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ベンチャー企業の新規事業開発の進め方とは

2022年03月25日

ビジネスのトレンドの移り変わりの激しい昨今においては、「今からデジタル新技術を活用した事業開発を進めなければ、時代の潮流に取り残されてしまうのでは」と危機感を抱いているベンチャー企業も多のではないでしょうか。

今回は、すでに経営に関する基本的な知識を有しているベンチャー企業を経営している起業家、または将来的にIPO(株式上場)やM&AによるEXITを検討しているベンチャー企業を対象に、新規事業開発の進め方について解説していきます。

新規事業開発が活発に

最近ではベンチャー企業においても「AI」、「IoT」、「FinTech」など、デジタル新技術を活用した新規事業開発の取り組みや、事業提携・M&Aが実施された報道を目にする機会が増えました。

人口減少・内需縮小等、日本の経済社会にとって厳しい状況が続いているなかで、経済成長を維持していくためには新規事業開発によって付加価値を創造していくことが強く求められているからです。

 

ベンチャーの事業開発が失敗するパターン

ベンチャーによる事業開発が活発になっている一方、当然ながら失敗に陥る事業もあります。それでは、どういった事業開発が失敗に陥るのか、特徴を見てみましょう。

資金不足

ベンチャー企業の成長過程を、研究開発・事業化・産業化の各成長段階のステージに分けて考えてみます。

保有している技術をもとにして、製品を作るところまでは比較的順調に進んでいくものの、その後の本格的な商品化していく段階において、とりわけ創業間もないベンチャー企業の場合は資金ショートとして顕在化するケースがあります。

 

ノウハウ不足

これまでベンチャー企業においては、新規事業開発をするに際しては、内部の資源のみに依存する傾向がありました。したがって、新規市場や新規技術などに関するノウハウや情報をほとんど持ち合わせていないために、手探り状態の経営を余儀なくされることになりますので、その分失敗する確率が高くなってしまうのです。

 

ベンチャー企業の資金調達方法の特徴

一般的にベンチャー企業はその成長段階によって、創業期であるシード期創業直後であるアーリー期事業が軌道に乗り始める時期であるミドル期ビジネスモデルや組織が確立し経営が安定する時期レイタ―期の4つのステージに分類することができるのですが、これらのステージごとに必要な経営資源ヒト・モノ・カネ・情報が異なります。新規事業を創業する場合は、ステージごとに必要な経営資源について理解することが重要になります。

シード 創業期の段階においては、ビジネスモデルやコンセプトはすでに決まっているものの、具体的な製品・サービスにはなっていないために、資金需要はそれほど大きくありませんが、法人登記費用や事業計画を具体化するための人件費などの最低限の資金が必要になります。

アーリー

創業直後の段階においては、顧客の認知度が限定的であるために、売上高や利益は少ないものの、運転資金・設備資金・販売促進費などに多くの資金を必要とします。しかし、事業のリスクが大きくかつ創業間もないことから、社会的な信用も乏しいという状況になります。そのため、資金調達をする場合においては、銀行等の金融機関からの融資を受けるという間接金融は困難なので、自己資金に加えて、日本政策金融公庫等政府系金融機関からの借り入れ・エンジェル投資やベンチャーキャピタルからの投資などによる資金調達などを組み合わせて資金調達を行うことになります。

本格的な事業展開を前にして、特許権などの知的財産権の取得などの準備も必要になることに伴って、資金需要が高まってくる時期です。したがって、大企業からの受注や、本社からの資金援助を視野に入れるなど、柔軟な資金調達を考慮しながら進めていく必要があります。

ミドル

事業が軌道に乗り始め、本格的に事業展開していく時期においては、売上の拡大やサービスの充実を図っていくために、追加の設備投資や人材を確保していくことが必要になります。売上高が固定費を上回って利益が出るようになると、社会的な信用も増して民間金融機関の借り入れがしやすくなりますし、またベンチャーキャピタルからの投資も受けやすくなります。

レイタ―

ビジネスモデルや組織が確立して経営が安定してくる時期においては、フリーキャッシュフローも黒字化して累積損失も一掃し、新規株式上場(IPO)を検討する時期でもあります。資金調達のハードルが下がり、銀行等金融機関からの融資や株式投資による資金調達など資金調達の方法が多様化してきます。ちなみに株式の非公開を前提とする場合には、民間金融機関からの借り入れや複数の銀行から資金調達するシンジケートローンの実施などが資金調達の要となります。

新規事業開発においては、企業の各成長ステージにおけるポイントを理解して、また出口戦略をも考慮しながら実施していくことが重要です。

取引先や金融機関に対して、株主・第三者に新株を発行して資金調達する「第三者割当増資」を実施し、資金を調達することでIPO(株式の上場)を目指した事業開発を展開していくのか。あるいは株式非公開のままで企業グループの活性化につなげていくのか。はたまた投資するのを諦めて企業を売却するのか、など…

なにが自社の事業戦略において最も重要か、総合的に判断し資金調達の方法を選択することが重要です。

 

資金繰りで気を付けること

資金繰りが悪化する原因には、赤字の状態が続き固定費の支払いが困難になることが考えられます。また売上が大きく伸びたとしても、入金と支払いの時差によって、資金繰りが悪化することがあります。

資金繰りを改善するには、事業の内容を改善していくことは必須ですが、そのために最初に着手すべきことは、手元の資金を把握すること、そして数ヶ月先の資金状況を推し量り、そのために資金繰り表を作成することです。

資金繰りを正確に試算するためには、売掛金など現金化されていない資産を見つけるために、貸借対照表の資産の部をチェックすることも忘れないようにしましょう。さらに放置されている大量の在庫などがあるかどうか、あるいは生産活動に活用させていない固定資産などのチェックも必要です。

