
M&A専門家向けSaaS「BATONZ パートナープログラム」において、AI-OCRを活用して最大10期分の決算書の比較資料を生成できる新機能の提供を開始します。
背景
M&Aを検討するにあたり、売り案件の決算情報は買い手の意思決定において重要なポイントとなるため、M&A専門家が事前にデータとして取りまとめておくことが一般的です。買い手は、過去3期分のデータを比較して業績の推移を確認することで、適正な買収価格の算出や買収後における事業計画の策定に活用します。一方で、M&A専門家が複数期の決算書を比較し詳細に分析するためには、各項目や数値を手作業で一覧化する必要があるため、多大な時間と労力を要するという課題がありました。
これまで「BATONZ パートナープログラム」の『Enterpriseプラン』において、1期ごとの決算書内容をデータ化する機能を提供していましたが、今回は事前に読み取った最大10 期分の決算書データを約1分(※)でデータ化する新機能の提供を開始します。アップロードした決算書内の、貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費明細書、製造原価報告書はAI-OCRを活用して読み込み、データ化をしています。
今後もバトンズは、テクノロジーを活用しM&AプロセスのDX化を推進することでM&A支援業務の効率化を図り、日本の価値ある事業の存続と発展に貢献してまいります。
新機能の特徴
・最大10期分の決算書を同時に処理
事前にAI-OCRで読み取った決算書から、貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費明細書、製造原価報告書の各項目を整理し、最大10期分の比較データを作成します。また各期を項目ごとに並べて表示しているため業績推移の把握に役立ちます。
・1分以内(※)にアウトプット完了
手作業では数時間を要していたデータ整理を、AI-OCRを活用することで約1分(※)で完了させることができ、大幅な業務負担を軽減します。

アウトプットのイメージ
導入効果
・業務時間の短縮
決算書データの手入力作業が不要となり、他の重要な業務に時間を確保することで、よりスムーズにM&Aの進行をサポートします。
・データの正確性向上
AI-OCRが情報を自動で読み取るため、人間が手作業で入力をする場合と比較して入力ミスを減らすことができます。より正確な財務データを迅速に取得できるため、大幅な業務効率化を図れます。
(※)ご利用のインターネット環境等によって、データ化までの時間が前後する場合もあります
エンジニアのコメント
今回の開発における重要なテーマは、様々な形式の決算書PDFから各項目の比較データを作成することでした。この課題を解決するためAI-OCR技術の活用に加え、プログラムでも工夫しました。現状ではまだAI-OCRは、全てのケースに完璧に対応できるわけではありません。そこで私たちは、AI-OCRだけでは捉えきれない細かな帳票の差異や特有のレイアウトに対応するため、プログラミングによる独自の処理ロジックを丁寧に設計しました。そして、このAI-OCRとプログラムの両面からのアプローチによって、実用レベルでの決算書比較機能を実現しました。