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飲食業M&Aを検討する際の重要なポイントと注意すべきリスクを解説

2020年11月09日

さまざまな業種のM&Aがあるなかで、とくに買い案件・売り案件ともに多いのが飲食業界です。

Batonzの全案件のうち、実に約13%が飲食店関連のM&A案件であることからも、その盛況ぶりがうかがえます。

飲食店の売買は譲渡希望額100万円~1,000万円あたりが相場で、同業者の多店舗展開や異業種の新規参入はもちろん、会社員の方が独立を目指して飲食店を買われるケースもあります。

一方で、わたしたちにとって身近な存在である飲食店だからこそ、M&Aを検討するにあたっては考慮すること、注意することが少なくありません。

今回はそんな飲食店を取り巻く業界の特徴やM&Aがさかんな理由、M&Aの重要なポイント・注意点について解説していきます。

飲食店の業種としての特徴

飲食店を開業するにあたっては、食品衛生責任者や防火管理者といった資格、および「飲食店営業許可」や「防火管理者選任届」、「労災保険・雇用保険の加入手続き」といった届出・許可が必要となります。

他にも営業の内容によってさまざまな手続きが必要ですが、これらをクリアすれば基本的にだれでも開業できるため、飲食業界は他業種に比べて参入障壁が低いという特徴があります。

参入障壁が低いということは、競争が非常に激しい業界でもあるということです。

ラーメン店を例に挙げると、新規開業したラーメン店の3年以内の廃業率は70%と言われています。

長年にわたって生き残っている店には、たとえば「地元の住民から愛されている」、「そこでしか食べられないメニューがある」など、何らかの理由が考えられます。

飲食店をM&Aする理由

Batonzの飲食店のM&A案件は譲渡希望額1,000万円以下が多く、案件によっては1から開業するよりも少ないコストで、ある程度の営業実績を持つ飲食店を買うことができます。

ここでは、「なぜ飲食店を買うのか?」というM&Aが行われる理由について解説します。

需要が安定する

飲食店のM&Aには「うなぎとふぐ」という有名な話があります。うなぎは夏、ふぐは冬がそれぞれ旬の食材です。

うなぎ料理を出すお店とふぐ料理を出すお店がM&Aで1つになれば、季節に関わらずお客様に料理を提供できるようになります。

つまり、1つのお店ではまかない切れない弱点をM&Aによってカバーして、年間の需要を安定させるというシナジー効果が期待できます。

異業種からの参入

前述した通り、飲食業界は参入障壁が低いために異業種でも開業しやすいという特徴があります。

たとえば、美容室がカフェを買収して、ヘアカットの待ち時間に食事を楽しんでもらうといった業態です。異業種と飲食店をミックスさせる新しい形態を「ミクストラン」ともいいます。

このように1つの事業では先行きが不安という事業者が、リスク分散を目的として飲食店に参入してくるM&Aも増えてきています。

多店舗展開

多店舗展開を目的としたM&Aもあります。

たとえば、地元の有名店が自社だけで多店舗展開できないときに、上場企業が買って多店舗展開のノウハウを使って規模を拡大するといったケースも見られます。

多店舗展開をして収益拠点を複数に増やすと、売上規模の拡大だけでなく、1店舗あたりの運営コストを下げるスケールメリットも得られます。

人材・設備の確保

異業種からの参入とも重なりますが、事業強化の一環として設備や人材、ノウハウを確保するために既存の飲食店を買収する事例も増えています。

飲食店のビジネスの全体像を把握するには

飲食店をM&Aで買収するにあたって、買いたいお店や気になるお店のビジネスを把握するのであれば、そのお店に実際に食べに行くのがもっとも簡単かつ効果的です。

実際に食べてみることで、お店のメニューや単価の水準、客層、スタッフの対応などを把握することができます。

また、食べログ等でお店の口コミ・評判をチェックしたり、お店に関する過去のニュースを見たりして、M&Aにおける重要な情報が得られることもあります。

飲食店は食事が美味しいに越したことはありませんが、美味しいだけでは他店に勝てません。飲食店で成功するには、しっかりとした事業計画が必要です。

効率的に利益を上げられる仕組み、お店の立地、調理・接客の効率、場所や客層に合ったメニューなど、さまざまな工夫を凝らしているお店ほど、新陳代謝の激しい飲食業界で生き残っています。

