ノウハウ

2019.07.11

IRR(内部収益率)とは?難しい内容をやさしく解説

IRR(内部収益率)は「Internal Rate of Return」の略称で、投資に対するリターン(儲け)を評価する指標です。投資することによって、将来入ってくるお金(キャッシュフロー)と、どれくらいの期間で資金を回収できるのか(お金が戻ってくるのか)を基に考えます。

今回は、M&Aの投資判断に役立てられるようIRRを勉強する人にも、分かりやすいように解説していきます。

IRRとは?

IRRとは、“Internal Rate of Returnの略で、日本語では内部収益率といいます。一定期間お金を預けたときに、どれだけ効率的にリターンが得られるかを示します。平たく言えば、毎年の利回りがいくらになるかということです。IRRでは他の指標と異なり、投資期間を考慮します。

例えば、100万円もらえるとして、今もらうか1年後にもらうかであれば、ほとんどの人が今を選ぶはずです。お金の価値は時間が経つほど低くなり、(この下がり方を割引率といいます。)時間経過による価値の変動からIRRでは投資金額を早く回収できるほうが価値が高いと評価します。

ひとまずは「IRRは銀行にお金を預けたときの預金金利のようなもの」と頭に留めてみてください。

現在価値という考え方

このようにお金の価値は時間によって変わります。そのため将来の資産価値を計算する場合、時間の価値を加味して計算しなくてはなりません。

例えば、100万円を元手にして、1年後に5%増える投資商品を買うと、1年後に100万円は105万円になります。この105万円のことを将来価値といいます。また、反対の計算をすることで、1年後の105万円は現在におきかえるといくらの価値があるかを求めることができます。これを現在価値といい、この時の現在価値は100万円です。

n年後の現在価値の求め方は

n年後のキャッシュフロー÷(1+利率)^n

になります。

IRR理解のために知っておきたいDCF法とNPV

次に、IRRを理解するためにも知っておきたい、DCF法について説明します。DCF法は“Discount Cash Flow”の略で、将来予想されるキャッシュフローを現在価値に割り引く計算手法です。将来のキャッシュフローが現在価値でいくらなのかわかるため、投資やM&Aの際に指標として活用されます。最低でも5年分のキャッシュフローを用います。

一定期間のDCFの総和から、投資額を差し引いた数値が”Net Present Value”、通称NPV(正味現在価値)です。NPVによって、時間による価値の変動を加味した本質的な事業価値と投資コストを比較できます。事業投資する際、NPVがプラスなら利潤が、マイナスなら損失が出ることがわかります。

初期投資100万円が1年後に105万円になる場合、NPVは5になり、「プラスであるため投資すべき」といえます。このNPVがゼロのなるような割引率のことをIRRといいます。つまり、IRRとは将来のキャッシュフローの現在価値と、投資額が均衡する割引率のことです。

1年目で100万円が105万円になるケースなら

100=105/(1+IRR)

1年目に5万円、2年目に105万円受け取るのであれば

100=5/(1+IRR)+105/(1+IRR)^2

で算出します。

IRRの目安

IRRの目安として「ハードルレート」というものがあります。ある投資案件に投資するかどうかを判断する場合の評価の基準のひとつで、株式発行資金などの資金調達コストと同義で使われます。IRRがハードルレートより高ければリターンはかかる資本コストを超えるため、投資や買収の価値があるといえます。ハードルレートはその投資をすることによって、どれくらいのリターンが得られるのかの適正値(%)で表します。

エクイティIRRとプロジェクトIRR

IRRにはエクイティIRRとプロジェクトIRRというものがあるので、違いを見ていきます。

エクイティIRRとは

Equity IRR(配当利回り)は、自己資本に対してどれだけの投資収益があるかを計る指標で、キャッシュフローを現在価値に割り引く際に、現在価値と投資金額が同じになるような割引率です。NPVと同じように、事業に投資する際のリターンを比べるために使うことができます。

配当がどれくらいもらえるのか、という話とも関わってくるため投資家にとっては採算性を計るための指標になります。一般的なプロジェクトでは7割以上を借入金で賄いますが、借入金が増えるほど自己資本の収益性は上がりエクイティIRRは高くなります。

プロジェクトIRRとは

プロジェクトIRRは、ひとつの事業への投資額に対する内部収益率のことで、事業の採算性の参考に使われます。借入金がなければエクイティIRRと同じになります。
毎年のリターンがどれくらい出るのかをあらかじめ算出できるため、プロジェクトの参加者は銀行などからの資金集めなどをどうするのか考慮せずに事業そのものの収益性を評価することができます。

IRRを使いこなして、効率よくリターンを得よう

プロジェクトや企業などに投資する際にIRRを使うと、投資対象がほかと比べて効率が良いか、悪いかが分かります。ここで言う効率とは、いかに早く投資した資金に対してリターンが得られるかということです。M&AにおいてもIRRを用いることでその企業の収益性を把握することができます。IRRは計算が複雑で理解しづらいですが、今後の投資や交渉のために覚えておきましょう。