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異業種M&Aで新規参入!大阪のリサイクル企業が見出したシナジーと新たな事業の柱

2026年01月21日

金属等のスクラップ・リサイクル事業を展開する「栄昇産業株式会社」は、2025年11月、創業50年以上の歴史を持つ「辻野建設株式会社」を譲り受けされました。リサイクル業界で約20年にわたり成長を続けてきた同社は、今回のM&Aで建設業界へ新規参入。その背景や成約までの経緯について、M&Aの交渉にあたった佐々木常務と陳工場長にお話を伺いました。


 

譲渡企業
社名 辻野建設株式会社
業種 建設業
拠点 大阪府
譲渡理由 後継者不在

 


 

譲受企業
社名 栄昇産業株式会社
業種 リサイクル業
拠点 大阪府
譲受理由 新規事業への参入

 


 

 企業概要 

栄昇産業株式会社
HP:https://www.eisyousangyou.co.jp/

2007年設立。鉄・非鉄金属・銅などの買取・加工・販売を手掛けるリサイクル事業を展開。大型粉砕・破砕設備を保有し、1時間当たり15〜30トンの処理能力を誇る。このほか、不動産事業やEC事業などを展開する複数の子会社を持つ。

 

M&Aで「コスト削減」と「新規事業への拡大」を同時に実現

佐々木様:「リサイクルを本業とする私たちが建設業に着目した理由は、大きく2つあります。1つ目は、『自社設備のコスト削減と効率化』です。当社では事業拡大に伴い、スクラップヤードや倉庫の拡張を進めてきましたが、これまではすべて外注に頼っていました。近年の建設コスト高騰を受け、これらを内製化することで、コスト削減と機動的な事業運営を実現できると考えました。

2つ目は『不動産事業とのシナジー』です。現在、当グループでは不動産事業に力を入れています。建設事業が加わることで、土地の売買、建物の建設・解体までを全てセットで栄昇産業グループ内でできるようになります。これにより、効率的な事業展開を行うことができるようになります。」

今回のM&Aにあたり、栄昇産業では交渉前の段階から「譲受する企業の基準」を明確化していました。その具体的な条件について、陳様はこう語ります。

陳様:「私たちがこだわる条件は3つありました。まず、我々の本社がある『大阪府内を拠点としていること』。次に、ある程度の規模の工事を自社完結できるよう『特定建設業許可のランクBまたはC』を有していること。そして最後に、財務面で『実質的なマイナスがないこと』。これらを必須条件として選定を進めました。」

これら3つの条件に加えて、買収金額の予算に当てはまったのが、辻野建設でした。

条件の一致だけでなく、社長のお人柄が大きな決め手に

写真)左:栄昇産業 代表取締役社長 松田浩毅様、右:辻野建設 代表 辻野祥治様

今回のM&A検討において、栄昇産業が面談を行ったのは辻野建設の1社のみ。その経緯について、佐々木様はこう振り返ります。

佐々木様:「まずはバトンズで買収金額やエリアなどの条件検索を行い、すぐにヒットしたのが辻野建設でした。基本情報を拝見した段階で、私たちが求めていた条件とほぼ合致しているように感じました。

その後、バトンズの担当営業の鈴木さんから辻野建設の詳細を伺い、条件と完全に合致していることが分かりました。辻野建設の本社がある泉南市は、当社の拠点である八尾市や大阪市とも距離が近い。さらに、『特定建設業許可』を有し、50年以上という長い歴史と実績がある。

これらの条件を経営陣で精査した結果、まさに理想的な相手であると判断し、他社との比較や面談は行わずに交渉を進めることを決めました。」

その後、辻野建設の代表である辻野様とのトップ面談を計4回実施。面談を重ねるごとに信頼関係が構築され、スムーズな流れで成約に至りました。

「もちろん、条件が合うというだけでM&Aは成立しません。私たちが決断した最大の決め手は、辻野社長のお人柄です。辻野社長は、私たちの質問一つひとつに誠実かつ正直にお答えいただきました。そして、これまで仕事や会社に注いでこられた情熱が、言葉の端々から伝わってきました。

