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新規事業M&Aと本業拡大M&A、連続買収を会社の拡大につなげるのコツとは?

2021年08月18日

東京都港区でECサイトの運営や広告事業を営む株式会社レバーンの匹田様は2021年5月、20〜30代女性向け衣料品の通信販売を運営する合同会社HBを買収し、さらに7月には東京都渋谷区で約20年にわたり不動産専門(マンション、戸建、ビル等)の広告制作事業を営んできた有限会社アドノット・クリエイツを買収されました。今回は、有限会社アドノット・クリエイツを買収された経緯と、今後の戦略についてお伺いしました。


 

譲渡企業
社名 有限会社アドノット・クリエイツ
業種 広告事業
拠点 東京都
譲渡理由 後継者不在

 


 

譲受企業
社名 株式会社レバーン
業種 広告事業など
拠点 東京都
譲受理由 業容拡大

 


親族内承継でお父様から引き継いだ株式会社レバーン

先代の創業当初、「アートスタッフレバーン」時代

匹田様はWebデザイナーの専門学校を卒業後、企業でWebディレクターとしてお勤めになっていました。数多くのプロジェクトに携わり活躍されて、Webディレクターとしてのキャリアを着実に歩まれていたまさにそのタイミングで、突然お父様が体調を壊されます。

お父様は家業である、不動産関連の広告事業を営む株式会社レバーンを背負う社長。そのカリスマ性で長く会社を引っ張ってきた方でした。業種柄、社員は全員クリエイター。社長一強でやられていた経営でしたが、一気に不安定になってしまいました。胸を痛めた匹田様は、副社長としてサポートに入りますが、残念ながらお父様は他界。本格的に匹田様が株式会社レバーンの社長として、会社の舵取りをしていくことになります。

匹田様は30代の時間のほとんどを費やして経営改革に取り組みました。凝り固まった広告業の会社をイノベーションしてIT寄りの思考に変えていくこと。自ら営業として毎月100件以上の飛び込み営業をして仕事を取ってくること。会社の変革を受け入れることができない幹部社員とは個別にじっくりと時間を使って面談し、喧嘩をしても膝を突き合わせて対話するなど、会社のために一生懸命に働いていました。

そうした努力を重ねて少しずつメンバーからの信頼を得ると、次は新規事業としてキャラクターのライセンス事業を軌道に乗せます。途方もない努力と行動力で会社を夢中で引っ張ってきて、気付けば10年で30名規模の会社へ成長していました。すると今度は、新しい事業の立ち上げに向けて、社内のノウハウ不足と人材不足に直面します。

そこで考えたのがM&Aを利用した業容拡大でした。

新規事業としてのM&Aを終え、本業拡大のためのM&Aヘ

現在の株式会社レバーン

革製品のバッグを取り扱う企業の買収や、20~30代の女性向けECファッション企業を買収し新規事業を立ち上げていく中で、やはり本業である不動産広告事業の足元も固めていかなければならない。そう考えた匹田様は、東京都渋谷区で約20年にわたり不動産専門(マンション、戸建、ビル等)の広告制作事業を営んできた有限会社アドノット・クリエイツにバトンズでアプローチをしました。

不動産の広告を中心に制作している会社は業界でも少なく、M&Aといかないまでも、パートナー企業を見つけるにしても難しい状況ですが、有限会社アドノット・クリエイツは株式会社レバーンにとってまさにピッタリと言えるお相手でした。

取引のあるクライアントの質が同一であるにも関わらず被っていない。そして、株式会社レバーンにはノウハウがなかった、クオリティの高いCGやドローンを使った空撮など、テクノロジーを駆使した広告制作を得意としていたことも大変魅力でした

有限会社アドノット・クリエイツの代表である伊東様は、元々デベロッパーにいた方で、会社自体は創業20年ほどですが業界歴は約50年程昔からの広告の良し悪しをよくわかっている方である、というのも仲間に加わってもらいたいと考えた大きな理由の1つであったといいます。

M&Aの交渉自体は、まさに「とんとん拍子」で進み、お互いに今回のM&Aに対して魅力的に感じて前向きに捉えていたそうです。

スモールM&Aで気をつけるべきポイントとは?

Arek SochaによるPixabayからの画像

今回、短期間に連続して買収を重ねてきた匹田様。今後、匹田様のように新規事業目的で小さな事業や会社を買収していきたい社長も多いはずです。それでは、スモールM&Aを自分で進めるケースにおいて注意しなければならないポイントはどこにあるのでしょうか。

1人で経営している事業体や小規模の会社で一番手をかけていかなければならないのは「仕分け」部分だといいます。どうしても個人の家賃や食事を経費にしていたり、私用車を会社のリースにしていたりと、会社の経費と個人の生活費が混ざってしまっているケースが中にはあります。まずは会社の経費と個人の費用を仕分けして、実際にどれだけ営業利益が出るのかを整理した上で、売り手と交渉を進めていくのが最適でしょう。

また、年金や税金の滞納がないかという部分も、M&Aアドバイザーに依頼しないM&Aではよく確認しておく必要があります。これがあると、銀行から融資が受けづらくなってしまうことはもちろん、頻繁に税務署が入る、なんてこともありますので、しっかりチェックをしておきましょう。

変化に強い組織だからこそ一人ひとりの力が会社としての成長になる

株式会社レバーンの匹田社長

8月上旬から、有限会社アドノット・クリエイツは、株式会社レバーンのオフィスへ引っ越しになります。既存メンバーはM&Aにより入ってくる新しい風をどう受け止めているのでしょうか。

匹田様のお話によれば、これまで株式会社レバーンでは、以前に独立した方が社員を何人か連れて戻ってきたり、パートナー企業を社内常駐させていたり、大学生や専門学生をインターンとして受け入れていたりと、外部の方々を盛んに受け入れて交流してきた歴史があるそうです。「みんな、慣れているんだよね!」と明るい笑顔でおっしゃる匹田様から、株式会社レバーンのダイバーシティさを大いに感じました。

今後のM&Aについては、まずは買収は一旦お休みで、PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)をしっかり行い、統合作業をされていくそう。ただ、今後も事業の拡大に力を入れていかれるので、2021年11月にはまたサーチを開始されていくのだとか。

バトンズ一同、株式会社レバーンの今後の事業拡大を応援しております!

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