不動産事業を主軸に起き、多様なビジネス展開を行っている「株式会社ライジングトラスト」が、今回バトンズで2度目となるM&Aを実現されました。現在まで9件ほどの案件でクロージングが完了しており、ネット・仲介共に買収経験が豊富なライジングトラスト。今回の売り手企業である「井口商事株式会社」を引き継ぐに至った背景について、M&A担当者の野嶋様(仮称)にお話を伺いました。
譲渡企業 | |
---|---|
社名 | 井口商事株式会社 |
業種 | ビル清掃・メンテナンス、リフォーム事業 |
拠点 | 東京都 |
譲渡理由 | 後継者不在 |
譲受企業 | |
---|---|
社名 | 株式会社ライジングトラスト |
業種 | 不動産 |
拠点 | 東京都 |
譲受理由 | 既存商品・サービスの強化 |
売却情報に広くアンテナを張り、輝く事業を見つけ出す
首都圏を中心に、複数の不動産関連企業を運営するライジングトラストグループは、事業用ビルや商用ビル、ワンルームマンション、海外のビーチリゾートなど、グループの総合力を生かし、幅広く事業展開をされています。
また、経営基盤を強化する手段として、M&Aを積極的に行ってきたライジングトラスト。今回のご成約を果たされるまでの直近1年半では、すでに5社と契約・締結しており、M&Aに精通された企業であることがわかります。
現在まで、約9社ほどの売り手企業と交渉をクロージングしていると話す野嶋様。9社のうちの3社は、バトンズ同様ネットを利用したM&A案件なのだそうです。
「ネットの強みは、手数料が安いこと。その反面、売り手も買い手もリテラシーが高くないと難しい」と仰る野嶋様は、良い譲渡案件があるかどうか、広くアンテナを張っており、バトンズの新着案件メルマガも常にチェックされているとのこと。
「バトンズさんでいえば、配信されるメルマガは全てチェックしています。もちろん、当社の事業である不動産に関わる案件であることや、予算面は考える必要がありますが、最初から特に絞り込むことはせず、全てに目を通した上で、何か引っかかるものがある企業をピックアップして、そこからさらに詳細を確認していっています。」
多くの情報が流れてくる中で、業種、利益、経営者がやりきれなかった将来の展望など、一つでも輝く部分があると、検討段階に入ることがあるとお話いただきました。
最終的な判断は経営者の人柄。信頼できると思えるか否か
メルマガをチェックする中で、井口商事の譲渡内容を見て興味を持たれた野嶋様。ビルの清掃・リフォームという、不動産に関わる業種であったこと、既存の取引先の質の高さを評価し、前向きに交渉を進める判断をされました。
「代表の藤田様に会ってお話をする中で、信頼できる方だなという印象を持ちました。事業を引き継ぐにあたり、私たちが一番大事にしているのは『経営者の人柄』です。
もちろん、売り上げなどの数字も判断材料にはなりますが、それがどこまで信頼できるものであるかは結局のところわかりません。『この人は嘘偽りなく話してくれている』と思える人じゃないと、話を進めるのは難しいです。」
すでに複数のM&Aを成功させている野嶋様は、M&Aの交渉を進めるにあたり『いかに安心してM&Aを進めてもらえるか』に気を配っているとのこと。
金銭的な面よりも、まずは相手の立場に立って考え、相手が何を優先しているのかを知ること。その上で、自社の事業に自信があることをしっかりとお伝えすることを意識されているそうです。
「引退が目的であったり、引退を見据えて事業を売却する方は、『従業員や既存の取引先との関係をスムーズに継続できるか』が第一優先になる場合が多いです。お金の話よりも、実際はそこの擦り合わせが最も大事なポイントになります。
当社は、不動産事業を分社して受け持っており、それぞれが持つ専門スキルが高いです。売り手様はもちろん、お客様にも決して損はさせない、失敗だったなと思わせないという自信があります。
会社の規模感、社員のスキルをアピールすることで、自信を持って事業を引き受けられることをご理解いただき、不安を払拭できるよう務めています。」
不安がある中ではモチベーションが上がらない。譲渡企業の社員に対してまず取り組むべきこと
引き継ぎ後に事業がスムーズに進むポイントのひとつに、譲渡企業の従業員との関係性構築があげられます。野嶋様は、M&A交渉の時と同様、まずは不安を払拭することから始めると言います。
「社員の方がまず気にされるのは、買収されることにより給与や雇用条件、出勤体系が変化するのかどうかですよね。私たちはその企業の現在の状況から改善することはあっても、改悪することはない、ということをまずお伝えします。
その上で、当社のフィロソフィーや考え方、会社の方向性を説明させていただくようにしています。いくら、『一緒に頑張っていこう!』ときれいごとを言っても『給料が下がるかもしれない』『休みが減るかもしれない』という不安がある中では、モチベーションが上がりませんから。」
M&Aは、その先のお客様のためであり、従業員のためであり、そして経営者自身のよりよい人生のため。
『とにかく高く買って欲しい』という、経営者の懐のみ潤うような案件は、自社の経営方針には沿わないと野嶋様は断言されています。お金の話が先行するのではなく、適正な価格で、関わる全員にとって良い成約になるよう、M&Aに取り組んでいるとおっしゃっておられました。
M&Aは可能性に満ちている。積極買収で、社会貢献の一助に
買い手側には、事業拡大に向けて何社も買収を行い、経験値が豊富な会社がある一方で、売り手側は何度も売却経験している会社は非常に稀で、どうしてもM&Aに対する経験の差が生じるケースがあります。そのため、詳しい交渉に入る前に、売り手側から買い手側にM&A経験の有無を聞くのも手だと野嶋様は話します。
「買い手の中には、買収に慣れたパワーバイヤーもいます。売り手は買い手にこれが何度目のM&Aなのか、今までどういうM&Aをしてきたのかを最初に確認し、信頼できる会社かどうか見極めることも大切だと思います。
無事成約しても、その後の事業がうまくいかなかったら、お互いのためになりませんから。M&Aが初めてであればアドバイザーをつけることを検討してもいいかもしれないですね。」
バトンズを通じて既に2社の買収を実現されたライジングトラストは、今後もM&Aに積極的に取り組んでいかれるとのこと。そんなライジングトラストの今後の展望について、最後に野嶋様に伺いました。
「M&Aによって我々のウィークポイントを補完したり、同業他社を買収することで社員全体の負担を減らしたりと、M&Aは可能性に満ちています。今回の案件のように、引退を考えていらっしゃる経営者様の事業を引き継ぐことで、後継者不足などの社会問題にも貢献できたらうれしいです。世の中には無数に会社があります。買収する資金が有る限り、M&Aは永遠に続けられますから。」
今後もM&Aをひとつの手段として、企業成長をはかるライジングトラスト。
株式会社ライジングトラストと井口商事株式会社の今後の更なるご活躍を、バトンズ一同心より応援しております!
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