老舗仕立屋のクラフトマンシップを譲り受け、持続的な価値を生み出すグローバル企業へ
2025年11月06日
2025年11月06日
ハンズオン型のM&A事業などを展開する「株式会社ベルビューコンサルティング」は2025年9月、創業90年の仕立屋の歴史を受け継ぐ「ノースフィールド株式会社」を譲り受けました。ベルビューコンサルティング代表の志村貴幸様は、会社設立以来、いくつもの新規事業を立ち上げながら、M&Aで2社を譲受されるなど事業を精力的に拡大。数ある企業からノースフィールドを選んだ理由や、バトンズを通じてM&Aを決断するまでの葛藤などについてお話を伺いました。
| 譲渡企業 | |
|---|---|
| 社名 | ノースフィールド株式会社 |
| 業種 | アパレル・ファッション |
| 拠点 | 東京都 |
| 譲渡理由 | 資本獲得による事業拡大 |


| 譲受企業 | |
|---|---|
| 社名 | 株式会社ベルビューコンサルティング |
| 業種 | 不動産、M&A関連業務など |
| 拠点 | 東京都 |
| 譲受理由 | 海外展開、新規事業参入 |
これまで財務領域を中心に、グローバルに複数の企業を渡り歩いてきた志村様。母親の病気をきっかけに家業を継ぐことになりましたが、その際に中小企業の後継者問題の実態を知ったといいます。
「家業を私が継ぐのか、それとも第三者に譲渡するのかという選択を迫られた際に、事業承継やM&Aについても調べました。そのときに、後継者不足に悩む中小企業が数多く存在することを知ったんです。
私はこれまで、財務や経営管理、M&A推進などを経験してきたので、M&Aによってそうした企業の力になれるのではないかと思いました。また、地元である府中市、多摩地域の発展に貢献したいという思いもあり、ベルビューコンサルティングを設立しました。」

ベルビューコンサルティングは、東京都府中市を拠点に、不動産事業をはじめ、学習塾、便利屋など幅広い分野で事業を展開。加えて、志村様の豊富な財務・経営層での経験を生かし、M&Aを通じて企業経営に深く関与する『ハンズオン型のM&A』にも積極的に取り組んでいます。
2024年9月には、1社目のM&Aとして世界最大の民間救急法プログラム「MFA(Medic First Aid)」の指導員教育などを手がける「MFAジャパン株式会社」を譲受。近年は、ブルームバーグ東京オフィスでセミナーを開催するなど、啓発・広報活動にも注力しています。
今回譲受したのは、アパレル・バッグブランドの製造・販売を手掛けるノースフィールド。同社のバックボーンには、1935年創業の老舗仕立屋として培ってきたオーダースーツの製造技術があり、現在はその高い縫製技術とクラフトマンシップをもとに、複数のブランドを展開しています。志村様は、数ある分野・企業の中からノースフィールドに関心を持った理由について、以下のように語ります。