資金調達のためには、条件や審査がありますが、国・地方自治体の補助金や助成金もチャレンジする価値があります。また、第三者割当増資という方法も考えられます。つまるところ、経営難に陥らないように、常に現在の資金の状況を正確に把握し、将来の資金の出入りを予想して資金不足に陥らないように資金繰り対策を講じることが重要になります。

 

オープベーションでの事業開発

オープンイノベーションは当初、産学連携による研究開発を行うことによって、社内で閉じた研究を行うよりもスピーディーに多様な新技術を獲得して、イノベーションを起こすことを目的として始まりました。

ところが現在においては、新規事業創出におけるアイデアや人材活用、企業間の提携を含む幅広い外部リソースの活用と内部リソースの外部化を指すようになってきました。これは、オープンイノベーションの創出方法が成熟し、インバウンドにとどまらず、アウトバウンドや企業間の協働・連携が増加してきたことが背景にあります。

すなわち経済のグローバル化によって、わが国の企業を取り巻く競争環境は日々激しさを増しており、次々と新しい製品(商品)・サービスが開発され、プロダクトライフサイクルが短期化されていて、盤石な競争優位性を確立することが困難となっています。

そして個別企業においては迅速な研究開発が求められるようになったため、従来通りのクローズド・イノベーション(自前主義)だけでは十全に対応することができない事態になっています。オープンイノベーションはあらゆる枠組みを超えて、新たな技術やアイデアを短期間のうちに集約することによって、製品(商品)・サービス(ビジネスモデル)を創出することを可能にするイノベーションなのです。

クローズド・イノベーション(自前主義)の成功体験が強く根付いている企業では、より強くオープンイノベーションを実施する必要に迫られています。そのため企業経営陣にとっては、明確な意思決定や、オープンイノベーションを実施・推進していくための組織を構築することが求められています。

大企業と提携するベンチャーのメリット

大企業と提携してオープンイノベーションを実施する場合は、ベンチャー企業側は以下のようなメリットを得ることができます。

・大企業のブランドネームを活用することができる

・資金を獲得することができる

・市場・顧客を大幅に拡大することができる

 

ベンチャー企業は開発力を持っていても、知名度が低いためブランド力に乏しいため、相応の顧客を獲得できないことがあります。

大企業の名前が使えることで顧客に認知されるようになります。

ブランドのみならず、資金、設備、顧客など、ベンチャー企業が独自で持っていないリソースを使えるようになることで、イノベーションを起こす環境を整えることができます。

ベンチャーと提携する大企業のメリット

大企業にとって、ベンチャーと提携するメリットは以下の2つです。

一つ目はプロダクト開発をスピードアップできる点ベンチャーの持つ開発力や人材の力を活用することで開発スピードを向上させることができます。

二つ目は企業内部を活性化できることです。ベンチャーの推進力がある人材が企業に入ってくることで、大きくなって保守的になってくる企業文化に変化をもたらすことができます。

このように、オープンイノベーションには双方にとってメリットがある方法です。

バイアウトを視野に

バイアウトとは株式を買い占めることや企業を買収することであって、具体的には経営陣や従業員が所在している企業や事業部門を買収して独立するMBO(Manegement Buyout)や、買収先の資産やキャッシュフローを担保にして資金調達をすることによって買収を行うLBO(Leveraged Buyout)などが代表的なものとして挙げられます。

成長していくことが見込まれる未公開企業や業績不振に陥っている上場企業を買収し、企業経営に積極的に関与することで企業価値を高めていき、そのうえで、株式を公開(上場)することや、売却することによって利益を上げることを目的としている投資ファンドのことをBuyout fund(バイアウトファンド)といいます。

つまりイグジットとは、創業者が起業のために投資した資金を回収するための手法のことです。従来の日本においては、株式を新規に公開して市場で取引すること(IPO)が主に行われましたが、近年においてはM&Aを活用したイグジットが増えてきています

ちなみに、アメリカにおいてはすでに以前からM&Aによって投下資金を回収する手法が主流となっています。

株式の買取価格の算定方法は複数存在しますので、自社に不利益にならないように慎重に検討して把握することが重要になります。

 

ゴールを設定して新規事業開発を成功へ導く

かつてはベンチャー企業が目指しているゴールは、傾向としてIPO(株式の上場)による出口戦略が主流でありました。株式を上場して資金を調達し、事業をさらに拡大させていくことを目標とします。つまり1年でも早く株式を上場させようと、企業を短期間で成長させ、発展させていこうとする戦略を取るベンチャー企業がほとんどでした。しかし、株式を上場させるまでの間に必要とする資金や時間が十分ではなかったがために、挫折してしまうベンチャー企業が大半であるというのが現状です。また株式を上場させたとしても、それまでの経営方針から上手く切り替えることができないで苦しんでいるベンチャー企業も多数存在しています。

このような時代背景のなかで、最近においてはIPO(株式上場)による出口戦略ではなく、M&Aによる出口戦略の方を目指していくベンチャー企業が増えてきています。かつての起業家は自分の企業に対する愛着が強いという傾向があり、たとえどんなに経営が苦しくてもバイアウトだけは拒否するというスタンスで、M&Aに対しては懐疑的でありました。

しかし、IPOよりもEXITのハードルが低いことや、すぐに創業者利潤を得られることから、M&AによるEXITを選ぶ企業が増えてきています。

立ち上げた事業はIPOを目指すのか、M&Aを目指すのか、ゴールを設定し事業開発に臨みましょう。

 

 

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