このような素晴らしいお人柄の方が守ってきた会社であれば、安心して受け継ぐことができる。そう感じられたことが、最終的な決断につながりました。」

M&A成約後、辻野様とは1年間の引継ぎ期間(ロックアップ※)を設け、業務の移管や取引先・協力会社との関係維持を進めています。

※ロックアップ‥M&A実行後、売り手の経営陣などのキーパーソンが、一定期間会社に留まることを義務づける契約のこと。

M&A成功の陰にコンサルタントの存在。初挑戦を支えたサポート

初のプラットフォームを活用したM&Aであり、かつ異業種への参入を果たした栄昇産業。円滑に交渉を進められた背景には、M&Aをサポートしたバトンズコンサルタントの存在があったと佐々木様は語ります。

佐々木様:「バトンズの鈴木さんの存在は本当に大きかったですね。私たちは社長の知人から同業他社を譲り受けた経験はありますが、プラットフォームの活用や異業種のM&Aは未知の領域であり、不安も山積していました。

建設業界やM&Aの知識が不足している私たちに対し、鈴木さんは的確なアドバイスと提案でサポートしてくださいました。そのおかげで、両社間の信頼関係をスムーズに構築できたと感じています。」

陳様:「交渉の場では、辻野社長に対して失礼がないよう、私たちは細心の注意を払っていました。しかし、M&Aの経験が浅いので、『どのような質問が失礼にあたるか』の判断が難しい場面もありました。聞きづらい質問は鈴木さんを通すことで、失礼のない形で交渉を進めることができたと思います。

また、私たちが直接質問する場合でも、事前に『この聞き方で問題ないか』と鈴木さんに相談していました。それに対し、『こういう言い回しの方が意図が伝わりやすいですよ』と具体的な助言をいただけたため、安心して当日の面談に臨むことができました。」

建設業界のノウハウを吸収し、さらなる広域展開を目指す

今後、PMI(M&A後の統合プロセス)が本格化していきますが、佐々木様は「辻野社長へのリスペクトと信頼があるため、不安はありません」と言い切ります。初の建設業への参入となるため、謙虚な姿勢で売り手様からの教えをもらいながら進めていく構えです。

佐々木様:「まずは当社の経営層や幹部が、建設業のノウハウや知見をしっかりと学ぶことが第一です。その上で、有資格者などの建設業界経験者を確保し、組織を強化していく方針です。また、現在は大阪中心の営業エリアを、将来的には関西圏、そして東日本へと拡大し、より広域で活躍できる企業を目指しています。

今回の成功体験を活かして、主軸のリサイクル事業にこだわらず、幅広い分野でM&Aを有効活用していきたいです。M&Aで新たな事業の柱を創出し、グループの企業価値を最大化していきたいと考えています。」

栄昇産業株式会社のさらなるご活躍を、バトンズ一同、心より応援しております。

 

成約を支援したバトンズ 鈴木安夫のコメント
大阪信用金庫様のご紹介で、辻野建設様のM&Aをサポートさせていただきました。地理的な課題や業界の特殊性から、同業とのマッチングに苦戦を強いられることも予想されましたが、異業種である栄昇産業様から譲受意向があり、ご成約まで進めることができました。

 

栄昇産業様にとっては新しい事業領域への参入になるため、さまざまな検討要因がありましたが、譲り受け意志は固く、また条件面も柔軟にご調整いただいたため、私は建設業特有の論点整理のケアと、前向きな交渉のサポートに努めました。

 

加えて、知人以外では初めてのM&Aかつ異業種参入という栄昇産業様の不安を払拭するため、大阪府事業承継・引継ぎ支援センター様にクロージング面で現地サポートをいただきました。行政書士等の専門家のご紹介もいただくなど、信用金庫・支援センター・バトンズの3社連携で進めたことも、円満なM&Aとなった大きな要因になったと感じています。

 

また、栄昇産業様の辻野様ご夫妻への気遣いが素晴らしく、成約を左右する最大のポイントであったと思います。今後もM&Aを活用しながら事業拡大を目指す栄昇産業様のさらなるご発展を、心よりお祈り申し上げます。

 

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