株式会社エス・エム・エス天海様と金子様

企業概要

株式会社エス・エム・エス 「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」をミッションに、医療・介護/障害福祉・ヘルスケア・シニアライフの領域で、エンドユーザ・従事者・事業者向けに40以上のサービスを展開。代表的なサービスとして、看護師向け人材紹介「ナース専科 転職」、介護/障害福祉事業者向け経営支援サービス「カイポケ」などを揃える。2019年より、業界特化のM&A支援サービス「カイポケM&A」を開始。

上場市場:東京証券取引所 プライム市場
証券コード:2175
M&Aの支援実績:2019年から開始、全国各地で豊富な成約実績を有する。
HP:https://www.bm-sms.co.jp/

Interviewee

事業開発室 M&A支援グループ グループ長
天海 才(Chikara Amagai)
早稲田大学を卒業後、銀行勤務を経てヘルスケアIT企業でクリニックM&A支援業務・製薬企業向けマーケティング支援業務に従事後、エス・エム・エスへ入社。これまで支援した事業者は100社超。社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士(試験合格)・宅地建物取引士(試験合格)保有。
事業開発室 M&A支援グループ マネージャー
金子 文大(Tomohiro Kaneko)
大学卒業後約4年間、損害保険・生命保険を扱う代理店向けの営業支援業務に従事。その後、エス・エム・エスに入社し約6年間、介護・障害福祉業界に特化した人材紹介のキャリアパートナーとして200名以上の採用支援を経験し、現在はプレイングマネージャーとしてM&A支援業務に従事。

自社のネットワークを活かし、
M&A支援サービス「カイポケM&A」を提供

―まずは、貴社の事業内容について教えてください。

天海:エス・エム・エスは、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」をミッションに掲げ、多岐に渡る事業を展開しています。「医療・介護/障害福祉・ヘルスケア・シニアライフ」の4領域を、「従事者・事業者・エンドユーザ」向けに提供するのがサービスの軸にあり、各領域で求められる情報インフラを構築することを目指しています。

主要な事業に、医療・介護/障害福祉業界向けの人材紹介サービスや経営支援プラットフォーム「カイポケ」などがあります。その他にも、看護師・看護学生向けコミュニティ「ナース専科」、ケアマネージャー向けコミュニティ「ケアマネドットコム」の運営、企業の健康管理業務サポート「リモート産業保健」など、提供するサービスは幅広いです。

M&A支援事業としても、これらの事業領域をベースに業務を提供しています。もともとは介護分野を中心として、近年は障害福祉や葬儀社、治療家(あはき業・マッサージ院など)といった隣接領域にも広げています。これからの日本社会を考えると、介護・障害福祉業界はM&Aが進まなければ危機的な状況は避けられません。それを防ぐために、私たちができることは率先してやらねばという強い思いがあります。

提供サービスの対象領域"

提供サービスの対象領域

―M&A支援サービスを開始した背景をお聞かせください。

天海:当社は新規事業が盛んな企業文化であり、40以上のサービスを提供しております。その中で、経営課題を解決する手段の一つとして2019年に立ち上がったのが、M&A支援事業です。もともと介護業界に特化して開始したのは、社会的ニーズと当社のアセットがマッチしたからです。

介護保険制度が始まったのが、2000年のこと。介護サービス利用の負担軽減により利用者が増加し、それに伴い新規参入された経営者の多くは、20年以上が経って引退時期を迎えています。制度改革の時期に増えた事業者のM&Aニーズが、このタイミングで押し寄せているのです。

また、介護・障害福祉業界では人材不足などを理由に、経営の合理化や再編が求められていることも昨今の傾向として挙げられます。経営不振による譲渡ニーズも高まっており、「現場に専念したいので、経営は信頼できる第三者に任せたい」という経営者様からのご依頼も多く寄せられます。現場で一流のスキルを持っている方が、経営面では苦戦するケースは少なくありません。

介護・障害福祉業界の経営者様は、強い思いをもって事業を始める方が多い一方で、人材マネジメントや資金繰りへの悩み、クレームやトラブル対応など、理想と現実のギャップに戸惑われる経営者様も多く、そういった方からの譲渡のご相談も多数あるのです。

