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初のM&Aで異業種参入。100年以上続く空調設備業者が、経営の多角化を目指し観光地のパン屋を引継ぎ

2023年03月16日

100年以上に渡り、九州エリアで空調設備(ダクト)製造・施工を担ってきた株式会社オカザキ。業界内で九州一の受注量を誇りながらも、今後の会社の行く末を見据え、M&Aで事業経営の多角化に乗り出しました。今回一件目のご成約となったのは、九州有数の観光エリアに店を構えるパン屋「ベーカリーワークス」。異業種の事業継承に至った背景と、交渉の経緯について、事業責任者である太江田様にお話を伺いました。

 


 

譲渡企業
店舗名 ベーカリーワークス
業種 飲食業
拠点 熊本県
譲渡理由 体調不安

 

 

譲受企業
社名 株式会社オカザキ
業種 空調設備(ダクト)製造・施工業
拠点 熊本県
譲受理由 新規事業への参入

 


5〜10年先を見据えて、M&Aで経営の多角化を目指す

株式会社オカザキは、九州エリアで空調設備の製造施工の事業を展開する大手企業。創業から100年以上続く歴史ある会社で、売上規模は直近で12億ほど、社員は100名弱に上ります。

今回、M&Aで新規事業を開拓するにあたって責任者を担われた太江田様は、もともとは金融業界に従事しており、株式会社オカザキの担当者だったそうです。

「会長、社長との話の中で、ダクト業は今後5年程度は安泰だろうけれど、その先の見通しが不透明。更に今後も従業員を増やしていきたいが、ダクト業だけでは高齢化する従業員が働き続けるのは体力的にも厳しくなると思う。今後は本業とは違うサブ事業を展開する必要があるかもしれない」という話がありました。

「ただ、いきなり新規事業を展開するといっても、1から作っていたら非効率ですから、私が事業責任者として、M&Aを利用したサブ事業の展開をしていこうという話になったんです。」

​​ダクトの専門業者として、受注量・施工実績共に九州一を誇るオカザキですが、今後の産業全体の動向を見据えて、新たな一歩を踏み出しました。

決め手は立地とオペレーション。初参入の飲食事業でも勝算あり

メイン事業の補完を考え、経営の多角化を目指して検討し始めたM&A。数ある業種・業態の中でも「衣食住」に携わる企業でありたいという想いをもとに、譲渡案件を探索していました。

「弊社は、100年近く『住』に携わってきた企業なので、次は『食』の事業に挑戦しようという方針でした。そうして『飲食事業』で広く案件を見ているうちにたどり着いたのが、ベーカリーワークスさんでした。数ある飲食事業の中で、ベーカリーワークスさんの案件に魅力を感じたのは、『阿蘇』という地域の中で、遠方にお店を構えていたことです。」

ベーカリーワークスの店舗は阿蘇の中心地ではなく、そのパン屋に用がないと人が来ないような遠方に立地しており、その立地条件が魅力的に見えたと太江田様は言います。

「人気のパン屋というのは大きく2種類に分けられると思っていて、それは毎日通うパン屋と、SNSを見てから訪れるような観光スポットとしてのパン屋。うちのように新規事業として参入するのであれば、毎日通うパン屋ではおそらく同業に太刀打ちできない。要は、常連さんをたくさん作って売り上げを伸ばしていくっていうのはなかなか厳しいんじゃないかと推測しました。そこで、観光地として売上を立てていた、ベーカリーワークスさんに勝算を見出し、交渉に進みました。」

Photo by iStock-511807820

ちょうど一年前、ベーカリーワークスのすぐ近くにグランピング施設ができたことも大きな魅力だったと話す太江田様。そのエリアは元々、阿蘇の中で30年ほど前からペンション村があった場所で、今後も観光地としての需要は高いエリアであろうと見込まれたのだそうです。加えて、パンを製造する際のオペレーションについても、引継ぎを決める大きな要因となったそうです。

「私は金融業をしていたころ、大企業のFCから個人経営の小さいところまで、いろんなパン屋さんの担当をしてきたんですが、パン屋さんってどこも大変なんです。パン生地を作って、寝かせて、焼いて、もう寝る間もないぐらい働き詰め。その点、ベーカリワークスさんは、製造過程に一部外部業者を入れたオペレーションをしていました。」

