TOPM&A記事・コラム成功事例広島創業90余年のサイダー屋さんを承継。「地域の宝を未来に繋げていきたい」

創業90余年のサイダー屋さんを承継。「地域の宝を未来に繋げていきたい」

2021.03.10

2020年9月、公務員の森本様は広島で製造される老舗のサイダー屋さん、後藤鉱泉所を承継されました。成約後は前オーナー様からサイダーの製造法を受け継ぎ、今年4月から正式に4代目として経営を始められます。現在は商品のリブランディングと販路拡大に取り組まれており、後藤鉱泉所の事業承継を通して地域の活性化にも取り組んでいきたいと話されます。

事業承継で軸にあったのは、地域の宝を継ぎ街に活気を取り戻したいという想い

森本様は広島県の自治体で長年地方公務員として勤務されてきましたが、定年を気にすることなく新たなキャリアを築いていきたいと考えるようになり、今回事業承継に踏み切られました。

「現在44歳ですが、人生100年と言われる時代に、これから先、定年を迎えた後に何もせず暮らすのはつまらないと思い、セカンドキャリアでは会社を経営するという道を本格的に考えるようになりました。公務員をやっていると、地方は若年層の都市部への流出、高齢化が加速、人口が減少して、店舗の減少や空き家の増加など、街の活力が失われていっていることを肌で感じます。特に地域に根差した事業も後継者不足により、廃業せざるを得ない方も大勢おられ、高齢になってもなんとか事業を頑張っていらっしゃる方々を見てきて、自分でも何かできないかなと考えていたんです」。

後藤鉱泉所の外観

後藤鉱泉所の外観

「公務員として働いていた時も歴史を活かしたまちづくりなど街の特性を活かした地域活性化に関わる業務を行っていましたが、どうしても間接的になってしまい、もどかしい思いをしました。それならば、個人としてできることがあるのではないか、と考え事業承継という手法を選びました」。

森本さんがそうした想いを持ってバトンズの案件を探していた時、たまたま見つけたのが広島尾道の名物として知られる老舗のサイダー屋さん、後藤鉱泉所でした。

「実は、後藤鉱泉所が全国区のテレビ番組で取り上げられて、観光スポットとしても非常に知名度があることを知っていました。そんな事業がバトンズに案件として掲載されている。このまま買い手が見つからなければ廃業してしまうのは非常にもったいない。これも何かの巡り合わせかもしれないと思いましたね」。

地域に愛され歴史ある事業を承継したい、という軸を持って会社を探していた森本様にとって、後藤鉱泉所の後継ぎ募集はまたとない機会だったのでした。

90年続く老舗のサイダー屋さん、是非継がせてくださいと前オーナーに申し出る

後藤鉱泉所の商品

後藤鉱泉所の商品

昭和5年創業の後藤鉱泉所は、地域の人々に長年親しまれてきただけでなく、目玉商品のマルゴサイダーを目当てに全国から観光客が訪れる人気の観光スポットとして知られています。一本一本手作りしており、現地でしか味わえないことから幻のサイダーとも言われています。

この後藤鉱泉所が地域の発展のモデルケースになるのではないか。そう考えた森本様は、売り手オーナーにマッチングを申し込み、熱意を伝え、最終的にご成約されました。

「前オーナーは、80歳近くなっても年齢を感じさせず、元気でいきいきとされており、また、時代が移り変わるごとに様々な苦労を経験されてきたと思うのですが、その苦労を乗り越え、今も誇りを持って仕事をされているのをトップ面談の時に強く感じました」。

懐かしい店内の様子

懐かしい店内の様子

「後継者がいないがために事業を辞めざるを得ないのは非常にもったいない。今はコロナの影響もあり苦しい状況ですが、逆を言えばこれからは登っていくしかないと思っています。前オーナーが築き上げた味を守りながら、これから自分の力でどのようにブランディングしていけるか、ワクワクしています」。

「あの街には後藤鉱泉所がある」そう思ってもらえる会社にしたい

交渉中は資金調達が主な課題でしたが、ご友人が共同出資を申し出てくれたことから、無事に土地と建物の譲渡に必要な資金の目処を立てることができました。

また、今回株式会社ヒルストンの石坂様と増山様がM&Aアドバイザーとして仲介を担当されたことで、安心してお取引を進められたといいます。

前オーナーと私ともM&Aは初めてのことで、わからないことが沢山ある中、丁寧なアドバイスと難しい調整をしていただきました。スムーズに契約にたどり着くことができ、大変感謝しています」。

これからサイダーの製造を開始する

昨年2月にマッチングし、途中は緊急事態宣言で交渉の動きが止まった時期もありましたが、昨年9月27日に最終契約を締結されました。

今は、前オーナーからサイダーの製造方法などの引き継ぎを受けていらっしゃいます。森本様の妹様とともに今年4月から製造を始められる予定です。

「昔からビンの再利用にこだわってきました。ちょうど社会全体でSDGsの機運が高まっており、今まさに昔の習慣が見直されようとしています。今後は、地域の発展とSDGsへの貢献を事業全体のビジョンとして取り組んでいきたいと思います」と森本様。直近ではまず、ブランディングの強化を実施していかれます。

「前オーナーがこれまで頑張ってこられた事業に対する想いを如何に未来に繋げていくかが一番のテーマだと思っていますので、そんな想いを形にしていける事業承継のモデルになれたらいいなと思っています。全国の皆さんに、『あの街には後藤鉱泉所のサイダーがある』と認知していただき、ひいては地域が元気になっていくといいなと考えています。当面の目標として、4代目として味を落とすことなく、3年後には法人化したいと思います」。

これから始まる森本様の新たな挑戦を応援しております!

広島を訪れた際は、是非、後藤鉱泉所で美味しいサイダーをお楽しみください。

 

後藤鉱泉所 広島県尾道市向島町755-2

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