで「お客様とのコミュニケーション」を大切にしていたと野村様は語ります。「コミュニケーションは、お金がかからない企業努力だと思っています。セルフエステは、通常のエステと比べてお客様とコミュニケーションをとる機会は少ないですが、来られた方全員と、仕事以外の日常的なコミュニケーションもとることを決めてお客様と接していました。」とのこと。そんな野村様のこだわりは、口コミ評価という目に見える数字にも反映され、お客様の満足度が高いエステサロンとなっていきました。
子どもの難病により、事業を手放すことを決断。
お客様からの高い評価で経営を続けていた野村様でしたが、2人目の子どもに難病が発覚。お子様の入院の付き添いで、家に1か月以上帰れないこともある中で経営を続けることに難しさを感じた野村様は、店舗を手放す決断をしました。
エステサロンを開業するにあたって、お金の借り入れをしていた野村様。お店を畳む場合には、追加で資金がかかってしまうため、自己破産も考える必要があるという状況でした。その事態は避けたいと思っていた野村様は、家族を含め様々な方にご相談。その中で、税理士の方からお金がかからず売却する方法もあるということをお聞きし、バトンズにたどり着いたそうです。
「売り手側にお金がかからない条件で、いくつかのサイトを検討していました。その中で、バトンズさんは取扱い案件数が多く実績もあったので、信頼できそうだと思ってバトンズさんのサイトを使うことにしました。サイトに案件を載せてみると、興味をもった方からすぐに連絡をいただきました。連絡をいただく方は、本当に引き継ぎを検討している方ばかりという印象で、さすが専門サイトだなと感じました」とお話いただきました。
交渉に進んだ4人の候補者。明暗を分けた、小さな気遣い
野村様の経営努力もあり、すでに固定の顧客が付いていたセルフエステ。お店と共に、お客様も大切にする人間性は、野村様が譲渡を決めるうえで重要なポイントでした。そんな中、引き継ぎ先に選んだのは株式会社ティーズの川嶋様。
川嶋様の印象について、野村様は「非常に熱血的な人という印象でした。交渉のやり取りをしていた方の中で、実際にお店まで足を運んでくださった方が4名いらっしゃったのですが、全員良い方だったので、誰に引き継ぐか本当に悩みました。みなさん、お客様を大切にしてくださりそうな方でしたので。
その中で決め手となったのは2つで、ひとつはスピード感をもって進めていただけそうな方。娘の手術日が決まっていたこともあり、時間があまりない状況だったので、譲渡まで速く進めたいという想いがありました。2つ目は、気配りができる方。お店のスタッフは全員女性なのですが、足を運んでくださった方は全員男性でした。
男性と女性では考え方に違いがあったりすると思うので、スタッフやお客様に気遣いができる方に引き継ぎたいと思っていました。お会いしたときの印象はみなさん好印象だったのですが、川嶋様が唯一、手土産をもってきてくださって。そういった部分から、細かな気遣いができる方なのかなと感じたことが大きかったです」とのこと。甲乙つけがたい引き継ぎ候補ばかりだったからこそ、最終的な判断材料となったのは、たったひとつの小さな気配りでした。
無事引き継ぎを終えられた野村様に、最後に譲渡先の川島様に期待することについてお伺いすると、「買ってよかったと思ってもらえたらいいな、と思います。“やっぱり買うんじゃなかったな”とは思ってほしくないので、今回のM&Aが、川嶋様のプラスになっていただければいいな、ということだけですかね」とお話いただきました。口コミ評価の高い経営を続けた野村様は、最後まで相手のことを考えられる、素敵な経営者でいらっしゃいました。
野村様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!
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