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コロナ禍で急増するECサイトのM&A、ECサイトの概要からM&Aのメリット・デメリットを解説。

2021年06月08日

インターネットの普及に伴い、ECサイト業界の市場規模は年々増加傾向にあります。特に、コロナ禍で在宅時間が増加したことにより、ECサイトの利用者数も急激に増加しました。

そんな中、「ネットを利用して販路を拡げたい」、「実店舗はないが、売りたいものがあり販売手段を探している」と考えた企業や個人も少なくないでしょう。

今回は、ECサイトの概要からM&Aによるメリット・デメリットについて解説します。

ECサイトの基礎知識

Photo by Pixabay

ECサイトの市場規模は2010年以降、常に前年比プラス5%以上の成長が続いており、注目を浴びる業界の一つとなっています。

そもそもEC(Electronic Commerce)とは、ネットを通じて行われるモノやサービスの売買の総称であり、電子商取引を行うサイトはすべてECサイトとなります。つまり、ECサイトとはネットを介する、モノやサービスの販売・契約サイトのことです。(例えば、総合ショッピングサイト、有料の動画配信サイト、出会い系サイト等)

ビジネスの大まかな全体像としては、自社サイト型(=地域の小売店)とモール型(=百貨店)に二分されます。ECサイトのM&Aは、特別難しいものではなく一般的なM&Aと相違はありません。

現在では、ショップのひな型や店舗管理システム等が用意されているため、ITの知識が無くても簡単にECサイトの作成・運営ができるようになっています。

ECサイトの仕組み・理解のポイント

Photo by Pixabay

事業理解のポイントは、主に「商流・集客状況・物流」の3つに分けられます。

商流

ECサイトの多くは、モノを仕入れて売るといったパターンになります。そのため、仕入れ先や販売先、商材、得意なジャンルについて理解する必要があります。

集客状況

サイトを立ち上げてからは、自社サイトへ呼び込むための仕組みづくりが重要になります。確認すべき点は、SEO(検索エンジン最適化)の対策状況・Web広告の出稿状況・リピート率です。

SEO対策とは、Google等である商品について検索されたとき、自社企業の商品情報の表示順位が上にくるように対策することです。SEO対策では、サイト内の文字数であったり更新頻度等が意識されます。

また、有料の広告を出すことで該当するキーワードが検索されたときに、自社のページを一番上に表示されるようにする方法もあります。

その上で重要になるのが、いかにリピーターを増やすかです。新規のユーザーの獲得には、多くの集客コストが必要になりますが、リピーターはコストをかけることなく商品を購入してくれます。そのため、リピーター率はM&A時の評価において重要な指標となるので確認が必要です。

物流

ECサイトの運用においては、商品を発送するスピードが重要になります。特にモール型ショッピングサイトへの出店は発送スピードが求められることに注意しましょう。

ECサイトのM&Aのメリット・デメリット

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メリット

オフライン企業とオンライン企業のシナジー効果

ネットに弱い企業が、ネットに強い企業をM&Aすることで大きなシナジー効果を生み出すことが期待できます。例えば、自社製品に強みのある企業がM&Aを実施してECサイトを買収すれば、販売チャネルの拡大により、一気に収益アップが見込めるようになります。

実際、実店舗販売(オフライン企業)の場合、営業時間が決まっていたり、悪天候の時に売り上げが落ちてしまうということもあります。

しかしECサイトは、時間の制約がない上にコロナ禍や悪天候の時こそ売り上げが上がります。そのため、IT戦略に弱い企業がECサイトをM&Aすることで、足りない販売チャネルを補うことができ顧客動向を幅広くカバーできるようになります。

業歴差による相乗効果

インターネットに強い企業の場合、業歴が短い会社であることが多く、仕入単価が高くなる傾向にあります。

ただ、オフラインに強い企業は業歴が長い傾向にあるため、仕入れ単価を抑えることができているケースが多いです。そのため、M&Aするだけで仕入れ値を安くすることができ大きなシナジー効果を期待できます。

時間をお金で買えるメリット

オフライン企業が、ECサイトを一から立ち上げたとしても効果が出るまでに長い時間を要することになります。

仮にECサイトを立ち上げてみても、SEO対策が不十分であると利用者数が一向に伸びないといったケースがあります。そのため、ECサイトが実際に機能するまでには多くの時間と費用が掛かることになります。

そこでM&Aによって、すでにECサイト運用の基礎が整った状態で事業をスタートできれば、軌道に乗るまでの時間を短縮でき、事業参入初期の失敗リスクを抑えることが可能になります。

