今回は、若干24歳で会社員から独立を果たされ、兵庫県にある予備校の経営者となった買主様をご紹介します。冷静な分析力と独立への熱意によって実現した、個人M&Aの事例になります。
【M&Aされた事業】
兵庫県にある看護医療系の専門学校・大学合格を目指す予備校
まず売主様にお伺いします。会社を譲渡しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
N様:看護医療系予備校を創業してから30年以上経営を続けて来ましたが、家族に後継者がいなかったため、第三者承継を検討していました。そこで、M&Aについてネット検索したところバトンズについて知り、早期に相手が見つかるならやってみようと登録してみました。
ご登録され案件公開後、僅か1週間で買主T様とマッチングされました。
N様:マッチングは速かったですね。またTさん(買主様)の年齢(マッチング当時24歳)を知った時は驚きました。しかし、若さへの期待を感じました。
今回は承継アドバイザーのサポートを受けられましたが、いかがでしたか?
N様:交渉が伸びてスムーズにまとまらなくなりそうな局面もあったのですが、承継アドバイザーがお互いのお尻を叩いてくれたおかげもあり、早期成約することができました。実は、他社サイトにも登録しており、そこからのマッチングも来ていました。そんななかTさんとの交渉を進めていたので、承継アドバイザーにサポートをお願いしていなかったら、なかなか交渉が進まず一人で複数の買い手候補と交渉を続けなければならなかったと思います。
引き継ぎの期間はどのようなことをされていますか?
N様:DMの送り方や説明会、進路指導などについて引き継ぎを行いました。基本的にはTさんの今後の方針に委ねることにしています。
買主様にお伺いします。今回、どのような経緯で売主様の会社を譲り受けられたのですか?
T様:私は公認会計士資格を取得後、大手監査法人に新卒入社しましたが、大学在籍時から将来は独立することを考えていたので、入社後、会社員として働きながらも常に独立のアイデアやきっかけを探し続けていました。バトンズで対象会社を見つけたときは、自身の経験を活かせると思い直ぐにマッチング申請しましたね。私自身、まだ受験当時の感覚も覚えており、予備校の利用者の年齢に近いため生徒を理解できる。利用者の立場に立ってビジネスを考えることが可能だと考えたのがマッチングを申し込んだ決め手です。
今回は資金調達を前提とされていたそうですね。
T様:はい、私の場合は資金調達を前提としていたので、第三者(金融機関)に安全性を審査してもらえた感があります。私の場合は自己資金数百万単位でした。その後、自身の会社で自己資金の約7倍、対象会社の名義で約8倍の資金調達を行うことができたので、実質、自己資金の14倍以上のお金を借りられるほど、安全であると金融機関に判断されたということになります。
初めてM&Aを行おうとしている個人にアドバイスを送るとしたら?
T様:そうですね。私は前職で会計の知識を身につけていたこともあり、対象会社の財務の健全性や再現性を把握することができました。しかし、会計の知識を持っていない方がM&Aを行う場合は、創業融資などを実施している金融機関からの資金調達を前提とされると、多少なりとも個人の信用力を客観的に判断してもらえ、M&Aを行いやすいのかもしれません。
今後の運営体制について、どのようなポイントを変えていこうとされているのですか?
T様:生徒さん達が入塾した後の仕組みを改善しようとしています。例えば、生徒が過去問を印刷するとき10円かかっていたのですがそれを撤廃する、過去問の回答集を充実させる、社会人向けに個別指導を始める、コスト分の品質確保(合格率アップ、進学先の幅を広げる)、教室のモニタリング環境を整える、などです。生徒さんの反応を見ながら慎重に進めていかなければならない部分もありますが、勉強しやすい環境を提供できるようにしていきたいです。
経営の面からでは、広告宣伝、外注していた制作物をどのくらい内製化していくべきかの判断、カリキュラムの更新、それに伴う講師陣の勤務体系の見直しなどに取り組んでいこうと考えています。
すでに冬期講習も始まり、受験生達にとって正念場のシーズンですが、T様の挑戦は始まったばかり。日々教室の様子を伺いながら試行錯誤し、彼らを全力でサポートすべくより最適な環境を整えていこうとしています。これからは、進路指導や説明会などもこなしていくとのこと。受験生たちの成功とともに、今後のT様のご活躍と事業の益々の成長を祈念いたします!
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