M&Aを検討する際にはお店の「売り」が何なのか、リサーチはもちろんオーナーとのヒヤリングも大切です。

飲食店のM&Aにおいて考慮すべきリスク

飲食店のM&Aに事前に把握、考慮しておくべきリスクについてご紹介します。

ビジネスリスク

売り手となるお店がどれだけオーナーに依存しているか、オーナーへの依存度は看過できないリスクの一つです。

たとえば、売れ筋の作り方のノウハウが店長(オーナー)の頭の中にしかない、マニュアル化できていないという飲食店は少なくありません。

買い手にとってマニュアル化や仕組み化できないビジネスモデルは多店舗展開が難しいため、上記の例のような飲食店をM&Aで買う際は、リスクとして考慮する必要があるでしょう。

一方で、パッケージができている、従業員の教育体制がしっかりしている、メニュー開発ができているといったお店は多店舗展開がしやすく、買い手にとっては「買い」と言えるでしょう。

不動産のリスク

外食産業は「立地」がとくに重要で、「いま営業している場所で、M&A後もそのまま営業を続けられるか」という視点を持つことが大切です。

不動産のリスクとしては、以下の2点が考えられます。

(1)貸主の許可

飲食店の多くは賃貸借契約ですので、不動産賃貸借が継続できるかどうかは必ず確認しましょう。たとえば、大型商業施設の中に入っているお店を買収する場合は、その商業施設の承諾が必要となります。

(2)旧耐震基準の建物

1981年以前の旧耐震基準は、簡単に言うと「震度5程度の地震に耐えられる耐震基準」のことです。

現在の新耐震基準では「震度6~7程度の大きな地震でも崩壊・倒壊しないこと」が求められており、旧耐震建物は耐震補強工事が必要となります。

したがって、古いビルやテナントで営業している飲食店を買う場合は、耐震基準について事前にオーナーに確認するようにしましょう。

労務リスク

飲食店のM&Aは雇用関係が争点になることが少なくありません。労務リスクとして考えられるのは、以下のケースです。

(1)未払い残業代

飲食店の業態によっては、深夜まで営業している場合があります。

たとえば、夜10時以降も営業している飲食店は、従業員に深夜割増残業代を支払わなければなりません。しっかりと勤怠管理されているか、残業代は支払われているか、しっかり確認しましょう。

万が一、M&A後に残業代未払いが発覚すれば、買い主の負担となってしまいます。

(2)パート・アルバイトの社会保険料の未納

社会保険料の加入状況も必ず確認しましょう。M&A後に社会保険料の未納が発覚すれば、これも買い主の負担となります。

(3)外国人労働者は不法就労ではないか

昨今、飲食業界における外国人労働者の数は急増しています。買収対象の飲食店が違法就労していないか、就労ビザは取得しているか、しっかりと確認しましょう。

不法就労が発覚した場合は、該当する外国人労働者だけでなく、不法就労させた雇用主も処罰の対象になります。

まとめ

最後に、本記事で解説した飲食業M&Aのポイントをまとめます。

  • 飲食業界は参入障壁が低く、競争も非常に激しい
  • 買収対象のお店のビジネスを把握するためには、食べに行くことが大切
  • 実際に食べに行って、なぜこのお店が残っているのか経営目線で考える
  • M&Aを検討する際はオーナーへの依存度のリスクや不動産のリスクを確認する
  • 残業代・社保の未払いがないかの確認も重要

さまざまな業種のM&Aがあるなかでも、飲食店M&Aは譲渡希望額が数百万円と買いやすい一方で、思わぬリスクが潜んでいる場合があります。

M&Aをご検討の際は、飲食業界や飲食店のM&Aに精通したバトンズのM&Aアドバイザーに一度ご相談ください。

 

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