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帰省したとき、実家や親族に自分の意思を伝えてますか?「家族会議」のすすめ

2018年12月27日

年末は新年を実家で迎えるために帰省される方も多いでしょう。両親や兄弟、親戚と集まって過ごす時間は、普段の忙しさから解放される楽しいひと時のはずです。一方で、お正月を迎える帰省のタイミングは、両親の今後や自身の今後についてなど、兄弟や親戚を含めて話せる貴重な機会でもあります。帰省のこの時期、家族に自分の意思を伝えていますか?今回は、家族会議について取り上げます。

両親はいつまでも現役ではない

生活拠点が実家から離れた地域にある人の多くは、普段の実家の様子はなかなか分からないものでしょう。両親にはいつまでも元気でいて欲しいと思う気持ちは誰しも同じですが、人間には確実に老いが忍び寄ってきます。高齢になってくると両親も健康面の不安を抱えがちになり、さらに家業を営んでいるとしたら、どこまで現役を続けられるか、跡継ぎの問題、財産相続といった点について考えざるを得なくなります。

家業の経営はいつまでもできるわけではありませんし、市場の動向など、事業を取り巻く環境も年々変化していきます。家業の経営は順調なのか、両親はいつまで続けようと考えているのか、あなたはご存知ですか。特に実家に両親だけで住んでおり、時々電話で話す程度でしかコミュニケーションをとる手段がない場合は、お正月の帰省での家族会議は、きちんと上記のことについて会話をする絶好のタイミングなのです。

心配をかけまいとする両親の親心

しかし、子供に心配をかけたくないという意識が働くのが親心というものです。自身の健康状態に不安を感じるようになった、家業の経営が上手くいかなくなってきている、もしくは事業の将来性について悩んでいるとしても、ありのままを子供に話すのをためらってしまう場合もあります。もちろん電話などで軽く話をすることはあるでしょうが、深刻な内容であったとしても、正直に話すことは少ないのではないでしょうか。そのため、子供は実情を把握しきれないまま時が経ち、家業について改めて考えるきっかけもなく過ごしてしまいがちです。

両親に万が一のことがあった場合の対応

またもし、両親に万が一のことがあった、もしくは何らかの健康問題が生じ、日常生活で介護を必要としなければならなくなったときに、実家の実情を把握していなければ、寝耳に水の状態で対応を余儀なくされることになります。そういった状況を回避するためにも、介護は誰がするのか、自分はすぐに実家に帰るべきなのか、兄弟や親戚は助けてくれるのか、もし自分がするとすれば今の仕事はどうすれば良いのか、家業はどうすべきなのかなど、準備していなければ一挙に噴出してしまうこれらの問題を、家族会議を行っておくだけで解決できることもあるはずです。どのような対応ができるかを少し話しあっておくだけでも、意義は十分にあります。

さらに、こういった話題を家族で話し合うときは、どこに資産が保管されていて、どのように相続されるべきなのか、さらにお墓の問題についても話題を広げてみるのもありです。いつか確実に起こることなので、和やかな雰囲気の帰省中に軽く聞いてみるのはいかがでしょうか。

家業を継ぐことを自覚していない子どもと伝えていない親

株式会社日本M&Aセンターが2018年7月に実施した「創業30年超の老舗中堅中小企業の事業承継に関する意識調査」で、興味深いデータがあります。これによると75%の老舗中堅中小企業は「後継者候補がいる」と答えており、その半数以上が後継者候補は経営者の子どもと答えています。しかし、子どもに対して事業を任せる意思を明確に伝えたのはその31.6%でしかなく、さらに子どもが事業を継ぐことについて「あまり、あるいは全く話を聞いてこない」ケースが37.5%ありました。


SankeiBiz:【創業30年超の老舗中堅・中小企業1,000社対象】事業承継に関する意識調査より引用

これらのデータから読み取れることは、経営者は子供に対して事業を継いで欲しいことをはっきりと口にしているケースが少なく、明らかにコミュニケーションが不十分であることが分かります。この調査データは創業30年超の老舗中堅中小企業を対象にして実施された結果であり、全ての中小企業に当てはまるとは言い切れません。しかしコミュニケーション不足の傾向はどの中小企業でも変わらないと考えられます。つまり実家の両親も、本音は会社を継いで欲しいと考えているけれども、本人に伝えていない可能性が高いのです。

子供の側からのコミュニケーションが重要

実家が事業を経営していたとしても、親から事業承継の打診をされなければ、都会で好きな仕事を続ければ良いのだと子どもは考えがちです。しかし上記の調査結果で分かるように、親と子のコミュニケーションは不足しています。実家から跡を継ぐことの打診がなくても、事業を継ぐ意思があるのかないのか、そのことを子どもの側から伝えてみるのも、重要なコミュニケーションです。お互いに何となく分かっているはずと考えていたものの、実際には違ったことを考えていたとしたら、両親に万が一のことがあった場合、スムーズに物事が進まなくなってしまいます。帰省のタイミングを利用して家族会議の場を持ち、自分の考えを話し、実家の考えも開いてみてはいかがでしょうか。

とはいえ、家族会議を開くにあたって、注意しておきたいことが一点あります。それは実家の考えをあらかじめ把握しておくことです。両親が事業承継や介護のこと、お金やお墓のことなど、シビアな内容をいきなり大勢の前で聞かれても、答えるのは難しいでしょう。本音と違うことを話してしまうかもしれません。そんな時は、例えば家族会議の前にこっそりと母親に話して反応を確かめてみる、もしくは父親の考えを教えてもらうなどの方法は有効です。ある程度考えが把握できていれば家族会議で揉めることなく、スムーズに会話を進めることができるはずです。

帰省の時こそ家族会議が必要

両親が高齢になってくると、色々と準備しておくべきことが出てきます。これらは本来しっかりとコミュニケーションを取りながら進めていくものですが、核家族化が進み、子供が両親と離れた場所で生活していると成立しづらくなってしまいました。しかも両親は心配かけまいとするため、全てを包み隠さず話すことは少なく、解決すべき問題があっても把握するのは難しくなります。帰省は離れた親族が集まる数少ない機会です。高齢になった両親の今後や家業について親族で話し合い、自身の考えをしっかり伝える機会として、お正月にぜひ家族会議を開かれてみてはいかがでしょうか。いつか来るその時に、備えることができるはずです。

 

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