15年前オープンした人気ヨガスタジオを譲渡。現在はセカンドライフ充実に向け新たな分野に挑戦
2020年10月19日
2020年10月19日
今回ご紹介するのは、2019年にホットヨガスタジオを売却した矢澤様です。長年、スタジオを経営しながらインストラクターとしても活躍してこられましたが、体力の限界を感じ売却を決意されました。現在はセカンドライフの充実に向けて英語学習など新たな挑戦を始められています。
矢澤様は独立前、ジュエリーデザイナーとして働いていました。しかし、30歳のときに働きすぎがたたり体調を崩してしまいます。その時に出会ったのがホットヨガでした。
「当時は仕事がとにかく忙しく、ヘルニアになってしまったんです。それから健康を取り戻すため、当時まだ珍しいホットヨガに通い始めました。それが趣味になり継続していた所、32歳の時にインド人のヨガの恩師にインストラクターになることを勧められて資格を取りました。その後はヨガの世界大会にも出場しキャリアを築いていたのですが、恩師から『そろそろ自分でスタジオを出してみたら?』と助言を頂き、15年前、当時まだ流行前だったホットヨガスタジオを湘南にオープンしたんです」。
Photo by Conscious Design on Unsplash
ホットヨガは当時まだ一般に知られていなかったものの矢澤様のスタジオは生徒さんから好評。口コミが広がり顧客はあっという間に増えていったそうです。ところが、スタジオが忙しくなったことで再び体調を崩してしまいます・・・。そこで体を鍛えようと取り入れたのが加圧トレーニングでした。スタジオを持つ同じビル内にジムを作り、ヨガと加圧トレーニングの展開を始められたのです。
「加圧トレーニングもまた、当時はほとんど知られていなかったのですが、ちょうどジムを始めて1年後くらいに、ある女優の方も行っているということで世間でも話題になったんです。それから加圧トレーニングが一般にも広く知られるようになりました。ジム開設当時からお客さんは多かったのですが、それ以降とても繁盛しました」。
ヨガスタジオとジムの経営は体力的にとてもハードです。矢澤様は再び、朝9時から深夜23時まで働き詰めの日々が続くようになりました。
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「スタッフも多い時は20人程いて、彼女達に教えながら自分自身もインストラクター業を行い、加えて経営も・・・。実は5年程前より引退したいと考えていたんです。しかし、お客様は約1000人いましたし、私がいなくなったらどうするの?と、簡単にはやめられない状態でした。とはいえ体がもう限界に達してしまっていて、医者から『このままだと10年後は歩けなくなりますよ』と言われ、引退する決心がつきました」。
引退を決意した矢澤様は早速、顧問税理士でありM&Aアドバイザーの樋口さんにご相談。
そこで始めて第三者へ会社を売却するという手段を知りました。
「顧問税理士の樋口さんに会社をどういう風に展開していくべきか今後のことを相談していたとき、辞めることも伝えていたんです。そうした所、昨年初めにM&Aというやり方もありますよとバトンズでの売却を提案して頂きました」。
ご自身の体のためにも早期に引退することが望ましかったため、早速、バトンズに掲載し買い手の募集を開始。
第三者に売却するにあたって、矢澤様が最も重要な条件として挙げていたのが、“M&A後も現在の生徒さんのためにホットヨガスタジオと加圧トレーニングの事業を継続してもらう”ことでした。
「いままで継続してきた事業の内容を大きく変えない方に譲りたいと考えていました。勿論、新しいことをやるにしても、今までやってきた事業にプラスして始めるのであれば問題ありませんでした。あとは、スタッフの継続雇用と待遇面を下げないでほしいということも最初から条件に入れていました」。
掲載後は5~6名の買い手とマッチング。最終的に2名とトップ面談を行うことになりました。
実際にお会いした2名の買い手候補者は、どちらもヨガと加圧トレーニングは初参入。交渉もスムーズとはいえませんでした。
一人は医師の方で、すでに複数の事業経営をされていて新たにヨガ事業を始めたいということだったのですがヨガも加圧トレーニングも未経験。もう一人は柔道場を経営されている方で、この方もヨガ、加圧トレーニング未経験。
