ノウハウ

2019.06.10

ROAとは?見方、目安を初心者向けに解説!会社が効率的に経営されているかを知ろう!

株式投資やM&Aをするにあたり、安定した企業を相手に取引したいと思いませんか?
そんな方にぜひ見ていただきたい指標があります。
それは、会社がどれほど効率的な経営をしているかを示す指標の一つ「ROA(アールオーエー)」。
金融機関からの借入金も含めた会社丸ごとの資産(財産)と比べて、どのくらい利益をあげているのかが分かる数値です。

この記事では、ROAとは何か、ROAを用いた優良企業の見極め方、さらには分析の仕方について解説しています。

ROAって何?

ROAは「Return on Assets」の略で、「アールオーエー」と読み、日本語で「総資産利益率」を指します。
資産全体に対して、どれだけの利益が生み出されているのかを計る指標です。そのため、ROAが高ければ高いほど、効率よく利益を出していることになります。

ROAの求め方は、 ROA(%)=(当期純利益÷総資産)×100

たとえば、以下のような会社があったとします。

当期純利益は10とすると、ROAは

(当期純利益10÷総資産100)×100=10%

となります。

経営者の手腕が良い、従業員の働きぶりが見事、材料などを無駄なく使えている、などROAが高くなる理由は様々ですが、収益性の高さはM&Aを行う際には必ずチェックすべき条件です。
このように、会社の経営状態を客観的に読み解くための指標がROAです。

ROAと似た指標にROEがあります。

ROEは、「アールオーイー」と読み、自己資本利益率を指します。株主から集めた資金(自己資本)をどれだけ効率よく使えているのかを表す指標です。そのため、株式投資の際により重視されます。一方で、株主からのお金の集まりやすさは、M&Aをする上でも重要です。ROEが高い株式銘柄は、投資家に買われやすいという特徴を理解すれば、M&Aの際にも活用できます。

有名な投資家であるウォーレン・バフェット氏は、投資先にROE15%以上を目安にしているそうです。

ROA(純資産利益率) 総資産と純利益を比べる。
総資産からどれくらい効率よく利益が出ているかがわかる。
ROE(自己資本利益率) 株主の出資金と純利益を比べる。
出資金からどれくらい効率よく利益がでているかがわかる。

2つの大きな違いは、負債を含めているか、いないかです。
たとえ負債がたくさんあっても、それ以上に儲かっている会社はROAが高くなります。
逆に、負債がゼロでも利益が少なく、効率が悪ければROAは低くなります。

ROAの目安は?

それでは、ROAがどれくらいであれば、良い投資先として考えられるのでしょうか?

ROA5%以上が優良企業の目安

一般的にROAは5%以上の企業が優良とされ、投資家たちの一つの目安となっています。

しかし5%は企業全体の数値であり、業種別ではありません。
ROAは、業種や環境によって若干の違いがあります。
例えば、工場のような大規模な設備投資が必要な業種では、総資産の額が大きくなるので、必然的にROAは低くなります。一方で、そのような設備投資が必要でない業種は、ROAが比較的高くなるため、他業種間でROAを比較し判断することは危険です。
M&Aを前提にしてROAで分析をする際には、同業種の数値と比較することをおすすめします。

参考:Yahoo!JAPANファイナンス

ROAを上げるには

ROAを上げるためには、
• 収益性を良くする
• 総資産を減らし効率をあげる
以上の2つがあります。

たとえば、
• 当期純利益を増やすために経費を削減する
• 販売にかかる費用を削減する
• 金融機関からの借入金や、買掛金を返済する
• 不要な不動産を売却する
などが考えられます。

利益をそのままに不要な資産を減らせることができれば、ROAは上がります。
高いROAを維持している会社の特徴としては、高効率で利益を上げられていること、不要な資産を保有していないことがあげられます。

ROAが下がるときはどんな時?

効率よくどんどん収益を上げられていると上がるのがROAです。
では、下がるときはどんな時でしょうか?

それは、費用ばかりがかかって利益が出ていない時や、新事業を立ち上げるために金融機関から資金を借入れて資産が増えた時が考えられます。

また、資金を投入して新技術を開発しているが、まだ利益には繋がっていない時などもあります。
ROAが低い=収益が低い会社、M&Aで見込みがない会社とは限りません。たとえROAが低くても、内訳を確認し、その理由を見極めることが必要です。

流動比率や当座比率と並行して分析する

ROAが5%以上の会社は優良企業の一つの基準とされます。
しかし、現実の会社には高いROAを出していても、負債に追われる自転車操業の会社も少なくありません。
経営が火の車のため、経費を限界まで削減し、高いROAをたたき出している可能性もあります。

そのため、ROAが高い=優良企業とは丸のみせず、流動比率や当座比率とともに分析しましょう。

流動比率とは、1年以内に現金化される資産(売掛金や受取手形、短期貸付金)と1年以内に支払い期限がやってくる負債(買掛金や支払手形、短期借入金など)を計算した数字です。

流動比率=(流動資産÷流動負債)×100

当座比率とは、当座資産と流動負債から企業の支払い能力を計算したものです。

当座比率=(当座資産÷流動負債)×100

ROAの高さと支払い能力は一致しません。必ず、他の指標も使い分析を行いましょう。

【まとめ】分析の一環にROAを取り入れて、正しい判断を

ROAは企業の経営状態を判断するうえで欠かすことのできない数字です。
しかし、高ければ収益性が高く良い会社、低ければ儲かっていない悪い会社と決めつけることはできません。高いことにも、低いことにも理由があります。

株式投資やM&Aを検討するにあたり、必要なのは正しい判断を下すことです。
そのためにも、ROAと他の指標も組み合わせて検討しましょう。ROAは会社の経営状態を把握する一つの指標として役立ててください。