レポート

2019.04.15

後継者に朗報!いよいよ始まった事業承継補助金の公募!第三者承継なら最大1200万円

4月12日、「平成30年度第2次補正予算事業承継補助金」の公募が開始されました。採択率が高めの補助金として注目を浴びている事業承継補助金。事業承継を行った(あるいは行う予定の)中小企業などが取り組む、新しいチャレンジを支援する制度です。

補助対象費用の範囲が広い事、補助金の額もそれなりに支給されることから、年々、人気が高まっている同制度。補助金の認知度も上がり、今年度の採択率は厳しくなるとの予想もありますが、中小企業にとっては魅力的な補助金です。

ここがポイント!事業承継補助金を徹底解説

事業承継補助金とは、親族・従業員承継や第三者承継など経営者の交代に伴い、新商品開発など新たな取り組みを行う承継者に対して、その取り組みに必要な経費の一部を補助する制度です。

(1) 事業の目的
後継者がいない、いたとしても現在の会社経営を任せられる状況ではない、という中小企業の廃業は、日本の経済活力を損なう喫緊の課題となっています。そのため、親族承継、従業員承継や第三者承継をスムーズに行い、後継者を支援する仕組みが求められています。

事業承継補助金は、①経営者の交代等事業引継ぎを促進すること ②後継者による新商品開発など新たな取り組みを支援することを目的としています。新たな取り組みを行う後継者に補助金を提供することで、日本特に地方の経済活性化が期待されています。

(2) 申請者の要件

主な要件は次の通りです。

1. 中小企業基本法第2条に準じて定義された中小企業者等に該当すること
*詳細については、「事業承継補助金HP 補助対象者」を確認

2. 2016年4月1日から2019年12月31日までに、M&A等を含む事業承継が行われた(行う)こと

3. 地域に貢献する者・事業であること

4. 承継後の新たな取り組みであること

5. 認定支援機関による確認と支援が受けられること

*認定支援機関(経営革新等支援機関)とは、中小企業・小規模事業者が安心して経営相談等が受けられるために、専門知識や、実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関です。商工会や商工会議所など中小企業支援者のほか、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士等が主な認定支援機関として認定されています。近くにある認定支援機関は、こちらから確認することができます。

補助事業等の要件

【出典】「平成29年補正予算事業承継補助金 事業の目的・概要」

(3) 事業承継の型
事業承継補助金は、事業承継の要件によって 【I型】後継者承継支援型と【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型の2つの申請類型から選択できます。基本的には、【I型】後継者承継支援型は親族・従業員承継、【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型は第三者承継です。申請類型によって補助率や補助上限額が異なりますので、申請類型の選択には必要です。特に、【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型は、非常に複雑ですので、認定経営革新等支援機関のアドバイスを受けながらきちんと確認するようにしましょう。

Ⅰ型とⅡ型の画像

(4) 補助上限額・下限額、補助率

補助金額の範囲や補助率についても、他の補助金とは異なった特徴があります。

【I型】後継者承継支援型

小規模事業者が補助上限額200万円、補助率2/3 、小規模事業者以外が補助上限額150万円、補助率1/2となっています。企業規模に応じて補助金額や補助率が異なりますが、自社の規模を確認することで費用計画が作成しやすくなっています。

【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型

審査結果上位かどうかで補助金額や補助率が変わってきます。審査結果が上位であれば、補助上限額や補助率が優遇されています。申請時点で強気の経費計画を作成したとしても、採択結果によっては、資金調達との兼ね合いで費用計画を変更しなければならない可能性もあります。

補助率の画像

(5) 補助対象経費

事業承継補助金は、その補助対象経費にも特徴があります。他の補助金では認められることのない人件費やエアコンなどの汎用品(設備)も、一定の要件を満たせば補助対象経費となります。そのため、承継者にとっては使い勝手の良い補助金ともいえるでしょう。尚、交付決定日以前に発注(契約)している経費は、他の補助金と同じように、原則、補助の対象となりませんので、注意が必要です。

補助対象経費

申請上の留意点

申請期間

今回の募集は、2019年4月12日(金)~2019年5月31日(金)19:00での申請となります。認定経営革新等支援機関によっては、事前確認を早めに締め切る場合もありますので、早め早めの対応が必要となります。

認定経営革新等支援機関と連携して採択率をアップ!

