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お客様一人ひとりの気持ちを花で届ける、花工房まりかのあとつぎ探し

2019年01月31日

誰かに喜びを伝えたい、気持ちを慰めたい、あるいは、そっと癒しを届けたい、こうした様々なお客様の気持ちに寄り添って花束を作ってくれる花屋さんがあります。渡辺みち子さんが42歳のときに横浜で創業した花工房まりかです。渡辺さんは28年経営されたのち、2018年9月に花工房まりかを譲渡されました。

花工房まりかで作られているプリザーブドのリース

42歳で起業。子育て中でも「自分の時間を楽しみたかった」

渡辺さんは、2人の子育てを行っていた30代の頃、フラワーアーティストの高橋永順さんに師事。草花を多く使った高橋永順さんのお花のスタイルに感銘を受け、約3~4年の指導を受けた後にお花に関するビジネスをしようと起業されました。創業当時は、旦那様の大反対を押し切って家の車庫で花工房まりかをはじめられたそうです。

起業した頃はバブルがはじけ2年目まで赤字経営でしたが、大学にはいって経営学を学ぶなど、地道に経営に取り組んだおかげで徐々に経営は軌道に乗りました。インターネット黎明期の1999年には、手探り状態のなかでお花のインターネット販売を開始。お客様一人ひとりに丁寧で繊細なお花を全国に届ける花工房まりかは、着実にリピーターを増やしていき、様々なお客様との出会いがあったといいます。

「あるとき、いつも買ってくださるお客様からお任せの花束の注文がありました。ところが、お花をお渡しするお相手の方は目が見えないというのです。その代わりに香りを楽しんで下さるということでした。目の見えない方だとしても、花をプレゼントしようとする姿に感動しました。

また、最近元気がない妻を励ますためにお花をあげたいという方が来られたことも。日常のほんの少しの気づきから、花を贈ろうと思う心遣いは素敵だと思いますね。他には、家族の法要のためにお花を買いに来られた方がとても気に入ってくれて、20年間変わらずお花を買いに来てくれるお客様もいます。

色々な想いを持ってお店に来られるお客様に、花を贈るお相手との間柄を聞いたりして、その人にあった花束を作ってきました」。

100%プリザーブドフラワーは、茎を一本ずつ付けていてまるで生花のよう。8色のカラーバリエーションからなる人気商品。

業績は順調、しかしお父様の介護が生活を考えなおす機会に

小規模とはいえ、丁寧で真摯な対応が評判を呼び会社の経営は順調でした。しかし、福島にいるお父様の介護をきっかけに、70歳になったらリタイアしようと渡辺さんは考えられたそうです。

「社員が増えた後の定着率も良く、店舗販売とインターネット販売を仲間と共に切り盛りしてきて、まだまだ元気だと思っていました。しかし、介護のために横浜と福島を往復しながらの生活。ふと自分の将来を考えなおしたとき、リタイアするにあたって私のなかには親族承継、社員承継、第3者承継、もしくは廃業というカードがありました。

長女が社員として働いていましたが後継者になることは考えていなかったようで、社員に跡を継ぎたいという人もいませんでした。そこで、『せっかく立ち上げた会社、廃業せずに済む方法があるならば』と、M&Aを視野に入れるようになったんです」。

ちょうどM&Aの知識を深めようと関連書籍を読んでいた時に、渡辺さんはバトンズの存在を知りました。2018年3月末に売り手登録をされ、それから登録直後の4月10日、早速、仲介担当者からマッチングの電話連絡があり、5月末にお相手となる株式会社FLEGREの藤井さんとのトップ面談を行うことに。

「トップ面談は喫茶店で行ったのですが、藤井さんにお会いした時の印象は誠実そうで、とても気を遣う人だなと感じました。屋号を残すことはこだわっていなかったのですが、藤井さんはそのままにして下さり、社員にも楽しく働いてもらえるように、との気遣いを感じられ嬉しかったです。この方なら安心して引き継げると思ったので、懸念はなくその場で決まりました」。

株式会社FLEGREは、新潟に拠点をおくEコマースを手掛けている会社です。花工房まりかのお花を作って売るノウハウを、事業の成長のために取り入れたいという想いで、今回引き継ぐことになりました。

約半年で成約。あっという間の出来事に最初は喪失感も..

成約するまでの期間はおよそ半年。9月20日に成約式が無事行われ、会社の引継ぎが完了しました。M&A後も、社員が今まで通り楽しく働くことができているのを見て、渡辺さんはホッとしたそうです。しかし、大事に育てた会社があっという間に自分から離れてしまったことに、当初は寂しさを覚えたといいます。

「自分が育ててきた会社ですから、こんなにスムーズにお話しが進むとは思っておらず、M&A直後は情熱を傾けられるものがなくなってしまい喪失感から抜け出せませんでした。でも、譲渡後も社員は引き続き働くことが出来て、花工房まりかの感覚も藤井社長のもと新たに若返ることができた。やはり譲渡してよかったと思っています」。

実は、花工房まりかの譲渡がスムーズに進行した理由に、渡辺さんが5年前から少しずつ財務諸表にある無駄の棚卸をして、準備を始めていたという経緯があります。会社をクリアにしたうえで、花工房まりかを譲受してもらおうという、潔い意思を感じます。M&A後、渡辺さんは早速、自分が情熱を注ぐことができる新たなライフワークを見つけ、挑戦をはじめているそうです。

「横浜で小説を書く勉強をはじめました。私の性格上、興味を持ったことには考えるよりもまず行動に移す。行動してみて、それから軌道修正していくという感じですね。これからの時間も楽しみにしています」。

M&A仲介担当者のコメント

私は、花工房まりかの渡辺様が、長年に渡り「お客様」や「従業員」のことを考え経営をされていたことをお会いしてすぐに感じ取れました。会社を譲渡するにあたり、その辺を大切にしてくれる経営者に譲渡したいという意思が明確であったことや、譲渡する何年も前から準備をしていたことがスムーズに成約に至った要因だと思います。また、譲り受けた株式会社FLEGREの藤井社長様も、そんな渡辺様の思いや、今までやってきたことを尊重してお話合いをされていたことも大きかったと思います。

人を大切にするという面でお互いの考えが一致し、又、商品やサービスも相乗効果が期待できますので、これから両社が同じ方向を向いて更に発展していくことと思います。渡辺様においては、これからも多方面でご活躍されることと思います。今後の人生がますます充実することを祈念しております。

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