1. 事業承継・M&AならBATONZ(バトンズ)
  2. 事業承継・M&A売り案件一覧
  3. M&A記事・コラム
  4. 業種
  5. エネルギー
  6. M&Aで拡大中のヤマウチが、ヨガ関連のEC事業を譲受!実績豊富な企業の事業戦略と成功のポイントとは

M&Aで拡大中のヤマウチが、ヨガ関連のEC事業を譲受!実績豊富な企業の事業戦略と成功のポイントとは

2024年03月11日

香川県高松市を拠点に置き、エネルギー事業を主軸に多岐にわたる事業を展開する「株式会社ヤマウチ」はこの度、株式会社108&Co.が運営するヨガ関連アイテムを扱うEC事業「108.Tokyo」を譲り受けされました。

ヤマウチは近年、数多くのM&Aを実施しており、会社を着実に成長させています。同社のM&A推進部門・ゼネラルマネージャーである金子様に、今回のM&A案件の背景や舞台裏、M&Aに対する基本的な考え方、そしてPMI(M&A成立後の統合プロセス)を成功させるポイントなどについて伺いました。


 

譲渡企業
社名 株式会社108&Co.
業種 EC事業(フィットネス関連商品)・ジム運営
拠点 神奈川県
譲渡理由 選択と集中

 


 

譲受企業
社名 株式会社ヤマウチ
業種 エネルギー事業など
拠点 香川県
譲受理由 既存商品・サービスの強化

 


 

【企業概要】

会社名:株式会社ヤマウチ
設立:1950年5月
売上高:382億円(2023年3月期)※ヤマウチグループ
従業員数1,989名(2023年2月時点)
代表者:岡本 将

 

積極的なM&Aにより、従業員約2,000名規模まで成長

1932年(昭和7年)に創業されたヤマウチは、石炭・石油・ガソリンなどのエネルギー事業を主軸として事業をスタート。1990年代後半以降は、外食産業やスポーツクラブ事業といった異業種にも積極的に進出し、時代の変化に合わせた柔軟な事業展開を行っています。

2011年には、子会社および孫会社13社で構成される「株式会社オカモトホールディングス(本社:北海道帯広市)」へ完全子会社化。現在の主要事業は、エネルギー、カーメンテナンス、スポーツ、介護、美容、フード、指定管理事業など多岐にわたります。

直近数年はM&Aにも積極的に取り組んでおり、スイミングスクール、フィットネスジム、介護サービス・高齢者向け施設など、主要事業とシナジーがある企業・事業を中心に複数のM&Aを実現。そして、2024年1月にバトンズを通じて新たに譲受したのが、フィットネス関連商品を扱うEC事業「108.Tokyo」です。

ヤマウチでは、現在少数のメンバーで構成されたM&A推進部門が設置されており、迅速なM&Aを実現する原動力になっています。M&A推進部門の金子様は、ヤマウチのM&A体制について以下のように解説します。

「現在、弊社では経営企画本部の中に、M&A推進部門を設置しています。この部門のメンバーは、代表岡本のほかに、実務担当として私と他1名が配置されています。我々はこの3名で、候補に上がった譲渡案件を基に、交渉を進めるべき事業か否かを精査しています。」

 

譲渡案件の選定には、オーナーの譲渡背景や想いも重視

これまで多くの成約実績を持つヤマウチですが、譲渡案件を選定する際にはどのような基準を設けているのでしょうか。

「業種の絞り込みでは、弊社の既存事業の領域だけにこだわらず、異業種も視野に入れています。選定する際には、譲渡企業様の現在の財務状況はもちろん重要ですが、事業を譲り受けた後の成長戦略やシナジー効果を明確に描けるかがより大切な指標となります。

我々はM&Aに取り組むにあたり、譲渡オーナー様がお持ちの従業員や事業への想いをしっかりと引き継ぎ、更なる成長を実現することが使命であると考えています。そのため、条件交渉では早い段階でオーナー様と直接コミュニケーションをとることを優先させています。」

オーナーの想いをヒアリングする中で、『こんな風に事業を成長させたかった』といった話が出ることもしばしばあるとのこと。このような要素も含めて、責任を持って譲り受けたいと思えるかどうかをポイントとしていると金子様は話します。

意向表明を提示する前段階では、譲渡オーナーの想いに共感すること、成長戦略とシナジーを描けることが必須としているヤマウチ。とくに事業承継型のM&Aに多く取り組むヤマウチは、M&A実施後も友好的な関係を築ける譲渡先であることを、譲受を決める基本方針としています。

 

「自分の娘を旅立たせて留学に行かせるような」との言葉にオーナーの強い想いを感じた

過去にもバトンズを通じてM&Aを成約しているヤマウチ。前回譲り受けた介護事業に続き、今回が二度目の譲受となります。同社が数多くの譲渡案件から「108.Tokyo」に興味を示された理由について、金子様は以下のように話します。

「弊社のスポーツ事業には、JOYFITというブランド名で全国展開しているフィットネスジムがあります。JOYFITの名前がついたジムにはいくつかの形態があり、ヨガをテーマにしたスタジオもあります(名称:JOYFIT YOGA)。

『108.Tokyo』はヨガ関連アイテムを扱うEC事業ですので、このヨガスタジオとのシナジーが見込まれると考えました。我々は店舗ビジネスはノウハウが蓄積されているのですが、空中戦であるインターネット活用はまだまだ発展途上です。

