神奈川県で2店舗のネイルサロンを運営されている高野恵子様が、そのうちの1店舗を今回、バトンズを通じて事業譲渡されました。自宅でご友人に顧客になってもらうところからスタートしたという事業を、2店舗運営するまでに至った経緯や、1ヶ月足らずで契約調印まで進まれた背景など、今後の展望と併せて詳しくお伺いしてまいりました。
譲渡企業 | |
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スキーム | 事業譲渡 |
業種 | 美容・ネイルサロン |
拠点 | 神奈川県 |
譲渡理由 | 選択と集中 |
譲受企業 | |
---|---|
区分 | 個人 |
業種 | マッサージ・整骨院 |
拠点 | 神奈川県 |
譲受理由 | 新規事業への参入 |
自宅で始めて、そのまま独立企業!10年後には2店舗のサロンオーナーに
もとは一般企業に勤めるOLだったという高野様が大きくキャリアを変えたのは、今から10年ほど前の2012年頃。ネイルサロンのオーナーとして独立し、ご自宅の一室から事業をスタートされました。
当初はご友人を中心に常連顧客を集めていたそうですが、次第に口コミで評判が広がり、念願の実店舗をオープンされるまでに事業を成長させていきました。
「独立を考えるようになった最初のきっかけは、通勤に嫌気が指したという理由がありまして(笑)。もともとネイルに興味があったというのもありますが、金銭的リスクなども含めて、独立までの障壁が高くない、自宅で開業できるネイルサロンのオーナーを選びました。」
ご自宅の一室からスタートされたネイルサロンは、実店舗を2店舗構えるまでに成長し、現在は10年目を迎えています。10年という間サロン運営をされてきた中で、苦労された点についてお伺いすると
「やっぱり、新しい人を従業員に迎え入れる時は大変でした。一人でやっている分には自己責任でできますが、人が関わってくるとマネジメント面や経営面といった、別の能力も問われますので。その人にもこれまでのやり方や流儀があるだろうし、私たちにも私たちなりのやり方があるので、それを擦り合わせるのには苦労しました」とのこと。
また、事業譲渡を決断したひとつの理由についても「本来、こちら側が、自分たちの大切にしていることを採用面接時にしっかりと伝え、それを理解してもらった上で入ってもらうべきではあると思うのですが、なかなかうまくいかなくて。そこで、一旦は仕切り直そうと、ひとつの店舗を手放す決断をしたんです」とお話いただきました。
2店舗目の出店後は、集客などのリソースもそちらに割くようになったそうで、「閉じようとしていた第1号店は、自宅から遠く、小さい子供がいる状態では通勤に往復1時間30分というのは少し不便で。自宅から徒歩10分くらいのところに、第2号店を出店しました。
そういった理由もあり、自ずと2号店の方に集客を寄せていく形になっていき、1店舗目は新規集客などもせずリピーターのお客さんで回している状態でした」とのこと。
そんな中で、もともと2店舗を3人で回していたのですがそのうちの1人が急遽辞めることになったことも、手放す決断をした理由のひとつだったと高野様は話します。残っているスタッフ、そして高野様自身にも小さい子供がいる中で、新しいスタッフの採用と教育をしていくのはなかなか難しいと判断し、1店舗を閉鎖するために動き始めたのでした。
不動産契約更新日とのせめぎ合い、そのため最も重視したのはスピード感
承継先を探すにあたり、事業承継・引き継ぎ支援センター経由でバトンズを紹介してもらったという高野様。
「規模も大きい事業ではないので、もともとは閉店する方向で考えていました。そんな中で、たまたま良いタイミングで支援センターの方からご連絡をいただきまして。『事業譲渡などはお考えではないですか?』というお話だったので、できることならしたいという旨をお伝えさせていただきました。」
賃貸契約の更新まで、3ヶ月を切っていた譲渡対象店舗。もともと閉店を考えていたこともあり、更新日までに良い相手が見つかれば譲ろう、見つからなければ閉じようと決め、後継者探しをスタートされたのだそうです。
タイムリミットが迫っていたこともあり、譲渡先を選ぶ際にはスピードを最も重視していたそうで
「できればネイリストの経験がある方や、ネイルサロンの運営に関わっていた方に譲りたかったのですが、なかなかお互いの条件が合わなくて。お一人、経験者の方から問い合わせをいただいたのですが、やはりスタッフの引継ぎがないことがネックとなり決まりませんでした。
それでも興味を持ってくださる方もいて、結局、成約を決めたのはサロン未経験の方でした。もちろん多少の心配はありましたが、自信を持って『何とかします、やります』と言ってくださったので、手放すと決めたからには、自分があれこれ言うのも違うでしょうし、彼の言葉を信じることにしました。
それに、この案件は事業譲渡というか、居抜き譲渡という感じで、全て必要なものは揃っている状態ですから、上手に軌道にのせていただけたら有り難いなと考えています」とのこと。
『3ヶ月以内を目処に譲渡先を見つけようと決めていた』という高野様。バトンズに案件を登録されたのが今年の8月末、最終的な譲渡日が9月半ばだったということで、1ヶ月未満のスピード成約を有言実行されたのでした。
「次は事業が回っている形で譲渡したい」明るい未来に広がる今後の展望
今回が人生初のM&Aとなった高野様。そこで、M&Aを進める上で印象に残っていることについてお伺いすると
「何より、『うちの店、売れるんだ』ということですね。最後の月はリピーター様のみ、週2~3日平日17時までという条件で稼働しており月間売上が30万程度しかないくらいの小さなサロンだったので、買いたいと言ってくれる人がいるのか、本当に成約までいくのか半信半疑のところもありました。
だからこそ、閉店も念頭に入れて期限を決めて取り組みました。結果として、こうして短期間でも無事に譲渡先が決まったことは、本当に驚きました。
もしも、私のようにお店を閉めようと考えている方がいらっしゃったら、どうせ売れないだろうと諦めずに、ぜひ試してみていただきたいと思います。閉めるのにもお金がかかりますし、どうせなら、やりたいと思っている人に引き継いだ方がお互いのためですから」と笑顔でお答えいただきました。
今後はネイルサロンの運営だけにとどまらず、領域を広げてビジネス展開をしていきたいと熱を込める高野様に、最後にこれから先の具体的な展望をお伺いすると
「これまで出会ったスタッフの中には、独立を目指している方もいらっしゃいました。そういった方向けに、私が店舗を立ち上げて軌道に乗せた上で、彼女たちに譲っていくような形で独立支援をしていくスタイルもいいなと考えています。本当は、手間暇かけて大切に育てたスタッフが辞めていくのは困るのですが、今後のビジネスの広がりを考えると、それも選択肢のひとつだと思っています。
また、今回は時間的な制約条件がある中で契約を締結しなければなりませんでしたが、次回は売上規模も拡大させて、ちゃんと値がつく状態にまで事業を育てた上で、事業譲渡に挑戦しようと考えています」と、既に描き始めていらっしゃる明確なシナリオをお話しいただきました。
10年前は会社勤めの普通のOLだったと笑う高野様は、ネイルサロンの運営を基軸として多様なビジネス展開を創造する、クリエイティブな女性事業家でいらっしゃいました。
高野様の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同、心より応援いたしております!
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