デメリット                      

希望売却価格が高くいケースが多い

ECサイト業界のM&Aにおける一般的な相場は、サイトの売り上げから原価と販売管理費を引いた営業利益の2~3年分といわれています。ただ、ECサイトを運営している社長の年齢層が低い傾向にあることから、売却希望価格が高くなるというデメリットが存在します。

後継者不在の事業存続や従業員の雇用継続を目的としたM&Aではなく、売却資金に重点を置いたM&Aである場合が多いためです。ECサイトの買収を考える際は、適正価格を見極めて交渉を進める必要があります。

景品表示法の規制

ネット特有のリスクとして、過去に消費者とのトラブルや行政指導を受けていないかを確認する必要があります。例えば、異なった原産地を表記していたり、違法な宣伝をしていた場合に行政から指導が入ることがあります。

このような点に対して、過去に消費者とトラブルがなかったか、行政指導を受けていないかを十分に確認する必要があります。

ECサイトのM&A成功事例

PexelsによるPixabayからの画像

ロコンドによる千趣会の運営の「モバコレ」のM&A

靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」を運営するロコンドは3月1日、千趣会の子会社で女性ファッション通販を手掛けるモバコレを取得価額4億4800万円で完全子会社化しました。

モバコレが強みとする20~34歳の顧客を取り込み、相互にクロスセルを行うことためにM&Aが実施されました。具体的に、モバコレが抱える10万人以上のアクティブユーザーに対し、ロコンドが展開する2000以上のブランドを同時購入できる環境を構築させました。

ZOZOとZホールディングスのM&A

ZOZOは、ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営し、前澤氏が代表を務めていたことで有名な会社です。一方Zホールディングスは、ECサイトや検索エンジンを筆頭に、200種類を超えるサービスを展開する日本最大級のテクノロジー会社です。

Zホールディングスは、市場の成長が期待できるEコマース事業を強化する目的で、ECサイトを運営するZOZOとのM&Aを行いました。一方でZOZOは、Zホールディングスや親会社のソフトバンクが有するユーザー層を獲得し、自社の利益や会員数を拡大する目的でM&Aを実施しました。

その結果、Zホールディングスの2020年3月期第3四半期(2019年10月-12月)の営業利益が11四半期ぶりに前年同期比30%超の増益となりました。

バトンズを活用したECサイトのM&A成功事例

経営の多角化を目指し、医療のノウハウを生かしてサプリメント事業へチャレンジ

バトンズにて、M&Aを成功させた角様は、北海道で病院を中心に不動産など様々な事業を運営していました。しかし、病院の経営不振に加え、コロナ禍の影響から医療業界は厳しい状況にありました。そこで、経営の多角化を目指す次の一手として、大阪府の株式会社ハッピーヘルツが運営するサプリメントの通信販売事業を事業譲渡で買収しました。

角様は、健康のプロとして医療グループで蓄積してきたノウハウを生かすことができ、グループ間のシナジー効果を生み出すことができると考え、ECサイトのM&Aを実施しました。今後は、健康に関するノウハウを生かし、近年増えている認知症を予防できるような成分を含んだサプリメントや食品の開発に力を入れていかれるそうです。

また、トラブルのない円滑なM&Aの背景には、M&Aアドバイザーによる事業資料の作成や交渉などのサポートがあったようです。

記事URL:https://batonz.jp/learn/7070/

副業として家具ECサイトを買収。「初のM&Aは独立するための土台作り」

バトンズにて、M&Aを成功させた二つ目の事例に会社員による家具のECサイトの買収があります。家具のECサイトを買収した岡村様(仮称)は現在、IT企業の会社員として勤務する傍ら副業としてECサイトの運営を行っています。岡村様は、独立志向が強く、独立の一歩としてECサイトのM&Aを選択したそうです。

岡村様は、M&Aを行う上で自分に必要な知識やノウハウを身につけることを重要視しています。そのため今回の買収は、「本業に影響しない範囲で事業譲渡というM&Aスキームを学び、事業の中で様々なことを試すこと」を目的に行われました。

そのうえで、買収したECサイトを成長させ、大手ECのモールに出店することを直近の目標に掲げ、試行錯誤を繰り返しています。

記事URL:https://batonz.jp/learn/5178/

まとめ                               

近年、注目されているECサイト業界は、スマートフォン普及・コロナ禍が後押しとなって市場拡大が急速に加速しています。特に、オンライン企業によるオンライン企業のM&Aは、大きなシナジー効果が期待できます。

M&Aの手法も通常の小売店M&Aと同様ですが、ECサイト特有のリスクには注意する必要があります。実際に、M&Aを実施する際は、必ずM&A専門のアドバイザーへサポートを依頼しましょう。

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