スポーツ事業内で既にEC事業に着手していますので、『108.Tokyo』のようなECのノウハウを有しているところと一緒になることで、成長が加速することを見込んで交渉を進めました。」

選定する際にオーナー様の想いをヒアリングしている金子様は、山田様との面談後、この事業についてどのような印象を持たれたのでしょうか。

「山田様は『108.Tokyo』をご自身の手でゼロから育ててこられた方です。ECサイトのプランニングを行い、自社商品を企画し、取引先様やご購入者と直接対話をしてここまで事業を成長させています。

今回のM&Aについては『自分の娘を旅立たせて留学に行かせるような気持ちだ』とおっしゃっていて、弊社のメンバー全員が、山田様が非常に強い想いで進めてこられた事業であることを感じました。その想いを我々がしっかり引継いで『108.Tokyo』をさらに成長させていきたいとお伝えし、交渉を進めました。」

 

M&Aは契約を締結するまで以上に、締結後の方が大事

M&Aは、実施直後がとくに大事であると強調されていた金子様。ヤマウチでは、そのM&Aが成功かどうかを判断する指標として、売り手・買い手・従業員それぞれが納得あるM&Aであることだと定義しています。

M&Aが本当に成功したと言えるのは、PMI(M&A成立後の統合プロセス)が順調に進んだ場合であると認識しています。我々の場合、理想はまず従業員をしっかり引継ぎ、退職者が出ない形と考えています。

そのために、譲受後のなるべく早い段階で従業員一人ひとりとコミュニケーションを図り、不安に感じられていることをヒアリングしたり、会社が考える優先課題を共有したりといった努力をしています。」

従業員を引き継ぐ場合には、『あのとき、ヤマウチと一緒になってよかった』とのちのち思ってもらえることがM&A成功の重要なひとつであると話す金子様。PMIをうまく進めるためのポイントである「売り手様との良好な関係性の構築」について、ヤマウチではどのようなことを行っているのでしょうか。

M&A成立前の段階で、オーナー様と十分な引継ぎ期間を設定することや、引継ぎ完了後の顧問契約について丁寧に話し合い、その内容を明確にすることを心掛けています

今回の『108.Tokyo』の場合、山田様に約2週間の引継ぎ期間をお願いし、その間、週に2回程度の頻度で弊社の東京オフィスにご来社いただき、実際の運営メンバーを指導していただいたり、対話していただいたりしています。

引継ぎ期間が終了した段階で、ほぼすべての業務を弊社内で遂行できる状態になりますが、業務を完全に理解したとは言い切れません。そのため、山田様には半年間の顧問契約をお願いし、弊社内で問題が発生した場合には、いつでも相談できる環境を整えています。」

 

■EC事業を譲受し、ヤマウチグループが描く今後の成長戦略

成長戦略やシナジーを明確に描いた上でM&Aに取り組んでいるヤマウチは、「108.Tokyo」の今後について、どのような成長戦略を考えているのでしょうか。

まずは、これまでのお取引様と良好な関係を築いていくことを優先課題と考えています。その上で、弊社が展開してきたヨガスタジオと連携しながら、『108.Tokyo』ブランドのウェアのレンタルや販売を通じて、業界内やエンドユーザーの認知を高めていきたいですね。

山田様は、『108.Tokyo』のヨガウェアを普段着としても使えるファッションアイテムとしてSNSで情報発信されていました。このような感性も受け継ぎながら、『ヨガのときに着るウェア』という前提を取り除いた、より多くの方々に利用いただける『108.Tokyo』をお届けしていきたいと思います。」

金子様のお話では、上記は現段階で岡本社長やM&A推進部が考えているものであり、スポーツ事業に携わるメンバーからさらに様々なアイデアが出てくるだろう、とのことでした。最後に、ヤマウチグループ全体の今後のM&A戦略について伺いました。

「弊社では現在、BtoCの店舗型サービスを数多く展開しています。これらの既存事業やその周辺事業は、M&Aによって拡大していく余地がまだまだあると感じています。これに加えて、注力できていなかったEC事業をM&Aによって強化していければいいと考えています。

今回の『108.Tokyo』は、その第一歩だと感じています。弊社は店舗型サービスでは実績がありますが、EC事業ではやっとスタートラインに立てたような感覚ですので、これから注力していきたいです。」

また、業容拡大に伴い、運営店舗数が増加しているヤマウチ。新規オープンやリフォームの設計・施工は、社内での実施が間に合わず業務委託を行っている部分もあるため、M&Aで内製化をより進めていきたいとも話されており、M&Aを含めた成長戦略を広く描いておられました。

ヤマウチグループの今後ますますの発展を、バトンズ一同心より応援しております!

 

M&Aや事業継承について、
こんなお悩みありませんか?
M&Aを検討しているが、良い企業に出会えない
小さな会社で、売却先が見つかるか不安
M&Aを進めたいが、何から進めれば良いか分からない
バトンズはM&Aの売り手と買い手を
つなぐマッチングプラットフォームです。
累計5,000件以上の売買を成立させています。
またM&Aを進めるためのノウハウ共有や
マッチングのための様々なサポートを
行わせていただいておりますので、
まずはお気軽にご相談ください。
誰でも会社を売買できる時代に、テレビで話題急増中

エネルギー 成約事例 既存商品・サービスの強化 買い手 香川