高齢化社会を迎えた日本各地で重要なテーマとなっている後継者不在問題。
事業承継で成功するためには、これまで脈々と受け継がれてきた技術や企業ブランドを途絶えさせないため、後継者探しや人材育成が急務となっています。自治体の財政力が全国4位を誇る成田市も例外ではありません。
2019年5月30日、バトンズは、千葉県成田市3団体、千葉テレビ放送と事業承継支援に関する協定を締結しました。
成田市には、優れた技術を持った老舗企業が多数存在しています。しかし、多くの企業は事業の次の担い手を必要としており、他の地方都市と同じく事業承継問題に直面しています。日本と海外をつなぐ玄関口として誰もが知る成田市ですが、どんな街なのか、またどんな企業や技術があるのかはあまり知られていません。
ビジネスの観点から見る成田市の特徴
千葉県の中心部に位置する成田市は13万人の人口を抱える街で、成田国際空港がある都市として知られています。また、成田市は成田地区や公津地区など10の地区からなり、東京のベッドタウンとしても高い人気を誇ります。特に成田国際空港周辺の地区は人口が増加し続けており、住民の満足度ランキングも10年間連続して1位を記録。数字の面でみても成田市の住みやすさは群を抜いているといえます。
さらには、成田国際空港があることで貿易、観光のインバウンド需要も高いのが特徴。年間の観光客数は2016年の時点で2,000万人に届くほどで、日本が海外から注目を集めれば集めるほど、成田市にも付随して経済効果が生じるのです。
参考:https://www.city.narita.chiba.jp/content/000044034.pdf
また、前述しましたが成田市は全国の自治体のなかでも4位の財政力を保有しています。成田国際空港にはじまり、成田山新勝寺や宗吾霊堂なども高い人気を誇っているため、観光業に支えられている都市といえるでしょう。
さらに成田市は平成26年から“世界で一番ビジネスをしやすい環境”を作るために設置された「国家戦略特区」に認定されており、他の市区町村に比べてもビジネスへの熱意が高い街です。またビジネスに限らず教育、観光にも力をいれており、「国際教育推進特区」や「国際観光モデル地区」に指定されているので、あらゆる面で日本の推進力としてのはたらきが期待されています。
こうした背景から、成田市を含む印旛地区には大手企業や銀行のデータセンターが林立。最近は、Googleのデータセンターも設立されるなど、様々な企業が自社の設備を誘致したいと考えるエリアでもあります。今後の発展がさらに期待される街といえるでしょう。
それだけでなく、成田市には古くから地元の人に利用されてきた伝統工芸品を生産する老舗企業も多く存在します。
例えば、千葉県の伝統工芸品として名高い「下総鬼瓦」です。全国的な知名度も高く、知っている方も多いのではないでしょうか。大きな瓦に堂々と鬼の顔が掘られた下総鬼瓦は、そのインパクトや迫力から魔除けとして昔から親しまれてきました。
以前は自宅の瓦屋根に下総鬼瓦を置く装飾が流行りましたが、やがて住宅のニーズが移り変わり、下総鬼瓦は徐々に姿を消していきます。かつては千葉県内に点在していた鬼瓦の工場も、現在は成田市の工場ひとつになってしまいました。
根木名川橋の欄干には、今でも事故の減少を願って魔除けの下総鬼瓦が設置されています。
成田市が抱える産業の課題
このように、成田市は大企業と中・小規模の企業が混在する街です。しかし、現実では多くの地元企業が事業の後継者不在問題を抱えています。
経産省のデータによると、2018年時点で成田市の事業者が「課題」と捉えていることのうち最も大きな割合を占めているのが「現場人材の不足」でした。全体の58%以上を占めており、成田市の産業において大きな課題となっています。
とはいえ、事業を引き継ぐ側の視点で見てみると、成田市の恵まれたビジネス環境をうまく活用することが出来れば、新たなビジネスへと昇華させていくにはうってつけの街といえるのではないでしょうか。
参考:https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/nintei_download/12-56.pdf
伝統工芸が従来までのような需要を確保できなくなったとしても、第三者による新たな視点と経営手腕さえあれば、再度ビジネスチャンスを創出することが出来るのではないかと考えます。その意味でも、第三者への事業継承は老舗企業の魅力を掘り起こす、有意義な選択肢のひとつなのです。
成田市の伝統を紡ぐために
成田市は自然や産業、行政の面で見ても非常に魅力ある街であることを感じていただけたでしょうか。移住先として魅力的なだけでなく、事業を引き継ぎたい買い手候補にとっても引き継ぎやすい街であるといえるでしょう。住民の満足度も高く、空港周辺の人口は増加し続けています。それに付随して、参入してくる企業もこれからさらに増加するでしょう。
Uターン・Iターンなどで成田市へ移住を考えている方、成田市に興味を持った方はぜひ同市での事業継承(M&A)を視野に入れてみてはいかがでしょうか。すでに事業を展開している、あるいは独立を考えている方にも成田市での事業承継(M&A)はおすすめです。
ぜひもう一歩視野を広げて、成田市の産業に目を向けてみませんか。
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