せっかく申請するのですから、採択されることを目指すべき!そのためには、認定経営革新等支援機関に早めに相談することをお勧めします。

認定経営革新は、

・申請要件を満たしているかどうかの形式チェック(申請類型など)
・採択に向けた事業計画書のブラシュアップ

等といった支援を提供してくれます。締切日の迫った段階での依頼は、チェックミスなども起こりえるため、余裕をもったスケジュールで相談をしておきましょう。

今回からWEB申請も可能に!

その他の特徴として、今回は紙ベースでの申請ではなく、WEB上での申請となっています。ITスキルが充分であれば問題はないのですが、必要書類の添付や図表の貼り付けなど一定のスキルが求められています。ITスキルに不安がある場合には、代替要員を確保するなど事前準備も必要かもしれません。

採択される申請書作成のポイント

昨年、平成29年補正事業承継補助金は、非常に高い採択率となっています。【I型】後継者承継支援型では約80%、【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型では、約55%の結果でした。この結果をみると、人気のある持続化補助金(通称)やものづくり補助金(通称)よりも高い採択率であることが分かります。

昨年までは、事業承継補助金の申請要件の認知度がまだ低かったことが、申請者が少なく、結果として採択率が高かったと考えられます。
しかし、平成30年補正予算では、ものづくり補助金の落選事業者が応募するのでは?と噂されるほど、同補助金の認知度が広がっています。申請者が多くなれば当然採択率も落ちてきますので、「採択される申請書」の作成が求められます。

(1) 審査基準を必ず読み、申請の目的を明確にする

採択される申請書を作成するために一番重要なことは、「求められている申請の目的」をきちんと分かりやすく織り込むことです。事業承継補助金に限らず、補助金には「審査基準(審査の着眼点)」が公開されています。せっかく、審査基準が公開されているのに、これを読まないまま申請書を作成することは、採択される可能性低くしてしまい、勿体ないことです。

平成30年二次補正予算 事業承継補助金では、公募要領20頁に審査の着眼点がきちんと公開されています。(下記図を参照)例えば、(3)の着眼点では顧客や市場についての記載を求められています。申請書に顧客や市場についての記載がまったくないと、この着眼点では採択を受けるに必要なポイントは0点になってしまいます。

経営革新等、企業が取り組む内容によっては、どの程度の記載であれば十分なのか、比重が変わってくるのは当然です。「求められていることを確実に記載すること」これが、採択される申請書作成の第一歩です。

事業承継補助金の公募要領20p(審査の着眼点)

公募要領のp20に記載してある審査の着眼点

(2) 読みやすい申請書を心がける

審査は、資格審査(申請要件の形式チェック)を経て、複数の外部専門家によって行われます。専門家は、中小企業診断士などの公的な資格を有した経営に係る知見のある人で構成されます。

最終的には、審査会で採択案件が決定されますが、場合によっては、審査する人は限られた時間でそれなりの量の文書の審査をすることもあります。

だらだらとした長い文章は読む気になれませんよね。そのためまずは、「読む気になってもらえる申請書」を心がけることがとても重要です。そこで、審査員が読みやすい申請書のポイントを以下にまとめます。

・抽象的で難解な表現よりも具体的で平易な表現
・一文一意(接続詞で文章をつなげすぎない)
・「ですます」調と「である」調の混在はさける
・業界の専門用語は注釈を入れる
・フォントの統一
・下線付きや太字でキーワードを強調
・段落番号、箇条書きなどの活用
・図を活用する(自社の商品紹介や商圏分析など)
・表を活用する(経営数値の経年変化など)

(3) 加点要素は外さない!

採択されるためには、加点要素は絶対に外せません。公募要領の21頁から22頁に、加点についても公開されていますので、是非チェックしておきましょう。加点項目のどれに自社が該当するのかを確認し、申請書に記載すると同時に、求められる資料の添付が必要です。

また、事業承継補助金の特徴として、承継者の地域への貢献も加点要素になります。地域経済の活性化を目的とした補助金ならではの加点要素です。公募要領(下記)を参考に、自社の貢献度合いを積極的にアピールすることをお勧めします。

地域への貢献度合いを測る要素

画像の出典は以下から:https://www.shokei-hojo.jp

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