当社がM&A支援事業「カイポケM&Aサービス」の提供を開始した2019年は、上半期の「老人福祉・介護事業」倒産件数が年間最多ペースで推移しており、特に小・零細事業者の淘汰が加速していました。

当時から、さまざまなサービスを通じて介護業界のお客様と取引があった当社は、「カイポケ」の会員数が2019年7月時点で25,000事業所(2025年7月1日時点で56,900事業所)を記録。介護事業所の倒産や事業承継ニーズの高まりを受け、「自社ネットワークを活用してM&A支援事業をやるべきではないか」という声があり、事業を開始したというのが経緯になります。

事業開発室 M&A支援グループ グループ長:天海才様

事業開発室 M&A支援グループ グループ長:天海才様


組織力、専門性、誠実性」の
三位一体によるサービス提供

―他社と比較した、貴社ならではの強みは何でしょうか?

天海:当社の強みは3つだと考えています。1つ目は、M&A後を見据えた支援、たとえば人材採用ニーズや経営・業務支援ニーズにも対応可能であることです。介護業界では、資格者の確保が法的に求められ、M&A後の人材配置や流出は大きなリスクになります。当社は人材紹介業も手がけているため、成約後の人材面まで一貫して支援できる点が、他社にはない特徴です。また、経営・業務支援ニーズにお応えして「カイポケ」の導入もご支援可能です。

2つ目は、個人に依存せず、組織全体でお客様を支援できる体制です。M&A案件の進行にはスピード感が求められるため、担当者の不在や繁忙によるリスクを最小化する必要があります。当社では必ずメイン担当とフォロー役の上長を配置し、急な対応にも迅速かつ的確に応えることが可能です。

3つ目は、社員一人ひとりの専門性の高さです。M&Aの営業は、資格がなくてもできるビジネスであるというのが現状です。だからこそ、当社では質の担保を重視するために、社員の資格取得を奨励しています。

私自身も社会保険労務士や1級ファイナンシャル・プランニング技能士、試験合格にはなりますが行政書士や宅地建物取引士などの資格を保有していますし、他にも正看護師や簿記、事業承継・M&Aエキスパートなどの有資格者が複数名在籍しています。このように、あらゆる分野の有資格者を揃えることで、チームとして専門性の高い支援が可能になります。

介護・障害福祉・医療に特化したM&A仲介サービス「カイポケM&A」

介護・障害福祉・医療に特化したM&A仲介サービス「カイポケM&A」

―貴社のM&A支援体制や、企業文化における特徴はありますか?

天海:業界の特性上、緊急性の高いご相談も多く、最短では15日(※)というスピード成約の実績もあります。これは事前に買い手側と売り手側のニーズをチーム全体で把握し、初期段階から必要な情報を整理できるからこそ可能になります。
※案件受託から最終合意締結までの日数

前提として、お客様の多くが他サービスを通じてもともと関わりがある事業者様のため、すでに関係性構築や事業理解ができているというアドバンテージがあります。また、介護・障害福祉業界に特化しているからこそ深い業界理解ができていることも、M&A支援に取り組む上でプラスに働いていると感じています。

社内体制における特徴は、個人の営業成績を追求するのではなく、組織全体でお客様の利益最大化を追求する評価指標を置いている点です。KPIもチームやグループ単位で設定しており、「トップ営業マンが会社を引っ張る」というよりも、「全体のアベレージが高い」組織を目指した体制づくりとなっています。

金子:「誠実な人間が多い」ことも特徴ではないでしょうか。エス・エム・エスという会社自体が「人を大事にする」という文化を持っており、それがM&A支援事業の組織においても浸透していると感じます。社員間の競争によるノウハウの秘匿なども一切なく、良い事例や取り組みは積極的に社内で共有し、組織全体で最高のサービスを提供するという意識統一が図れています。

そもそも当社のお客様である医療・介護・障害福祉業界は、社会貢献性が高い領域であり、当社にも社会やお客様への思いをもって入社する方が多いです。支援を必要とする方々に直結する事業であるため、私たち自身がいつエンドユーザになるか分からないという当事者意識を常に持ち、M&A後まで見据えた正しいマッチングを提案すること。組織力、専門性、誠実性の三位一体で最良のM&A支援を提供することが、エス・エム・エスという会社の特徴ではないかと考えています。

