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広大なヒノキの山林をM&A。30年続いた林業を引き継いだ決め手は、知見と人柄だった

2023年12月11日

投資業・不動産業を運営するK社は、この度東北で土地開発事業を営むB社に山林業を事業譲渡されました。K社は、経営陣の一新に伴い事業の方針を検討し直す中で、30年以上運営してきた山林業の事業譲渡を決断。今回、K社の取締役である足立様(仮名)に、歴史ある山林業を手放すに至った経緯や、M&A交渉を経ての手応えをお伺いしました。

会社の方針を見直す中で、歴史ある山林業の譲渡を検討

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不動産事業を軸とするK社は日本各地に土地を所有しており、今回譲渡が成立した三重県にある約300ヘクタールの山林もその一つでした。

「山林というのは、木々の手入れをしないと価値が下がっていく一方です。そのため、現地に社員を置いて手入れと管理を行う必要がありました。

土地を持っているだけであれば、タイミングを見て売却することができたのですが、社員の継続雇用を条件として事業継続をしていただく譲渡企業を探していたので、簡単に手放すことは難しかったんです。」

しかし、数年前に経営層が一新したことに伴い、個別の事業の方針を見直すこととなったK社。今後、山林事業を続けていくかどうかも検討し直す方向へと進んでいきました。山林事業の運営方針について経営層で意見が割れる中、M&Aを担当された足立様は、事業を会社から切り離し、山林に精通した企業に引き継いだほうがいいと考えていました。

「譲渡した山林事業は、投下した資本に対して見合った利益が出てない状況でした。山林業というのは、木を植えて手入れをし、一定の価値が出るタイミングで切り倒し、市場や建材メーカーに販売をすることで利益が出るビジネスです。そのため、木が育つまで40〜50年ほど待つ必要があり、事業としては長期的な目線で投資をしていくものになります。

昭和~平成初期には利益がでていましたが、時代の変化と共に木材の価値も変わっています。山林事業のマイナスが会社全体に不利益をもたらすほどではありませんでしたが、個別に見たときにこれは健全ではないと判断しました。」

社内の経営層の話し合いは、『何とか立て直しを図って継続しよう』とする意見と、『事業を切り離そう』という意見に別れていました。足立様は、立て直しの方向も探りつつ、事業譲渡も視野に入れて今後の方向性を模索。M&Aの専門家にも相談を行い、「この事業の規模感であれば、専門家に依頼するよりもM&Aのプラットフォームを使用した方がいいのではないか」というアドバイスを受け、バトンズの登録へと進みました。

ニッチな業界の事業でありながら、予想を上回る70以上の企業からオファーが

Photo by iStock-1309115995

「登録した当時、バトンズさんには山林業の登録数がほとんどありませんでした。不安はありましたが、最終的に70以上からオファーをいただきました。プラットフォームの仕組み自体も、手厚いサポートで進めるというよりは、適宜サポートしていただきながら自分自身で進めていく仕組みだったので、僕の性格には合っていましたね。」

予想よりも多くのオファーが集まり、複数企業の代表者と面談を重ねた足立様。事業を譲り受けた後にどのような事業運営を行う予定か、交渉の中でビジョンや事業プランの確認を行っていました。

「今回の事業譲渡は土地だけではなく、自然資源である山林と、これまで管理を行ってきた社員も含めたものだったため、買い取ってから産業廃棄物所に転用されてしまうような展開は避けたいと考えていました。交渉を進める中で、本当にいろんな方とお会いしましたが、山林業そのものに向き合いたいというよりは、土地の転売が目的なのではないかと感じる方も、中にはいらっしゃいました。

異業種でありながら、『山林業にチャレンジしたい』という企業からのオファーも多くありました。未経験はダメだとまでは言いませんでしたが、山林業は歴史の長い業界なので、清濁併せ呑む経験値や懐の深さがなければ参入するには厳しいのではないかと考えていました

そのため、いくら思いがあってもこちらの質問に対して『やってみないとわかりません』と答えるような方はお断りをしました。最終的に4企業まで絞ったのですが、それらの企業は何かしらの共通項があり、先々のビジョンをしっかり描ける企業でしたね。」

最終的に4企業まで候補を絞って悩んだという足立様は、その中でも重機の取り扱いについての知見があり、山林事業への投資の肌感を持っていた土木の専門企業であるB社に魅力を感じ、事業譲渡へと進まれました。

M&Aも最終的には『人』の見定め。最低限のネットリテラシーがあれば、プラットフォームの参入障壁は低い

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B社の社長とは事前に事業のキャッシュフロー等の情報開示を行っていたことから、面談時はビジネスライクなやり取りを超えた話し合いができたと足立様は振り返ります。

「B社の社長は自分より一回りほど年上で、いい意味で『強かな方だな』という印象を持ちました。ビジネスとしての取引というよりは、思いのぶつかり合いという感覚があり、人間性を見られているようで緊張感がありましたね。

ですが、M&Aを希望する目的や意図を聞くにつれて、しっかり事業に投資をして山林を運営していきたいというビジョンと覚悟を持っておられることや、『この方は山林事業から逃げるような方ではないだろう』ということが伝わってきました。」

長年運営してきた山林業を手放すにあたり、社内での合意形成や、株主への説明のため、最終決定には一年ほど時間がかかったという足立様。B社は、そんな状況でも決定を急かすことなく、理解を示した上で決定まで待つ姿勢を示してくれたことも、最終的な決め手になったそうです。今回のM&Aについて、足立様は以下のように振り返ります。

「M&Aそのものは、交渉当事者ではありませんが前職で事業売却の経験があったので抵抗感はありませんでした。ですが、交渉には聞き慣れない用語が多かったり、各方面から取り寄せなければいけない資料が多かったりしたので、予想よりも苦労しましたね。特に山林業は歴史が長い分、過去のデータが全て紙ベースで、それを紐解いていくのが大変でした。

細かい資料や提示価格の吟味もありますが、人が人を見定めて決定する感覚は、営業職の経験と似ていました。大きさや規模感は違えど、M&Aも最終的には『人』が成否に関わる要素なのではないかと思います。」

今後は買い手としてのプラットフォーム活用も検討していると話す足立様。事業譲渡を終えた今、M&Aプラットフォームについての印象について最後にお話しいただきました。

「オンラインでのメッセージのやり取りや、オンライン会議ができる程度の最低限のネットリテラシーがあれば、プラットフォームを活用したM&Aへの参入障壁はとても低いと思います。

今回は売り手として事業を一つ手放しましたが、新規事業を始める場面があれば、買い手としての登録も検討しています。ご縁があれば、ぜひまたバトンズさんを活用させていただきたいです。」

足立様とK社の今後のさらなるご発展を、バトンズ一同、心より応援しております!

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