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時代の変化と後継者問題に直面。医療機器卸会社が同業の成長企業へ譲渡した理由

2025年12月16日

動物病院向けに医療機器の卸売業を展開する「有限会社アリマ」は、2025年9月、同事業を展開する「株式会社セントラルメディエンスサプライ」への事業譲渡を実施されました。今回、譲渡企業の元取締役である有馬宏信様に、M&Aを選択した背景や今後の展望についてインタビューしました。


 

譲渡企業
社名 有限会社アリマ
業種 医療機器卸売業
拠点 東京都
譲渡理由 選択と集中

 


 

譲受企業
社名 株式会社セントラルメディエンスサプライ
業種 医療機器卸売業
拠点 東京都
譲受理由 既存商品・サービスの強化

 


 

 企業概要 

有限会社アリマ

1988年創業。創業者の有馬純一郎氏が動物病院の開業需要の高まりを背景に設立。呼吸用麻酔器など、動物用医療機器の卸売を主軸に事業を展開。2025年9月にセントラルメディエンスグループで医療機器や医療資材を取り扱う「株式会社セントラルメディエンスサプライ」へ事業譲渡。

 

動物病院向けに30年以上。厳しさが増す事業環境に直面し、M&Aを検討


創業者である純一郎様の1人体制で続けてきたアリマに、ご子息の宏信様が合流されたのは、今から10年ほど前。創業時から、アリマは動物病院への呼吸器麻酔器の卸売業を展開し、長年にわたり安定的な事業を続けてきました。しかし、市場環境の成熟化と競争激化に伴い、大きな課題に直面します。

「1990年代から海外で製薬会社間のM&Aが進んでいるのを目の当たりにし、『もしかしたら、いずれ日本でもこういう波が押し寄せるのかもしれない』と感じていました。」

国内市場が成熟化する中で、日本においても医療機器メーカーの合併が活発化。競合他社が事業の多角化、業務のデジタル化を進める中で、仕入れルートや営業方法が時代と共に変化し、小規模事業者では対応が厳しくなっていったと宏信様は振り返ります。

加えて、アリマが抱えていたもうひとつの課題が、事業承継問題。創業者である純一郎様が年齢を重ねる中で、時代の変化に対応するのが体力的にも難しさを感じていました。

「現状のままでは厳しいと感じていました。私たちのような小規模事業者は資金繰りも厳しく、人材含め投資する資金も限られるため、変化に対応していく難しさをと実感していました。」

こうした背景から、宏信様は純一郎様にM&Aを提案。具体的な検討のきっかけは、2019年頃のM&A仲介会社との出会いでした。

「前職の関係で、30年ほど前から新聞社が開催するセミナーによく参加していました。あるとき、お世話になった方からのお誘いで参加したセミナーで登壇されていたのが、M&A仲介会社でした。そこでご挨拶をして、後日WEB面談も行いました。それが、M&Aを考えるようになったきっかけです。」

「うちの規模でM&Aなんてできるのか…」BATONZで出会った成長企業

「M&Aの話を父にした当初、『うちの規模の会社でM&Aなんてできるのか…』と懐疑的でした。東京都中小企業振興公社にも相談して、そこでベテランの担当の方から『若い人もいる大きな会社で一緒に仕事を進めた方がいいのでは』とご意見をいただきました。そこで納得した感じでしたかね。」

純一郎様からの合意を得たのち、東京都中小企業振興公社からバトンズを紹介された宏信様は、本格的にM&Aへの動きを加速させていくことになります。

バトンズのサポートのもと、譲渡先候補となる企業のピックアップを行い、複数社とオンラインを含めた面談を実施。その中で、セントラルメディエンス グループ会社のセントラルメディエンスサプライが譲渡先の有力候補に挙がります。その決め手となったのは、将来的な成長と事業拡大の可能性だと宏信様は話します。

「譲渡先を選ぶ上で重視したポイントは、まず医療関連事業者であることと、運営体制です。セントラルメディエンスサプライさんは、グループ経営で多岐にわたる医療関連事業をされており、社員数も含め規模が大きい会社でした。また、社長の川西さんは若い方だったので、色々な面で可能性も広がるとも思いました。」

同社は動物病院向けだけでなく、一般的な病院向けの事業も手掛けていました。アリマの動物医療向けのノウハウを活かしつつ、事業の範囲が広げることができるという期待感があったと宏信様は振り返ります。

「動物病院向けの販路拡大を含め、医療分野のさまざまな領域へチャレンジしていこうというミッションを持って積極的に事業拡大を図られていました。それが私たちのM&Aのタイミングとして合致していた点も大きかったですね。同じ業界でもシナジー効果を期待できました。」

小規模事業者だからこそ、M&Aで成長と拡大を目指す合理的な選択

左から有馬宏信様、有馬純一郎様

「契約までは、見当から約半年ほどで進みました。バトンズさんの迅速なフォローアップが大きかったです。マッチングだけでなく、担当の方が交渉時もサポートしてくれましたから。やはり、オフラインにおける専門家の力を実感しました。」

事業譲渡の実行後、創業者の純一郎様は顧問契約を締結して現在も最前線で活躍中。宏信様はセントラルメディエンスサプライに再雇用され、純一郎様と共に動物病院の販路拡大を進めています。

「今までは父と私の2人だけでしたから、基本的に私が判断して進めていました。今は、十数人の方とチーム で動いています。仕事の進め方も異なりますし、まわりの方とのコミュニケーションが非常に重要となります。他の部署とも協力しながら営業活動も進めており、これからも動物病院の販路開拓と新たな領域拡大を目指していきたいと思います。」

現在、経理面などのバックオフィスは、セントラルメディエンスサプライの盤石な体制に一任。それにより、抱え込んでいた煩雑な管理業務からの解放と、顧客対応に集中できる環境へと移行しています。現在の仕事は、ベースは従来の動物病院向けの対応や営業活動がメイン業務。また、事業譲渡によって会社が変わったことで、取引先との口座変更や医療機器契約の巻き直しなど各種手続きは、今まさに進行中とのことです。

「我々のように、1980~1990年代に設立された小規模事業者は数多く存在すると思います。規模が小さいと、どうしてもM&Aなど縁がないと思ってしまうと思いますが、そこで躊躇する必要はないと思います。まずは相談してみることで、なにかキッカケが生まれるかもしれません。

小規模事業者は、資金面の苦労が常にあると思います。その解決をはかり、さらなる成長を目指すことができるのがM&Aではないでしょうか。」

長年にわたり築いてきた動物病院ネットワークをセントラルメディエンスサプライに譲渡し、新たなスタートを切った宏信様と純一郎様。今後のさらなるご活躍を、バトンズ一同、心より応援しております。

 

「成約をサポートしたバトンズ 川村悠大のコメント」
宏信様のお父様であり、アリマ社を長年支えてきた代表の純一郎様のご引退が迫る中で、アリマ社のM&Aに向けて当社にご相談いただきました。M&Aのご検討に際して、宏信様は本やセミナー参加を通じてM&Aを勉強されており、事業の将来に真摯に向き合っているのを感じました。

 

複数社の買い手候補企業から打診があった中で、セントラルメディエンスグループは共通の取引先や商材のつながりなど、不思議なご縁を感じることが多々あり、早い段階でお互いに信頼関係を構築されていました。

 

また、セントラルメディエンスグループはM&Aの経験も豊富で、事業成長に向けた具体的な営業戦略を、M&A実行前から立てられていました。今後、アリマ様が培ってこられた経験やネットワークを活用して、さらなる成長を遂げられることを心より応援しております。

 

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