事業開発室 M&A支援グループ マネージャー:金子文大様

事業開発室 M&A支援グループ マネージャー:金子文大様


最終的には「人」の相性。
無理なマッチングをしないことこそ重要

―過去の成約事例で貴社の強みが生かされたエピソードがあれば教えてください。

天海:認知症グループホームの事例をご紹介します。売り手様は70代後半で、体力的な理由から事業継続に悩んでいました。しかし、過去に他事業をM&Aで譲渡した経験があり、その際に仲介会社との間でトラブルが発生。当時のことを後悔されており、業界を深く理解しているコンサルタントに相談したいという意向から、当社にご相談いただきました。

ご成約した買い手様は、全国展開している医療法人グループ様です。売り手様が人材不足という経営課題を抱えていたのに対し、買い手様は独自のノウハウを持っており、その課題をクリアできる見込みがあることが成約を後押ししました。

本件のポイントは、多方面の専門知識を求められた案件だったことです。施設の不動産譲渡に関しては、宅建士や司法書士を巻き込んだ調整を実施。補助金を受けている事業であったため、行政との連携や「事業承継・引継ぎ補助金(現:事業承継・M&A補助金)」への対応、また銀行からの資金調達など、多岐に渡る検討すべき事項がありました。

当社には、介護や不動産など各分野の有資格者が在籍しておりますので、多方面の要請に対してチーム一丸となり対応にあたりました。結果として、行政や関係者を巻き込みながら、基本合意からクロージングまで約2ヶ月というスピード感で成約することができました。

このスピード感は、当社の強みである組織の対応力と専門性が発揮された結果です。私自身もこの案件に携わらせていただきましたが、経営者様が私の祖父母と近い年齢でもあり、何とか力になりたいと思いながらサポートをさせていただいた案件でした。

課題が多く存在していましたが、カイポケM&Aが仲介し、売り手様・買い手様双方に協力いただき、双方が満足度の高い結果となったことを、担当者として大変嬉しく思っております。

事業開発室 M&A支援グループ グループ長:天海才様

―M&A支援に取り組む上で、こだわりのポイントがあれば教えてください。

金子:こだわっているのは、無理なマッチングをしないことです。M&Aは、最終的には人と人との相性が重要であり、条件や経営に対する考え方の一致など、多角的な観点から慎重に検討する必要があります。

特に、事業の引継ぎやPMI(Post-Merger Integration)を進める中で、人間関係のケアができていない、経営者同士の相性が合わないなどは、後々トラブルにつながる可能性が高くなります。無理なマッチングをせず、「誠心誠意正しい」と思えることだけを実践することは、私たちが最も重視しているポリシーと言えます。

また、手数料体系については、大手M&A仲介会社と比較して、当社の手数料はかなり低めになっていると思います。介護・障害福祉事業の経営者様の中には「初期費用が高いのでは」といったご不安からM&Aのご相談を躊躇されている方もいらっしゃるかもしれませんが、当社ではお客様を適切に支援するために現実的な手数料水準を設定しているので、安心してご相談いただければと思います。

事業開発室 M&A支援グループ マネージャー:金子文大様

業界特化型だからこそ、事業者に寄り添ったM&Aを実現できる

―貴社の今後の方向性について教えてください。

天海:今後も引き続き、介護/障害福祉/医療の領域を中心に、M&A支援を広く提供していく方針です。2025年10月に、大阪にも拠点を開設したので、東京・大阪の二拠点体制で、よりフットワーク軽く全国のお客様に対応していきたいですね。特に中国地方や近畿圏のお客様とも対面でのご相談が容易となるため、より密な連携が可能になると考えています。

加えて、M&Aのマッチング機会の拡張にも継続して注力していきます。「カイポケ」や人材紹介事業など、既存の自社リソースを通じたご縁も重要ですが、それだけですべてのお客様をカバーできるわけではありません。

可能性を最大限に広げていくためにも、M&Aプラットフォームの活用や、士業の先生方、金融機関等と適切に連携しながら、より多くのマッチングを実現していきたいと思います。

株式会社エス・エム・エス天海様と金子様