レポート

2019.06.06

【福山セミナー開催報告】ネットを活用して会社譲渡を実現するための5つの心得について

【記事のポイント】
会社や事業を売りたいと思ったら…

1. 事業承継のタイムリミットを決めておく!

2. 売主の期待値が高くなりがちな譲渡価格…、いかに妥協できるかが成功の肝!

3. 買主は対象会社のストーリーを知りたい!

4. 正しい決算書を準備しておく!

5. デューデリジェンスを必ず行う!

 

4月23日、広島県福山市の市役所文化会館にて、地元企業の経営者様や金融機関、士業の皆様に向けた「経営者のための事業承継セミナー」を開催しました。セミナー前半では、バトンズ代表の大山が今後の事業承継の動向や売主の視点について講演!売主がネットマッチングサービスでM&Aを成功させるために必要な5つのステップをお送りします!

また次回紹介するセミナー後半部では、実際にバトンズを通して一年で会社を2社買われた水工房リアルの代表取締役社長である松原祐司様と、松原様の担当アドバイザーである喜創産業の山本将司様が登壇。大山との対談を行いました。買主の視点、それをサポートするアドバイザーの視点で、“成功するM&Aの考え方”を次回のレポート記事で紹介します。

 

売主の心得1.  事業承継にはタイムリミットがある!いつまでに終えたいかを決めておく!

 

帝国データバンクのデータによると、現在、日本の社長の平均年齢は59.7歳だそうです。そして、社長が事業承継を終えるタイミングの平均年齢が71歳。事業承継を行うには、一般的に10年を要するといわれているため、社長の平均年齢が70歳に達する2025年頃には、事業承継を終えるタイミングの平均年齢がなんと80歳ということになります!これでは社長さんも疲れてしまうでしょう。

知力や気力にもまだ自身のある60代ならまだしも、70代から社長が本格的な事業承継に取り組むとなると、自身、会社、家族にとっては大きなリスクです。リスクが現実になることを防ぐために、事業承継のタイムリミットを決めておくのは大切なことです。

現在、後継者不在の企業が全国に127万社あり、そのうちの83万社が廃業すると懸念されています。いまから6年後、高齢の経営者が一斉に引退し、準備が整っていないまま否応なく世代交代を行うことになるのか、もしくは廃業を選択しなければならない状況が訪れようとしています。

こうした岐路に立たされる前に、社長は家族と早めに話し合い、いつまでに事業承継を終えるべきなのかを把握しておくことで、自分にとっても、家族にとっても、従業員にとっても幸せな事業承継を行うことができるでしょう。

売主の心得2.  売主の期待値が高くなりがちな譲渡価格…、いかに妥協できるかが成功の肝!

 

日本の事業承継でいちばんの課題となっているのが、年商が一億円以下の小規模企業です。ソフトバンクなどの大会社が何兆円で外資企業をM&Aしている一方、日本で大多数を占める年商一億円以下の企業のM&Aは、まったくの別世界です。

会社の規模が大きければ大きいほど相手は見つけやすいのですが、年商一億円以下の企業となると相手を見つけるのは簡単ではありません。小さな会社がシナジーの高い相手を見つけるために従来のようにすべてのプロセスで人的リソースを活用するとなると、時間とコストがまったく見合わないからです。

そこで、小さな会社でもM&Aを行えるようにとネットマッチングサービスが生まれました。ネット上のオープンな世界でマッチングが行われるため、時間とコストを大幅に削減できるようになったのです。

さて、ここで気をつけておきたいのが、対象企業(売主の事業)の譲渡額についてです。中小企業とはいえ何十年も経営してきた老舗の企業をM&Aで譲渡することは容易な決断ではありません。そのため社長は様々な想いをもって会社の譲渡希望額を提示します。ところが、その希望額が良い譲渡相手を見つける際にボトルネックになることがままあるのです。

ネットマッチングでM&Aの敷居が低くなったからこそ、売主は冷静に自社の譲渡額を見極めて、買主と交渉を進めていくべきです。つい期待値が高まってしまう部分でもありますが、オープンな世界で多くの比較対象の中から適切な相手を探すためには、自身の会社はいくらであればお相手に譲渡できるのか、事業を存続してもらえそうかを見据え、マッチングした買主は協力者であることを念頭において、妥協すべき点を話し合いましょう。

 

売主の心得3.  より理想的な相手を見つけるために、会社のストーリーをきちんと伝える!