べーカリーワークス代表の事業者様も、元々はサラリーマン出身。職人としてのパン屋ではなく、ビジネスとして成立するパン屋を運営するために、確立されたオペレーションをしていました。これなら、飲食初参入でも引き継げそうだと判断した太江田様は、事業買収へと踏み込みます。

「売主様は、いい意味で今風な方でした。多趣味でこだわりが強くて、SNSに強い。ベーカリーワークスさんは広告の宣伝媒体がインスタしかなかったのですが、かなりこだわって写真を撮ったり、投稿を作り込んだり。ご自身の多様なアイディアを生かしてインスタの運用をされていました。

それから、とてもフレンドリーな方だったので、周りのご近所付き合いも上手くされていました。引継ぎにあたって、『あの人は〇〇に注意した方がいいよ』ですとか、周りの方のこと詳しく聞かせていただけたのは心強かったです。」

本店舗を上手く運営していくための心得までレクチャーをいただいた太江田様は、ご夫婦で運営されていたベーカリーワークスの引継ぎに成功されたのでした。

目指すは総売上の10%。今後も事業戦略としてM&Aを積極検討

今後の事業展望は、サブ事業の展開を進めつつ、この先5年間で全体売上の10%をサブ事業で占められるところまで持っていくこと。その第1号店として受け継いだベーカリワークスを皮切りに、少なくともあと10事業は広げていきたいと意気込みます。

「今回M&Aプラットフォームを利用してみて、こんなに便利なのかと驚きました。M&Aの話はたくさん聞いてたんですけれども、金融の人間って『自分で実際にやってみる』という経験がほぼないんです。お客様に提案はするんですが、自分でやったことはない。今回、実際に買ってみたらあまりにスムーズで、M&Aのイメージが相当変わりました。

入り口はオンラインのやり取りでも、会いに行こうと思えば会いに行けますし、電話もできますし、ルールを守れば結構自由度は高いのかなと思います。金融業界での経験と比較しても、敷居が低く、手をつけやすかったですね。」

これまで、M&Aは手間がかかり大変だというイメージがあったという太江田様。実際には、ネット上で売り手様と繋がることができ、契約書類等の段取りもネット上でできる手軽さ。そして、登録されている売り手様の多さに驚いた太江田様は、事業戦略の一つとして、今後も積極的にM&Aに挑戦したいと語ります。

大切なのは、M&Aに取り組む前の「準備」。M&Aを通じて何をしたいのか

執務中の代表取締役「岡﨑大輔」氏

M&Aを無事終えられた太江田様に、交渉時に気をつけていたポイントを伺うと「具体的なイメージが掴めるまで現場を見ること」だとお答えくださいました。

「精神論で言うと、『やる覚悟』はどうしても必要かと思います。担当者が、諦めるか諦めないか。実務面で言うと、しっかりと現場を見ることですね。

具体的な事業のイメージがつく方は文書のやり取りだけで決められると思いますが、私たちみたいに引き継ぐ事業の運営イメージがつかない場合、何度も現場を見て、どんな人来ているのか、どの時間帯が混むのか等の現地調査をした上でスタートするべきだと思います

やっぱり客商売なので、ネットで全てを完結させようというのはなかなか難しい話です。現地調査が難しいなら、googleマップの現地情報を見るだけでも違うと思います。」

現地に何度も運び、事業の運営イメージをしっかりと描くことが大切だと話す太江田様に、最後にこれからM&Aを挑戦する買い手様に向けたメッセージをいただきました。

「ただぼーっと案件を眺めていても情報は落ちていくだけなので、見る前に準備をしっかりしておくこと。眺めてるだけじゃ、決めるのは難しいと思います。

大前提として、自分たちはM&Aを通じて何をしたいのか、どうすれば儲かるのか、費用はどれぐらいかかってどうやって捻出するのか、現場では他に何ができるのか。そこまで見通した上で、サイトを見るのがいいと思います。そうして考え抜いた上で、出会った事業と今後どんな展開ができるという視点で事業の中身をみていると、すごくワクワクすると思うんです。」

新たに飲食事業をスタートさせ、今後も異業種参入を目指すオカザキは、経営基盤を強化するべく、M&Aを積極的に活用しながら経営の多角化を推進していかれます。

 

株式会社オカザキ様の今後のさらなるご発展を、バトンズ一同心より応援しております!

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