福岡県で個別指導塾を展開するA塾は、個人事業主の鈴木様(仮名)に事業譲渡されました。A塾を創業された山田様(仮名)は、家庭教師、学習塾等の教育サービスに30年以上にわたり携わってきました。子どもの教育に愛情を注いで事業を継続されてきた山田様が、今回M&Aをするに至った背景やM&Aの経緯についてお話を伺いました。
譲渡側 | |
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業種 | 設教育サービス(学習塾) |
拠点 | 福岡県 |
譲渡理由 | 事業の存続・成長 |
譲受側 | |
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業種 | 設備工事・設計 |
拠点 | 福岡県 |
譲受理由 | 起業 |
個別指導により、子どもたち一人一人に合わせた教育を
元々は教材制作の会社に勤めていた山田様。教育の素晴らしさに気づき、ご自身の手で教育に携わりたいという思いから、平成7年から家庭教師事務所をスタートしました。
アルバイトには九州大学に在学する学生などを採用し、九州エリアを拠点にサービスを展開。平成19年ごろからは、少人数制の塾を要望する声が多く寄せられたことで、個別指導塾へと方針を転換します。
「一人一人の生徒に合った指導を行うことを大事にしていましたので、最初は家庭教師という形でスタートしました。問い合わせのお電話をいただいた際には、私がご自宅まで訪問して直接面談をし、その子の学力や性格等にマッチした講師を見極めて派遣するようにしていました。そのおかげもあってか、生徒や親御さんからの評判が良く、口コミで徐々に生徒や講師の人数が増えていきました。多い時で、講師は100名ほど在籍していましたね。
学校が長期休みの時期には、生徒を集めて夏期講習や冬期講習などを開催していたのですが、それが評判となり個別指導塾に方針を転換しました。当時、個別指導という形態の塾はこの地域にはほとんどなかったと思います。集団で授業を行う塾か、個別指導の家庭教師かという時代でしたが、どちらの良さも取り入れた少人数制の個別指導塾というスタイルをとりました。」
家庭教師は、教師の質により提供できるサービスの質が変わってくることが懸念としてあったという鈴木様。一方で、一人一人の生徒に寄り添った指導をしたいという想いがあったため、生徒のレベル・学習状況に応じたサポート体制を継続できるよう、少人数制の個別指導という形式をとったのだそうです。
コロナ禍で集客に苦戦。塾の未来を考え、M&Aを決意
口コミ中心の集客により順調に経営していたA塾でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、集客が思うようにいかなくなります。これまで、対面のコミュニケーションを大事にしてきた山田様ですが、環境変化によりそれが難しくなり、生徒や講師の集客にも影響をもたらしたといいます。
「インスタグラムやライン、ランディングページ、動画など、ネットを活用した集客に様々な施策を行ってきました。しかし、あまりうまく活用できず、効果も実感できませんでした。また、インスタグラムなどに掲載している実績や成果などの内容が、既に在籍している生徒のプレッシャーになってしまうのではないかと考えると、嫌になったんです。
そんな時に、塾を次世代の経営者に譲ることが頭に浮かびました。とはいえ、M&Aに関する知識は何もなかったので、まずはお世話になっている税理士の方に相談しました。そしてその税理士の方からM&Aに詳しいアドバイザーを紹介してもらったんです。」
税理士の方から、株式会社PAMの綾部様の紹介を受けた鈴木様。そこから、綾部様と二人三脚で、買い手様探しの旅が始まります。
アドバイザーと二人三脚で初のM&Aに取り組む
買い手様探しをする中で、綾部様に勧められたのがM&Aプラットフォームであるバトンズの活用でした。初めてのM&Aだった鈴木様は、バトンズの登録や買い手候補者との最初のやりとり等を綾部様に一任。ご自身の希望を伝え、綾部様からの買い手候補者の紹介を待ちます。
「譲るお相手は、40代で企業にお勤めの方、かつファイトのある方が良いと思っていました。40代でM&Aを考えられている方というのは、社会人経験をしっかり積み、次のステップに進みたいと考える方が多いと思うんです。塾の経営に関しては未経験でも良いので、生徒のことを第一に考えられる、やる気のある方と出会いたいと思っていました。」
バトンズを通じて複数名と面談を行なった山田様。その中で、会社員として企業に勤めている傍ら、学童野球の監督もされている鈴木様に好印象を抱いたといいます。
「直接お会いした際に、わざわざ手土産を持ってこられたのがとても印象的でした。自己紹介の時にも、鈴木様のこれまでの経歴を簡単な資料にまとめて持ってきてくださったので、気配りのできるとても良い方だなと思いました。
また、今後どうしていきたいかという構想を語ってくださったのですが、それを聞いて感激しましたね。現在お勤めの企業では人財育成を推進しており、これからは人の価値を残していくことをやっていきたいという素晴らしいビジョンをお持ちの方でした。」
本業の傍ら、学童野球の監督もしながら、子ども達が考える力を自ら養えるようになるにはどうしたらいいのか、子どもの未来を第一に考える鈴木様の姿に惹かれ、鈴木様の掲げるビジョンに塾の未来を託そうと決意した山田様。約7ヶ月という期間を経てご成約へと至ります。
小規模でM&Aの経験がない経営者こそ、バトンズの活用を推奨
人生で初となるM&Aを終えられた山田様。アドバイザーの綾部様と二人三脚で進めたM&Aを振り返り、現在のご感想と今後M&Aを検討している方に向けてのメッセージをいただきました。
「小さい会社や知識のない経営者ほど、アドバイザーと二人三脚でM&Aを進めることをお勧めします。そして、バトンズのようなM&Aプラットフォームを活用することで、効率的に買い手様探しができると思います。M&Aの進め方も面談での見極め方も、何もかもが初めての経験でしたが、バトンズとアドバイザーのサポートがあったおかげで無事に成約まで進むことができました。」
無事に譲渡を終えた山田様ですが、M&A後も現場に残り鈴木様のサポートをするそうです。鈴木様が掲げるビジョンに向けて、新たな挑戦の後押しをされたいとのこと。
「私の塾では、基本的に小学校4年生以上からしか引き受けていなかったんです。小学校3年生までは幼児部門に当たるので、どちらかというと勉強よりも遊ぶことに重きを置いて欲しいと思っていたからです。
一方で鈴木様は、小学校低学年からも預かりたいという気持ちがおありで、勉強だけでなくスポーツなどの要素も取り入れていこうと考えていらっしゃいます。これまで私が運営してきた塾にはその発想がなかったので、今後の展開に期待が膨らんでいます。」
A塾のますますのご発展を、バトンズ一同心より応援しています!
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