 

バトンズでは過去に最短13分でマッチングが行われ、最短20日で成約に至ったという事例があります。また、たとえ赤字や債務超過だったとしても、様々な案件が無事成約してきました。

ここでお伝えしたいのが、買主は譲渡企業または事業のストーリーを重視している、ということです。

譲渡企業がこれまでどんな経営をしてきて、地域にどのように愛されてきたのかといったストーリーを買主は知りたいと思っています。そこをきちんと理解できるからこそ、スピーディーな成約やリスクを抱えた案件でも成約が実現しているのです。またそうすることで、買主が成約後に引き継いだビジネスがどのような成長を辿るかより具体的に想像できます。

なによりストーリーを発信することで、売主の事業に対する想いを買主がきちんと理解し、継いでくれる可能性が高まります。譲渡を考えている社長は、自身の会社や事業にどのような魅力があり、譲渡後どういった成長を見込めるのか、また解決すべき弱みはどこなのかを買主に適切に伝える術を持ちましょう。

従来のように人間によってこのプロセスが進められると、提案するまでに最低1ヶ月、マッチングまでに1〜2年はかかるのが相場です。それがネットであればマッチングスピードは人間の約1/5です。現在のバトンズでは、初マッチングまでに要する平均時間は約3〜4ヶ月で、長くなったとしても半年です。

ネットを通してさらにオープンな場で後継者探しをできるようになったからこそ、専任で仲介してきた人間には想像もつかなかったようなお相手との、面白いマッチングも生まれています。譲渡を考えている社長は、ぜひ他にはない自社のストーリーを発信することについて考えてみてください。

 

売主の心得4.  正しい決算書を準備しておく!

 

赤字や債務超過の企業でもM&Aは可能であることを先述しました。現在、バトンズ上でマッチングしている譲渡企業の35%は赤字、55%以上は債務超過。全体の64%が年商一億円以下の小規模企業です。

普通だったらM&Aできないかもしれません。しかし、それでも相手が見つかるのは正直な決算書を提出し、会社の良いところも悪いところも包み隠さず開示しているからです。現在の事業の何をどう改善すればまた軌道に乗せることができるのか、買主にきちんと正確な財務諸表を開示することで、成約の可能性が格段と高まります。

中堅以上の会社のM&Aは9割以上が株式譲渡ですが、小規模会社は事業の一部を切り出してM&Aを行う事業譲渡が主流です。M&Aを成功させるには、事業部ごとの正しい決算書だけでも用意しておくことが必須です。

 

売主の心得5.  デューデリジェンス(DD)を必ず行う!

 

中堅・中小企業のM&Aだけでなく、小規模企業のM&Aにおいてもデューデリジェンス(DD)は必須です!デューデリジェンスを行うことによって、あらゆるリスクを精査し安全にM&Aを行うことができます。

こちらの記事を参照して、なぜデューデリジェンスが必要なのかぜひチェックしてみてください。

さて、ここまで譲渡を検討されている社長に向けて、M&Aを成功させるためのコツを紹介してきました。次回は、一年で2社のM&Aを実行した買主、水工房リアルの代表取締役社長の松原祐司様、松原氏の担当アドバイザーである喜創産業の山本将司様、そして大山による対談の内容をお届けいたします。

M&Aで成功するために買主が持つべき視点をお聞きしましたのでご期待ください!

 

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