「どちらも業界未経験だったため悩みましたが、最終的に柔道場を経営されている方から、M&A後も事業を継続できるよう自身で加圧トレーニングの資格を取得するとの申し出があり、柔道場の経営者の方に譲渡することを決心しました」。
交渉中はキーマンである店長が矢澤様以外のオーナーと働くことを希望されていなかったため退職。残っていた従業員もすべて退職してしまったため、矢澤様が新たにスタッフをリクルーティングしM&A後の人材を確保されました。また、交渉が終盤に差し掛かったタイミングで譲渡金額が提示していた希望金額の1/3になってしまうことが発覚。矢澤様の体力的に厳しい状況で、これからまた時間をかけて新たな買い手を探そうとは考えていなかったため、承諾されることになりました。
「交渉中はハードでしたね・・・。とても勉強になりました。買い手様からの質問もとても多く、正直、M&Aアドバイザーの樋口さんが間にいなかったらM&Aは成立出来なかったと思います。とはいえ、これからの人生の為にも自分の体の事を考えなければならないと思ったので、先延ばしはしたくなかったですし、タイミング的にM&Aするならば今しかないと決めていました。M&Aをまとめて下さった樋口さんには本当に感謝しています」。
交渉は厳しいものになりましたが、昨年10月に無事ご成約。その後は引継ぎを2ヶ月ほど行われました。
ホットヨガスタジオは10回または20回分のレッスンチケットを販売し、生徒さんに4~5ヶ月かけて受講してもらいます。チケットが消化されるタイミングの春と秋に集客キャンペーンを行いますが、矢澤様がご成約されたのがちょうど秋だったため、引き継ぎでは次の集客キャンペーンを新オーナーと一緒に行われました。
「お客様は私がいることでチケットを購入して下さるし、新オーナーもチケットが売れる事で安心されたと思います。引き継ぎが終わった後も5ヶ月間はお客様が継続してスタジオにご来店されるので、新オーナーはその期間にお客様との信頼関係を築けます。その後もチケットを買ってリピーターになってもらえるかは新オーナーの手腕に委ねられますが、上手く引き継げたと思っています」。
その他にも、チケットがまだ未消化の生徒さんのレッスン消化や売り上げの確認、リクルーティングした新しいスタッフの教育、新オーナーへ加圧トレーニング方法の伝授など、やることは盛り沢山でしたが、すべての引継ぎを約2ヶ月で完了!無事に引退することができたのでした。
「やっと肩の荷がおりたと思いました。引き継ぎ期間を終えるまでは大変でしたが、すべて終えた今は自分の会社をM&Aによって売却できたことに本当に感謝しています。これも樋口さんがいたから出来たことだと思います」。
すべてを終えた今年初め、矢澤様は次のライフステージに向けて今年5月に留学する予定でしたが、新型コロナの影響で断念せざるを得なくなってしまいました。現在は自宅で毎日5時間、英語の勉強をされているそうです。
ポールダンスをされている矢澤様
「英語は3つのスクールを活用していて毎日英語漬けの日々です。それに、趣味のポールダンスにも励んでいます。引退後は生活をリセットしたいと考えていて、英語を習得し将来は海外と国内の二拠点生活の計画も立てていたんです。しかし、コロナで自由に移動が出来ない状況になってしまったので、夫婦で話し合い、現在住んでいるマンションから一戸建てに引っ越すことに決めました。現在は新しい家の設計の打ち合わせもあり、忙しく過ごしています」。
多くのお客様に愛されるホットヨガスタジオとジムを無事に譲渡できてよかったですね。
バトンズ一同、矢澤様の新たなライフステージでの更なるご活躍を祈念しております!
担当M&Aアドバイザー:オールウィンコンサルティング株式会社 樋口 敬道様からのコメント
「後継者不足などが原因で廃業する中小企業が増加しているなか、Batonzによって中小企業にもM&Aという選択肢ができたことは、非常にありがたいことです。今回のケースでも私がBatonzを知らなければ、ホットヨガスタジオとジムのお客様には全て退会してもらい、内部造作を居抜きで売却することになっていたと思います。長年お世話になった顧問先の最後に、感謝される仕事ができて本当に良かったです。」
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