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会社を解散・清算するとはどういうことなのか?注意点や手順も解説

2020年12月01日

国内では依然としてきびしい経済情勢が続いています。会社を経営する方には、将来的に廃業を検討しているものの、会社を解散するためには具体的にどんなことから始めればいいのかわからないという方もいるでしょう。

そこで今回は、会社の解散と清算の定義、実際に行う際の注意点、さらに一般的な手順などをくわしく解説していきます。

会社を解散するとはどういうことか?

会社の解散とは、会社という組織を消滅させる手続きの出発点となるものです。「解散イコール消滅」という印象を持っている人もいるかもしれませんが、会社を解散した段階ではまだ消滅したことにはなりません。清算すべき会社として存続している状態です。

会社を解散する理由

会社を解散する理由は、会社法によって厳密に定められています。会社は社会的な存在であり、解散するとなると周囲に与える影響が大きくなるため、一定の制限を設けているということでしょう。

解散の理由として挙げられているのは次の7つです。

1.定款で定めた存続期間の満了

定款とは、会社の根幹に関わるルールを定めたものです。この定款において会社の期間が定められている場合には、その期間の満了とともに解散の手続きを開始します。

2.定款で定めた解散事由の発生

「ある目的を達成した場合に会社を解散する」などの条件が定款で定められている場合、その条件を満たした時点で解散の手続きを開始します。

3.株主総会の決議

株式会社にもっとも多いのはこのケースです。「会社の業績が悪化して将来の見通しが立たない」「後継者がいない」などの理由で、経営者が廃業を決断する場合があります。しかし、決断したからといってすぐに解散できるわけではありません。株主総会を開催し、決議によって解散が承認されてはじめて解散の手続きを始めます。

4.合併により会社が消滅する場合

吸収合併、あるいは新設合併などによって会社が消滅するケースです。この場合にも解散の手続きが不可欠となります。

5.破産手続開始の決定

負債が増えて会社を存続させるのが困難になった場合には、破産の申し立てをすることになります。これが受理されると、裁判所によって破産管財人(通常は地域の弁護士)が選任され、この破産管財人が解散の手続きを行います。

6.裁判所による解散命令

会社が法律に反する方法で設立された場合、会社役員や社員の違法行為が繰り返し行われて改善されない場合には、裁判所が解散命令を出すことができます。

7.休眠会社のみなし解散の制度

12年以上登記されていない株式会社、5年以上登記されていない一般社団法人と一般財団法人は、会社法によってすでに解散したものとみなされる「みなし解散」として登記されます。ただし、法務省から「みなし解散」の通知が送られてきたとしても、「まだ事業を廃止していません」という意志表示の届出をすれば、当面は解散にはなりません。

任意解散と強制解散の違い

このふたつは、まったく状況の異なる解散といっていいでしょう。任意解散は、会社の自主的な意志によるもので、前述の1~4が該当します。

一方、強制解散は破産や法的な理由によるものです。裁判所の命令などによって、強制的に行われる解散で、前述の5~7が該当します。

会社を清算するとはどういうことか?

精算には、もともと「貸し借りを整理して後始末をする」という意味があります。会社の精算も基本的には一緒です。では、具体的にどんな手続きを行うのか説明していきましょう。

会社を精算するための手続きは複雑

会社は、事業を停止して解散するだけでは消滅しません。その状態では、会社に資産や負債が残ったままなのです。それらすべてを整理するのが会社清算という手続きです。

まず、会社の資産を売却し、合わせて債権を回収します。弁済も行わなければなりません。収益と負債を相殺して残ったものは株主に分配します。

通常精算と特別清算の違い

精算には、通常精算と特別清算の2種類があります。通常精算は、その言葉どおり通常の精算であり、現金化した会社の資産によってすべてが弁済できる場合に適用されるものです。この精算では、借金が完済された状態になります。

特別清算は、会社が債務超過になってしまっているケースに適用される精算方法です。この精算では、債務をどう処理していくかが大きなポイントとなり、債務者を保護する目的を兼ねて裁判所のもとで実施されます。

特別清算のおおまかな流れは、次のようになります。

まずは、債権者の届出をもとにして負債金額を確定します。その後、清算人と債権者とで協定案を作成し、債権者集会で可決されたその協定案を裁判所が認可すると、清算の手続きが始まります。

会社の解散・清算の一般的な流れ

会社を解散して清算するのには、さまざまな手続きが必要です。先述したとおり、株式会社が解散する理由にもっとも多いのは、株主総会の決議によって解散が決定するというもの。ここでは、その場合の一般的な流れを解説していきます。

株主総会での解散決議

株主総会において解散が決議されるためには、ある条件を満たさなければなりません。その条件とは、議決権を有する株主が総会出席者の過半数を占めることです。また、出席した株主の3分の2以上の承認を得ることが必要となります。

解散登記と清算人選任登記

解散が承認されてから2週間以内に、解散登記と清算人の選任登記を行わなければなりません。この2つの登記は、ひとつの書類で同時に申請することができます。この申請には、登記申請書、株主総会の議事録、清算人会議事録、就任承諾書、委任状などの添付が必要です。

会社清算人による清算処理

清算処理に入る前に官報公告によって債権者に会社の解散を通知するとともに、一定期間内に債権申出(届出)を行うように求めます。その後、財産目録、賃貸対照表を作成して清算手続きを進めます。

会社清算・解散の完了

債権の回収や弁済を行って財産が残った場合には、それらを株主に分配します。株主平等の原則に則って、それぞれが保有する株の数に応じた分配を行うことになります。

分配の作業が終わると、会社清算人は税務署へ清算確定申告書を提出します。さらに清算事務決済報告書を提出してから株主総会を開催し、ここで承認を得ることで清算が完了となるのです。税務署などに清算完了の届出を提出し、ここで会社の解散と清算がすべて終わったことにとなります。

会社を解散・清算するための費用

会社を解散し、資産を清算するのにはさまざまな手続きが必要であり、それらの手続きに伴って費用もかかります。それがどのくらいかかるのかを説明しましょう。

会社の解散にかかる費用

会社の解散にかかる費用は、解散登記と清算人選任登記に39,000円、官報公告の掲載に約3万円です。手続きには専門的な知識が求められるため、司法書士、税理士への依頼が必須でしょう。司法書士や税理士への手数料は、10万円から20万円程度が目安です。

会社の清算にかかる費用

会社の清算には、清算完了時の登記費用として2,000円の実費がかかります。これに司法書士や税理士への手数料が数万円プラスされると考えておけばいいでしょう。

廃業とは違うM&Aという選択肢

会社の解散は、多くの場合廃業によって行われます。廃業は、経営者にとって人生における大きな決断といっていいでしょう。もちろん経営者のみならず、役員や従業員、その家族や取引先など、さまざまな人々に及ぼす影響も決して少なくはありません。

近年はM&Aが活発化しており、廃業とは違うこの選択肢を選ぶ経営者も増えています。なぜなら、M&Aが成立した場合には会社を存続させることができ、従業員の雇用を守ることにもつながるからです。しかも、廃業とM&Aとでは、残せる資産の額が大きく変わってくる可能性もあります。

廃業を決断する前に、M&Aという選択肢も考慮に入れて慎重に検討してください。

 

 

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