「当社は、グローバルな多角化経営を目指しています。そのため譲渡案件を選定する際は、海外とのネットワークや、現地に子会社・グループ会社を持つ企業かどうかを重視しています。ノースフィールドは、案件情報に『ベトナム工場と強固な連携がある』と記載されていたため、非常に興味を持ち、問い合わせをしました。」
初めてコンタクトを取ったのは2025年7月頃。それからわずか3か月ほどで譲渡契約締結まで進みました。交渉のプロセスについて、志村様は以下のように振り返ります。
「最初にお送りしたメッセージでは、私自身がどのような人物か、そしてビジネスに対する考え方を丁寧にお伝えさせていただきました。その後オンライン面談に進み、初期段階ではノースフィールドの北原社長の代理として、バトンズの宮原さんと話をさせていただきました。
宮原さんからノースフィールドの概要を伺う中で、営業分野に強い北原社長と、財務・経営管理が得意な私がタッグを組めば相乗効果が生まれるのではないかと感じ、直接お会いすることになりました。」
北原様と対面した際、ビジネスに対する強い情熱をと感じたという志村様。「この人とチームを組めば、ノースフィールドをさらに成長させられる」――そんな確信を抱いたといいます。交渉からわずか3か月ほどの短期間で成約に至った本案件ですが、「スムーズに進んだように見えて、実は大きな迷いもあった」と志村様は語ります。
最初の迷いは、自身にアパレル分野の経験がなかったこと。志村様はこれまでのキャリアで様々なM&Aに携わってき経験から、「未知の分野のM&Aはリスクを伴う」ことを深く理解していました。
2つ目の迷いは、ノースフィールドが抱えていた財務的な課題。財務面に課題を抱える企業を譲り受けることで、融資を受けるハードルが上がることなど、自社の経営に影響を及ぼしかねないリスクを冷静に分析していました。それでもM&Aを決断した理由について、志村様は以下のように話します。
「最終的に、広告費等の支出を見直すことで、バランスシートを大きく改善できると判断しました。実は、実際にノースフィールドのバッグをユーザーとして購入してみたところ、使いやすさと品質の高さに感銘を受けまして。この会社には、大きな可能性が眠っていると感じました。」
M&Aを経て、ノースフィールドは志村様が代表取締役社長、北原様が副社長を務める新体制で、新たなスタートを切りました。今後の成長戦略について、志村様は次のように語ります。
「ノースフィールドでは複数のブランドを展開していますが、私が特に大きな可能性を感じているのが、高機能ナイロン素材を採用し、デザイン性にも優れた『PEAK HUNT(ピークハント)』というバッグブランドです。
ピークハントは、登山をライフワークとする北原副社長自らの使用経験や登山仲間の意見を反映させながら育ててきたブランドです。バックパック、サコッシュ、ポーチなど幅広いラインナップを揃え、現在はAmazonを中心に販売を展開しています。
もともとはアウトドアを想定したアイテムですが、優れた機能性を活かせば医療用バッグやサッカー用バッグなど、他分野への応用も可能だと考えています。今後は国内のみならず、ASEAN地域への展開も視野に入れています。」

<PEAK HUNTの商品画像>
ノースフィールドを譲り受けた後、統合プロセスはどのように進めているのか。これまで大規模なM&A案件にも携わってきた志村様に、現在の状況を伺いました。
「外資系企業や商社時代にPMIの現場を経験してきましたので、その難しさは身に染みています。だからこそ、ノースフィールドでは急激な変化を避け、まずは『これまでの良さを生かす』ことを基本方針にしています。
具体的には、北原副社長には従来のスタイルを継続してもらいながら、長所と課題を私と共有し、ビジネスモデルやブランドを着実にブラッシュアップしていく形で統合を進めています。」
本案件では、M&Aの伴走サポートとしてバトンズコンサルタントの宮原が対応。M&Aの豊富な実務経験を持つ志村様に、バトンズおよび担当者へのご意見も伺いました。
「これまで複数のM&Aプラットフォームを利用してきましたが、その中でもバトンズは最も効率的に情報収集ができると感じています。最近では、M&Aの案件検索はバトンズ一択になっていますね。
宮原さんには、本当に助けていただきました。北原さんと私が腹を割って話せるように、食事の場を設けてくださるなど、両者の信頼関係を築くために尽力してくださいました。非常に感謝しています。」

2024年のMFAジャパン、2025年のノースフィールドと、2社のM&Aを実現したベルビューグループ。今後の成長戦略について、志村様は明確なビジョンを描いています。
「ベルビューグループの成長戦略のキーワードは『グローバル企業』と『SDGs』です。単なる利益追求ではなく、課題を抱える企業を再生し、持続的な価値を生み出すことを重視しています。
まずは、現在進行中の国内企業のM&Aを成功させ、そのノウハウを基に海外へと展開し、海外人材を育成することを予定しています。さらに、彼らが日本で活躍できる環境をつくることを目指しています。」
グローバル展開を強く意識する志村様ですが、なかでも、特別な思い入れがある国がフィリピンです。
「かつて約3年半フィリピンに駐在していました。貧困率の高い国ではありますが、人々の心の温かさは忘れることができません。事業を通して、少しでもフィリピンの発展にも貢献できればと考えています。」
また、志村様は幼少期から続けるサッカーでも地域・海外との架け橋を目指しています。現在は中学校やクラブチームでコーチを務めており、スポーツを通じたグローバルな人材育成にも意欲を見せています。
ベルビューグループのさらなるご発展を、バトンズ一同、心より応援しております!
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