
ただ引き継ぐだけでない、「第二創業」で成功をつかむ
繰り返すように、経営者が高齢化している企業では事業そのものも衰退し始めており、負のスパイラルに陥っているケースが少なくありません。企業には人の一生と同じで一種のライフサイクルがあると言われています。具体的には事業を立ち上げた「創業期」、その事業がおおきくなる「成長期」、事業がピークを迎える「成熟期」、そしてその成長が鈍化し勢いを失っていく「衰退期」です。経営者が高齢化を迎えた多くの企業は、成熟期を大きく超え衰退期を迎えています。
歴史ある100年企業の中にも、同じ問題を抱えている場合も多いでしょう。そこで必要となってくるのが第二創業です。
第二創業とは衰退をはじめた中小企業において、新しい経営者が引き継いだ事業を刷新し、業態を転換したり新しい事業へ進出したりすることを指します。ベースとなる事業の地盤は保持しつつ、状況を好転させるために経営の革新をはかるのが第二創業です。
事業承継と聞くと、既存の事業をそのまま引き継ぐだけとお思いになる方もいるかもしれません。けれど実際には、第二創業によって新しいことにチャレンジすることも多いのです。
第二創業で失敗しないためのポイントとは?
第二創業は、まったく何もないところから新しい事業を確立させるのとは意味が異なります。あくまで継承した事業の基盤をベースとして、どんなことができて何ができないのかを把握することから始まります。その上で、その企業の強みや持っているノウハウを生かした事業計画を作成するのが第二創業で失敗しないためのポイントといえます。
第二創業向けの資金面などの支援について
第二創業では、補助金をはじめとしてさまざまな支援を受けることができます。以下、第二創業で受けることができる支援について紹介します。
第二創業向けの補助金
第二創業を実施するときには、補助金制度を利用することができます。新しい事業を立ち上げる際には、相応の資金が必要です。またその事業が軌道にのってしっかりとした利益がでるまで持ちこたえるための資金も必要になってきます。
かといって、事業承継の際にそれだけの資金が残っているともかぎりません。先代社長が高齢などの理由で事業を縮小していることも少なくないためです。 加えて、銀行から十分な融資を受けられる保証もありません。せっかく新しい事業を立ち上げ将来的な可能性は十分でも、資金力不足で志半ばで頓挫、ということは往々にしてありえます。そんなときに補助金は強い味方になってくれます。
この制度で提供される補助金の額は100万円~200万円です。なお補助金の額(補助率)は必要な費用の3分の2となっています。必ずしも上限である200万円が満額提供されるわけではないので注意しましょう。また、募集期間が限られていますので、利用の際には事前に調べておきましょう。
この補助金は、利用できる用途が多いのが特徴です。設備投資やオフィスなどの賃貸費用はもちろんのこと、販促にかかる費用や人件費も対象となっています。
事業を継承した場合でもあらゆる支援が受けられます
▼インキュベーション(incubation)
インキュベーションとは新規事業の立ち上げや起業をサポートするサービスや活動を意味する経済用語です。インキュベーションはもともと卵の孵化を意味する英単語で、卵からひなが孵るまで親が守るように、起業や新規事業の立ち上げをさまざまな面からサポートしてくれます。
インキュベーションの種類は多種多様で、例として以下があげられます。
インキュベ―ション施設(インキュベーションオフィス)
新規事業の立ち上げに関する必要な支援が受けられる施設のことです。オフィスやラボ、工場用などのスペースを貸し出してくれる他、第二創業・起業に関するさまざまな相談にのってくれる「インキュベーションマネージャー」が常駐していたり、利用者のニーズにあわせたセミナー・相談会などを開催したりします。施設によって受けられるサービスは異なりますので、詳細は各施設に確認して下さい。
インキュベーションプログラム
新規事業を立ち上げる中小企業に対しさまざまな支援を行う取組のことです。事業立ち上げ時には、資金・ノウハウ・人材などなどいろいろな問題がありますが、これらの問題を解決するためのアドバイス・環境を提供します。
インキュベーション関連のサービスは、地方自治体や公的機関、さらには大手企業なども提供しています。第二創業の際は、希望にあうインキュベーションがないかお近くの地方自治体に相談したりインターネットで検索してみたりするとよいでしょう。
0から1を作る起業だけなく、1を10にする第二創業が拡がっています
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